
みなさん、同音異義語というものをご存じでしょうか?
同音異義語は社会人にとってとても大切で、特にライターの皆さんには避けて通れないものです。
きちんと正確な語句を使いこなせなければ、ビジネスシーンにおいても誤解を生む可能性があり、信頼性に影響を及ぼしてしまいます。
そこでこちらの記事では、同音異義語についての意味や使い分け、間違いやすい例などを分かりやすく紹介していきます!

同音異義語とは?

同音異義語(どうおんいぎご)とは、発音が同じでありながら、意味や使い方が異なる語句のことを指します。
例えば、解答と怪盗。どちらも「かいとう」と読みますが、意味は全くちがいますね。
日本語はこのような同音異義語が非常に多く、特に会話の場合、前後の文脈を理解しなければ正しい意味を判断するのが難しい場合があります。
同音異義語は日本語特有の難しさでもあり、それと同時に日本語の豊かさや面白さであるとも言えそうです。
【きょうりょく】
・強力:力が強いこと
・協力:力を合わせて目的に向かうこと
【かんしん】
・関心:あることに興味を持つこと
・感心:心を深く動かされること
ちなみに同音異義語で、いちばん数が多いと言われている語句が「こうしょう」です。
なんと「こうしょう」の同音異義語は48個もあると言われています。とんでもない多さですよね…笑
同訓異字とは?

同音異義語と誤解しやすい要素として、「同訓異字(どうくんいじ)」というものがあります。
同訓異字(どうくんいじ)とは、”訓読み”が同じ発音で、漢字や意味が異なる語句のことを指します。
【あつい】
・厚い:幅があること(厚い本)
・熱い:物の温度が高いこと(熱いお湯)
・暑い:気温が高いこと(夏は暑い)
同音異義語 | 同訓異字 | |
---|---|---|
読み方の違い | 音読み・訓読みどちらでもOK | 訓読み限定 |
意味の違い | あり | あり |
使用漢字の違い | あり | あり |
例 | 「橋」と「箸」(はし) | 「取る」と「撮る」(とる) |
音読みと訓読みについて
ここで、先程から「音読み」と「訓読み」という言葉が頻出していますが…
これらの違いについて『どっちがどっちだ…?』となっている方もいらっしゃるかもしれませんので、これらの違いについて確認していきます!
まず、漢字には音読みと訓読みがあり、音読みは、中国から伝わった発音が元になっています。
カンタンな判別方法の1つとして聞いただけではどういう意味かわかりにくいのが音読みです。
一方の訓読みは、その漢字の意味を表す日本語の読みを指します。
例えば「花(はな)」のように、聞くとどんな漢字か、どんな意味かを想像できるのが訓読みです。
【 花 】
・音読み:カ
・訓読み:はな
漢字によっては、音読みだけ、訓読みだけの漢字もあり、また複数の読みがある漢字もあります。
間違えやすい同音異義語・同訓異字【一覧】

ではここからは、間違いやすい同音異義語・同訓異字について一覧で紹介していきます。
それぞれの言葉の意味と、例文を確認していきましょう。
【特に間違われやすい】同音異義語・同訓異字
まずは、特に間違われやすい同音異義語と同訓異字です。
それぞれ間違って把握していないか、しっかり確認していきましょう。
あらい
【例】
・波が荒くて船が揺れる
・布の目が粗い
かいてい
【例】
・来月から電気料金が改定される
・教科書の内容が改訂された
しめん
【例】
・新聞の紙面に広告が掲載された
・雑誌の誌面で特集記事が組まれた
うつ(す)
【例】
・スクリーンに映画を映す
・風景をカメラで写す
き(く)
【例】
・この薬は風邪によく効く
・彼の鼻はとてもよく利く
こ(える)
【例】
・売上が昨年を超える
・山を越えて隣町へ行く
お(りる)
【例】
・バスから降りると、すぐに雨が降ってきた
・山を下りると、気温が高く感じる
てきせい
【例】
・彼女は営業の仕事に対して高い適性を持っている
・そのプロジェクトには適正な予算が必要です
か(える)
【例】
・旅行の計画を変更するために日程を変える
・書面をもって、挨拶に代える
・切れた電球を新しいものに替える
・ドルを円に換える
おさ(める)
【例】
・大学で必要な単位数を修める
・その本は図書館に収められている
・納税期限までに税金を納める必要がある
・始皇帝は中華を治めた
【意味が似ている】同音異義語・同訓異字
次にご紹介するのは、意味が似ている同音異義語と同訓異字です。
それぞれをあやふやに理解していないか、確認していきましょう。
かいとう
【例】
・お客様の質問に迅速に回答する
・試験の解答を確認する
はや(い)
【例】
・毎朝起きるのが早い
・走るのがとても速い
にお(い)
【例】
・花の甘い匂いが漂っている
・ゴミの臭いがひどい
せいさく
【例】
・映画の制作が進行中です
・自動車の製作ラインが稼働しています
かいほう
【例】
・公園は一般に開放されています
・戦後、多くの捕虜が解放された
けんとう
【例】
・新しい計画について検討を行う
・この問題の解決策を見当するのに時間がかかった
いぎ
【例】
・彼の言葉の異義が議論の的となった
・裁判の判決に異議を唱えた
そうぞう
【例】
・未来の景色を想像する
・新しい作品を創造する
いし
【例】
・彼は進学の意思を固めた
・彼の強い意志がプロジェクトを成功させた
た(つ)
【例】
・彼は喫煙の習慣を絶つ決心をした
・彼は不健康な食生活を断つことにした
かた(い)
【例】
・このフルーツは固いため、好きではない
・硬い木材は加工が難しい
・彼は堅い意志を持ってそのプロジェクトに取り組んでいる
【ビジネスシーンでよくある】同音異義語・同訓異字

最後に、ビジネスシーンでよくある同音異義語と同訓異字です。
特に、重要な書面作成時や会議などには注意すべき語句をまとめました!
つつし(む)
【例】
・宴会では言動を慎むようにしています
・謹んで新年のご挨拶を申し上げます
いどう
【例】
・新しいオフィスへの移動が決まった
・部署異動により新しいチームに配属された
しこう
【例】
・新しいシステムの試行を行ったが、うまくいかなかった
・新しい法律の施行が始まった
せいさん
【例】
・会社の清算手続きが完了した
・出張の経費を精算するために領収書を集める
ほしょう
【例】
・この時計には1年間の保証がついている
・基本的人権を保証する
・事故による損害を補償する

同音異義語を間違えないようにするポイント

ここまで同音異義語・同訓異字の一覧を見ていただきましたが「こんなにあるんだ…」と感じた方、多いと思います。
しかし、本記事でご紹介したのはごく一部に過ぎず、一説によると1000語句以上存在すると言われているほど…
その多くは実際に日常の中でもよく使われるだけに、正しく・間違えないように使用するのは至難の業です。
そこで本セクションでは、同音異義語を間違えないようにするポイントをご紹介いたします!
言葉・文脈を理解する

当然のことですが、同音異義語を正しく使うためには、言葉の意味をしっかり理解して区別する必要があります。
意味を理解して区別することは、同音異義語の正しい使い分けに欠かせません。
例えば「こうしょう」という言葉は、同音異義語のなかで最も使い分ける量が多いと言われており…
「交渉」(話し合いをすること)
「校章」(学校のシンボル)
「公称」(公に名乗ること)
「口承」(口頭で伝えること)
など、その数は”48個”にものぼります。
また、文脈を理解することも同様に欠かせない要素のひとつ。
会話や文章の流れを考慮し、どの意味が最も適しているかを判断すると使用するときも、読み解くときも間違えづらくなるため、押さえておきましょう!
熟語の組み立てを理解する

熟語1の構成要素を理解することで、言葉の意味をより深く理解し、正しく使い分けることができます。
※熟語:二字、もしくはそれ以上の数の漢字が結合して一語の意味となる語句
例として「会心」と「改心」という2つの熟語で具体例を見ていきましょう!
まず「会心」の熟語の組み立ては、心+出会う。
これによって、心に思ったものに出会う…という意味も想像ができますよね。
対して「改心」の組み立ては、心+改める。
こちらも自らの心を改める…という意味が導き出せます。
読み | 会心 | 改心 |
---|---|---|
組み立て | 心+出会う | 心+改める |
意味 | 心に思い浮かべていたものに出会い、満足すること | 今までの行いを反省して、心を改めること |
例 | 会心の出来だ | 彼は改心した |
このように、熟語の構成要素を理解することでも、それぞれの言葉の意味が明確になり、正しい使い分けが可能になります。
このように、熟語の組み立てを意識するだけでも同音異義語の間違えの予防になるうえ『正しい言葉の意味を扱える=語彙力を高める』こともできるため、こちらのポイントもぜひ押さえておきましょう!
最終確認を念入りに行う

同音異義語を間違えないようにする最後のポイントは、最終確認を念入りに行うことです。
「当たり前のことばっか書いてるね」と思われてしまうかもしれませんが…笑
特に文章を書いた後に再度見直しをすることで違和感に気づき、誤用を防げた…という経験はライターとして活動している筆者の実体験として現実に起きています。

以前副業に関する記事を書いていた際に「副業経験者数は現代において、約△△人にも”昇る”」と勢いで書いていたんですよね…クライアントに渡す前に気づけてよかった…
そのため、最終確認をする際には主に以下のポイントを確認しましょう。
理解度に自身のない言葉・語句のチェック
「なんとなくこうだった気がする」で使った語句は、必ず辞書や信頼性の高いサイトで再確認しましょう!
特にここまで読んでくださっているあなたならもうお気づきかもしれませんが、同音異義語は意味や使い方の違いが非常に細かいうえに多いですよね…。
そのため、理解度に自身のない言葉や語句は”一応”チェックしてみることが最終確認を行ううえではオススメです。(一応が一命を取り留めることが結構あるんです)
口に出して読んでみる
一度、声に出して読んでみると、読みづらい・不自然な表現や同音異義語の違和感に気づきやすくなります。
ライターに限らず、言葉を扱う仕事としてはアナウンサーやナレーターも、原稿チェック時にはこの「音読確認」を欠かさないそうです。
というのも、本来の言葉と誤用されている言葉では”イントネーションが異なる可能性がある”ため、間違いなく、伝えるためには重要だと言うことです。
そのため、最終確認をする際に自分の耳で確認することは非常に有効です。
第三者の視点を借りる
自分では気づきにくい誤用やニュアンスのズレも、他者に見てもらうと一目で指摘されることがあります。
同音異義語の使い分けは、自分だけの知識や感覚に頼ると間違いに気づきにくいため、家族や友人、同僚、上司など、間違えて伝えたくない文章を書いている際には力を借りましょう!
(筆者も守秘義務のない制作物については第三者に確認をしてもらってます)
また「すぐに誰かに見てもらえない」という場合は校正ツールやAIなどを活用するのがオススメです。
とはいえ、無料・有料ツール問わず、守秘義務や機密事項のある文章を検査に掛けてしまうと情報が漏れてしまう可能性もゼロではないため、なるべくそういった文章は社内やワークスペース内で確認ができる体制であることが好ましいでしょう…!
【おまけ】ダジャレと同音異義語の関係性

ダジャレとは、ご存知の通り同じ音や似た音をかけて作る言葉遊びですが、同音異義語を当てはめることもでき、意外にも”文章力を向上させるための練習”にもなります。
例えば「交渉」と「公称」を使って「交渉の末、公称の年齢を1つ若くした。」というようなちょっと知的(?)にも思えるダジャレも同音異義語で作れちゃいます。(苦笑)
これが面白いかどうかは一旦置いておいていただきまして…
このようにダジャレは言葉の巧妙さとユーモアを引き立てるものです。
同音異義語をダジャレに活用することで、言葉の面白さを再発見し、日常会話に彩りを添えることができるかもしれません。
(ただし親父ギャグと思われる可能性は非常に高いので、筆者としては公表することはオススメしません…)
まとめ:同音異義語の意味を理解して正しく使い分けよう!
ここまで同音異義語について、その使い方や意味の違いについて解説してきました。
同音異義語を正確に使い分けるためには、言葉の意味や熟語の組み立てを理解して区別し、最終確認を念入りに行うことが重要です。
同音異義語を正しく使い分けることで、文章の精度が向上し、不要な誤解を避けることができます。
意味の微妙なニュアンスを理解し、適切な言葉を選んでいけるようにしましょう!
ちなみに文章力をより専門的に学び・高めたいという方は、こちらの記事もご覧ください!

同音異義語・同訓異字に関する「よくある質問」
では最後に、同音異義語・同訓異字について調べている方から『よくある質問』と回答をまとめておきますので、ぜひご確認ください!
Q.1 同音異義語を覚えるコツはありますか?
A1. 同音異義語を覚えるには、本記事を読みこんでいただき、実際に使ってみることがいちばんの近道…と言いたいところですが、特にオススメの方法を以下にまとめておきますのでご確認ください!
- 意味と使い方をセットで覚える
- 語源や漢字の成り立ちを意識する
- 間違えやすい同音異義語を覚える
Q.2 同音異義語を正しく使うための練習方法はありますか?
A2. あります!おすすめの練習方法は次の3つです!
- 例文を作成する
→同音異義語を調べ、それに合わせた例文を分けて書いていく - AIや辞書を活用してフィードバックをもらう
→自身の文章をチェックしてもらうことで覚えられる
Q.3 同音異義語の誤用を減らすためのチェックリストをもらえないですか?
A3. こちらの質問は本記事を書く際に、本メディア運営元の公式Instagramでいただいていた質問です!そして作成しましたので、以下をご確認ください!
同音異義語の誤用を減らそうチェックリスト!
この5つのチェックができれば、誤用を壊滅できるかと思いますので、ぜひ参考にしてください!
