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上司や同僚、友人などから「この文章で何を伝えたいのかわからない」と言われお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
読み手を混乱させてしまうのは、文章の構成を把握せず本文を書いていることが原因です。
文章の構成をマスターすれば、わかりやすい文章が書けます。
当記事では、効果的な文章構成の基本である「頭括型・尾括型・双括型」について解説します。
これらの構成法を把握し適切に使い分けることで、読者にとってわかりやすい文章が書けるようになるでしょう。

文章力が格段にUP!頭括型・尾括型・双括型とは?

頭括型・尾括型・双括型とは、それぞれ文章の構成を示す型のことです。
文章の構成とは、内容を効果的に伝えるための骨組みを指す。
頭括型・尾括型・双括型を把握し状況に応じて適切な型を使用することで、わかりやすく説得力のある文章が書けます。
それでは1つずつ、どういった特徴があるのかそれぞれ見ていきましょう!
頭括型(とうかつがた)

頭括型とは、文章の冒頭で結論を書く構成のことです。
以下の文章は、頭括型で国民健康保険への加入の重要性を解説しています。
国民健康保険への加入は重要です。(結論)
なぜなら、国民健康保険に未加入の状態で医療機関を受診すると医療費が全額自己負担になるからです。(根拠)
1週間前に体調不良で医療機関を受診した際、保険証を提示したことで医療費の3割負担で済みました。
仮に、国民健康保険に未加入であれば医療費を全額負担する必要があるため、高額な医療費を支払うことになるでしょう。
さらに、高額療養費制度が利用できなかったり出産育児一時金が受け取れなかったりなど、さまざまなリスクも生じます。(説明)
頭括型では、以下の順番で文章を書きます。
- 結論
- 根拠
- 説明
結論を最初に書くことで、読み手が文章の要点を素早く把握できます。
活用が有効となるシーンの1つとして『ビジネスメール』を送る場面。
ビジネスシーンではメールを読む時間が限られている場合もあるため、最初に結論を書くことで読み手の時間を奪わずに済みます。

その結果、円滑なコミュニケーションや業務効率の向上が実現します。
尾括型(びかつがた)

尾括型とは、結論を最後の段落に書く構成のことです。
以下は、尾括型で国民健康保険への加入の重要性を書いた文章です。
1週間前に体調不良で医療機関を受診した際、保険証を提示したことで医療費の3割負担で済みました。これは国民健康保険に加入していたからです。(説明)
仮に、国民健康保険に未加入であれば医療費を全額負担する必要があります。
高額な治療費や長期の入院が必要になった場合、貯金が減ったり借入したりなどのアクシデントに見舞われるでしょう。
さらに、高額療養費制度が利用できなかったり出産育児一時金が受け取れなかったりなど、さまざまなリスクも生じます。(根拠)
これらのリスクを考慮すると、国民健康保険への加入は重要であると言えるでしょう。(結論)
尾括型では、以下の順番で文章を書きます。
- 説明
- 根拠
- 結論
たとえば、小説や絵本は尾括型で書かれているケースが大半です。
これは、読者を物語に引き込み最後まで読んでもらうためです。
結論から書かれている小説に興味を持つ読者は少ないでしょう。
なぜなら、最初に結論を把握することで、物語の展開や登場人物の成長・葛藤などに対する興味が薄れるからです。

尾括型は文章を最後まで読ませたい場合に有効です。
双括型(そうかつがた)

双括型とは、結論を最初と最後の段落に書く構成のことです。
以下の文章では、双括型で国民健康保険への加入の重要性を解説しています。
国民健康保険への加入は重要です。(結論)
なぜなら、国民健康保険に未加入の状態で医療機関を受診すると医療費が全額自己負担になるからです。(根拠)
1週間前に体調不良で医療機関を受診した際、保険証を提示したことで医療費の3割負担で済みました。
仮に、国民健康保険に未加入であれば医療費を全額負担する必要があるため、高額な医療費を支払うことになるでしょう。
さらに、高額療養費制度が利用できなかったり出産育児一時金が受け取れなかったりなど、さまざまなリスクも生じます。(説明)
リスクを回避するためにも、国民健康保険への加入は必須です。(結論)
双括型では、以下の順番で文章を書きます。
- 結論
- 根拠
- 説明
- 結論
最初と最後に結論を書くことで、要点を効果的に伝えられます。
とくに、頭括型で書かれた文章が長文の場合、結論を忘れてしまう読者も少なくありません。
結論を忘れてしまえば、文章の最初まで戻る手間がかかります。
双括型で文章を書けば最初と最後に結論が提示されるため、ポイントを再確認できるうえに文章全体の流れも把握しやすくなります。
双括型は、長文や主張を強調したい時に有効です。

ただし、短文で双括型を使用すると「くどく」なるため、
短文の場合は頭括型を使用しましょう。
【完全ガイド】頭括型・尾括型・双括型の使い分け

頭括型・尾括型・双括型の使い分けを解説します。
使い分けを把握することで、さまざまな種類の文章を書くスキルが向上します。
構成 | 使い分け |
---|---|
頭括型 | 伝えたい内容をすぐに理解してもらいたい場合に使う |
尾括型 | 読者の興味を徐々に引き出し最後に結論を印象づけたい場合に使う |
双括型 | 長文かつ重要ポイントを強調したい場合に使う |
文章の目的や対象読者によって、頭括型・尾括型・双括型を使い分けましょう。
適切な構成を選択することで、効果的に情報を伝えられ読者の理解も促進できます。
その結果、さまざまな状況に対応できる総合的な文書力の向上につながります。
〈理解度チェック〉あなたは何問、正解できる?

頭括型・尾括型・双括型の基本を把握した後は、理解度をチェックしましょう。
次の5つの問題を解いてください。
問題を解くことで、文章構成の特徴をより深く理解でき実践的な応用力も身に付きます。
問①:次の文章は頭括型・尾括型・双括型のどれ?

近年、環境問題が深刻化しています。
地球温暖化により氷河が溶け、海面上昇が起こっています。
プラスチックごみによる海洋汚染が進んでいるのも事実です。
また、森林伐採により生態系のバランスも崩れつつあります。
そのため、現代においての地球環境は危機に直面しています。
『尾括型』
上記の文章は、最初に状況を説明し最後に結論を書いています。
つまり、尾括型で成り立っている文章です。
問②:次の文章は頭括型・尾括型・双括型のどれ?

定期的な運動は健康な生活を送るために欠かせない要素です。
なぜなら、定期的な運動は心身の健康に影響を及ぼすからです。
有酸素運動は体重管理や生活習慣病の予防に役立ちます。
また、筋力トレーニングは免疫力の向上やストレス解消などに効果的です。
ストレッチは幸せホルモンの分泌を促進したり柔軟性を向上したりします。
これらの運動を組み合わせて行うことで、心身の健康を維持できます。
『双括型』
上記の文章は、健康的な生活を送るために運動は重要だと結論を提示した後、説明を展開し最後に冒頭の主張を言い換える形で締めくくっています。
したがって、双括型で書かれた文章となります。
問③:次の文章は頭括型・尾括型・双括型のどれ?

自動車保険には、法律で加入が義務付けられている保険と任意加入の保険があります。
自賠責保険はすべての自動車とバイクに加入が義務付けられている保険です。
一方、対人・対物賠償保険や車両保険などは任意加入です。
事故の予測は困難であるため、自賠責保険と任意保険の両方に加入することが推奨されます。
『尾括型』
上記の文章では最初に自動車保険の種類を説明し、最後に結論として自賠責保険と任意保険への加入を推奨しています。
つまり、結論を最後に書く尾括型の文章だと言えます。
まとめ:適切な構成を選択しわかりやすい文章を書こう
頭括型・尾括型・双括型は文章構成の3つの主要な型です。
頭括型は結論を文章の冒頭に、尾括型は結論を文章の最後に、双括型は文章の最初と最後に結論を提示します。
とはいっても、これらの文章の型はただ理解するだけでなく、実際に使っていくことで自分の力となるため、まずは本記事を参考にして実際に使ってみることをオススメします!
ちなみに、他にもこういった文章の型はいくつもありますので、以下の記事もぜひご確認ください。
それでは最後まで読んでくださりありがとうございました!

「頭括型・尾括型・双括型」に関するよくある質問

「頭括型・尾括型・双括型」に関するよくある質問と回答をご紹介します。
疑問点を解決することで、文章力向上につながったりわかりやすい文章を書けたりするでしょう。
よくある質問①おすすめの本や資格はありますか?
わかりやすい文章を書きたい方におすすめの本は「文章力の基本/阿部紘久」です。
この本には、文章をわかりやすく書くコツや文章構成のポイントなどが網羅されています。
なお、文章力を評価する資格として「文章読解・作成能力検定」や「日本語検定」などがあります。
これらの資格を取得するために勉強することで、文章力アップにつながるでしょう。
よくある質問②頭括型・尾括型・双括型、どれが良いですか?
頭括型・尾括型・双括型、どれが良いかは文章の目的や内容、対象読者によって異なります。
わかりやすい文章を書きたい場合は、即座に結論を伝えられる頭括型がおすすめです。
一方、長文かつ複雑な文章では最初と最後に結論を書く双括型が適しています。
よくある質問③頭括型・尾括型・双括型のメリットとデメリットは何ですか?
頭括型・尾括型・双括型のメリットとデメリットは以下のとおりです。
構成 | メリット | デメリット |
---|---|---|
頭括型 | 要点が即座に伝わる | 面白みに欠ける文章になる可能性がある |
尾括型 | 読者を文章に引き込める | 読者が途中で離脱する可能性がある |
双括型 | 主張を強調できる | くどい印象を与える可能性がある |
どの文章構成にもメリット・デメリットがあります。
場面に応じてメリットが生きる文章構成を選択することが重要です。
たとえば、友人と食事の約束をするメールであれば、文章に引き込む必要はないので、要点が即座に伝わる頭括型を使用しましょう。
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