あなたは「特徴」と「特長」を正しく使えていますか?
どちらも「とくちょう」と読む言葉です。
2つの違いを理解して使い分けが出来ているかと聞かれると
『ちょっと自信がないなぁ…』
『なんとなく使っていたかも…』
『違いなんて意識したことない…』
という人も多いかもしれませんね。
あなたはどうでしょうか?
間違った使い方のままだと、仕事や学校で恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
そこで本記事では「特徴」と「特長」の意味の違いと使い方を解説していきます。
これを読めば
- 言葉の違いや使い方が分からない
- 仕事や学校で間違いを指摘されたことがある
- 正しい日本語の使い方を知りたい
このような思いを解消できるはずです。
2つの違いを理解して正しく日本語を使いこなせるようにしていきましょう。
自分で文章を考えてみるとより理解が深まりますので挑戦してみてくださいね。
例文をまじえて説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「特徴」と「特長」の意味の違い

パソコンやスマホで「とくちょう」と入力した時に
『あれ?どっちを使うんだろう…』
と、変換に迷った経験はありませんか?
同じ読み方をする2つの言葉ですが、それぞれの使い方には明確な違いがあるんです。
今まで何となく使っていた人は、もしかしたら間違って使っていたかもしれませんよ。
企画書などビジネスシーンで使われることも多い言葉ですので、正しく使えるようにしていきましょう。
それでは「特徴」と「特長」それぞれの意味の違いについて解説していきます。
例文もありますので参考にしてみてください。
特徴の意味

「特徴」は、他と比べて特に目立つ点、際立っているところを示す言葉です。
「徴」という漢字には“しるし”という意味があり、他との違いをあらわします。
他の人や物と比べて目立っている・際立っているという場合には「特徴」を使いましょう。
目立つ点において、良いか悪いかは関係ありません。
ですので「事件の特徴」のように良いイメージではない場合にも「特徴」を使います。
- 日本の夏は蒸し暑いのが特徴です。
- あの建物は特徴的な窓の形をしています。
彼が履いているスニーカーは特徴のあるデザインですね。
例文のいずれも「特徴」であるとされる事柄について、良し悪しは関係ありません。
蒸し暑い夏も窓の形もスニーカーのデザインも、良いか悪いかに関係なく際立っているという事を表現しています。
特長の意味

「特長」は他よりも優れている点のことをいいます。
比較対象よりも優れている場合に使い、悪い意味で目立つ場合には使いません。
「長」の漢字には“長ける”や“優れた”という意味があり、類義語は「長所」です。
良い点として自社の商品やサービス、自身の性格などをアピールしたいときには「特長」を使いましょう。
- 彼女の歌声は特長があって美しいですね。
- 新商品の掃除機は強い吸引力が特長です。
うちの猫の特長はシッポが短いところです。
こちらの例文では「特長」とされる事柄は全て良い点として表現されています。
美しい歌声も吸引力の強さも短いシッポも、全て「長所」であるということになります。
一文字違うだけで意味合いが変わってくるのが、日本語の難しく面白いところですね。
「特徴」は、悪い場合でも目立っている点や際立っている様子を表す時に使います。
一方「特長」は、その人や物にしかない良い点を表す場合に使います。
使い分けるポイントは【良いかどうか】です。
その物や状況をよくみて、どちらを使うのが適切かを判断してみてください。
「特徴」と「特長」の使い分け【例文つき!】

先にも説明した通り「特徴」と「特長」はどちらも他と比べて目立つ点や優れた点を指す言葉です。
明確な違いは【良いかどうか】という事でしたね。
「特徴」は良し悪しに関係なく目立っている場合に使い、「特長」は良い意味で目立っている場合にしか使いません。
この2つの違いをしっかり覚えておいてくださいね。
それでは、このポイントを押さえて以下の例文をみてみましょう。
特徴の例文
まずは「特徴」の例文です。
この「特徴」は、良し悪しに関係なく目立っている場合に使う言葉でしたね。
使い分けのポイントを意識して見てみましょう。
①この製品の最大の特徴は、軽量で持ち運びが簡単な点です。

ほかの製品と比べ軽くて持ち運びが簡単なことが際立っているという意味で使われています。
その良し悪しは関係がありません。
②彼の着ている洋服は、色の使い方が特徴的ですね。

洋服の色の使い方が特に目立っているという意味で使われています。
その良し悪しは関係ありません。
③この企画の特徴は、国際交流を目的としている点です。

ほかと比べこの企画は国際交流を目的としている点が目立っているという意味で使われています。
その良し悪しは関係がありません。
特長の例文
続いて「特長」の例文です。
この「特長」は、良い意味で目立っている場合に使う言葉でしたね。
「特徴」との使い方の違いを意識して見てみましょう。
①この車の特長は、燃費が良く環境に優しい点です。

燃費がよく環境に優しいところがこの車の良い点、つまり長所であるという意味で使われています。
②この靴の特長は、長時間履いていても疲れにくいところです。

長時間履いていても疲れにくいところがこの靴の優れている点、つまり長所であるという意味で使われています。
③このお店はスパイスの効いた本格的なカレーが特長です。

スパイスの効いた本格的なカレーがお店の売り、つまり長所であるという意味で使われています。

クイズに挑戦!「特徴」と「特長」どっちが当てはまる?

ここまで「特徴」と「特長」の違いと使い方について説明してきましたが、お分かりいただけましたか?
ふたつの違いは【良いかどうか】でしたね。
それでは、ここでクイズです!
理解度チェックをしてみましょう。
これまでの内容を理解できていればきっと全問正解できるはずです。
問題は全部で5問です。
下線部に「特徴」と「特長」のどちらが当てはまるか考えてください。
さあ、あなたは何問正解できますか?
第一問

この家は断熱性に優れていて、一年を通して快適に過ごせるところが__です。
・
・
・
答え▶特長
この場合は、家の最も優れたところが断熱性の良さであるという意味になるので「特長」が正しい答えです。
第二問

彼は歩幅が広く歩くスピードが速いのが___です。
・
・
・
答え▶特徴
この場合は、彼が歩く時の歩幅の広さと速さが特に目立つという意味になるので「特徴」が正しい答えです。
第三問

今年のスイカは甘味が強いのが__です。
・
・
・
答え▶︎特徴
この場合は、スイカの甘さが際立っているという意味になるので「特徴」が正しい答えです。
第四問

あのバレリーナは細くて長い手足が__です。
・
・
・
答え▶︎特長
この場合は、細くて長い手足がバレリーナの「長所」になるので「特長」が正しい答えです。
第五問

東京駅の__は赤レンガ造りの駅舎です。
・
・
・
答え▶︎特徴
この場合は、赤レンガ造りの駅舎が東京駅の象徴であるという意味になるため「特徴」が正しい答えです。
いかがでしたか?
全問正解できたあなたは「特徴」と「特長」の違いをしっかりと理解できています。
これで仕事や学校で使う場面があっても心配いりませんね。
もし間違えてしまった個所があった場合は、もう一度言葉の意味と使い方を復習しましょう。
「特徴」と「特長」の言い換え表現

「特徴」と「特長」の使い方が理解できたところで、次はそれぞれの言い換え表現について説明していきます。
状況に応じて言葉を使い分けられる語彙力の高さは、仕事などでもきっと役に立ちますよ。
言い換えができるようになると語彙力があがり表現の幅も広がりますので、こちらも覚えておくと良いでしょう。
これからご紹介する言葉は、それぞれ使うシーンや対象が少し違います。
例文を参考にしながら、言葉の意味と使い方を確認してください。
正しく覚えて使いこなせるようにしていきましょう。
特徴の言い換え

まずは「特徴」の言い換え表現についてご紹介します。
「特徴」の言い換えには「特性」「特色」「特質」が挙げられます。
3つとも他と比べて特に目立っている・際立っている点を指していて、その良し悪しに関係なく使うことができる言葉です。
それでは、一つずつ言葉の意味と使い方を確認していきましょう。
特性
「特性」は、そのものだけが持っている性質の事で、特有の優れた性質のことを言います。
「特徴」と同じように、際立っている点を指す言葉で良し悪しは関係ありません。
その物の性質から生まれる結果についてを指す過程で使われることが多く、機能的な違いを表す言葉です。
- 彼女の特徴は、誰にでも優しく困っている人を放っておけないところです。
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彼女の特性は、誰にでも優しく困っている人を放っておけないところです。 - 彼の話し方の特徴は、理論的でわかりやすいところだ。
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彼の話し方の特性は、理論的でわかりやすいところだ。
特色
「特色」は、他より特に異なっているところや、より優れて目立つ点についてを指す言葉です。
これは一般的に「物」や「事」に対して使われます。
- この街の特徴は、全世帯がオール電化でソーラーパネルを採用しているところです。
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この街の特色は、全世帯がオール電化でソーラーパネルを採用しているところです。 - この学校の特徴は英語教育に力を入れているところです。
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この学校の特色は英語教育に力を入れているところです。
特質
「特質」は、そのものだけがもつ特別な性質を指す言葉です。
その特別な性質自体に言葉の意味の中心があります。
- この作家の小説は、登場人物の感情がリアルに描かれているところが特徴です。
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この作家の小説は、登場人物の感情がリアルに描かれているところが特質です。 - このダウンコートは、軽くて保温性が高いところが特徴です。
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このダウンコートは、軽くて保温性が高いところが特質です。
特長の言い換え

次に「特長」の言い換え表現についてご紹介します。
「特長」の言い換えには「長所」「メリット」「利点」が挙げられます。
「特長」は、良い点について表現する言葉でしたね。
ですので、当然言い換え表現も同じように良い点を指す言葉になります。
それでは、一つずつ確認していきましょう。
長所
「長所」は性質や機能・性格など、もともと持っている優れた点を指す言葉です。
もし、面接などで「長所」を聞かれたら、あなたの性格や人柄・能力などの優れたところを伝えるといいでしょう。
- この車の特長は、電気が動力になり環境に配慮しているところです。
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この車の長所は、電気が動力になり環境に配慮しているところです。 - あの新人アルバイトの学生は、いつも笑顔で元気がいいのが特徴です。
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あの新人アルバイトの学生は、いつも笑顔で元気がいいのが長所です。
メリット
「メリット」は英単語ですが、日本語では利点や価値という意味で使われます。
日本語の「メリットがある」を英訳するときは一般的に「adventage」を使います。
一方、英語の「merit 」は長所・取り柄・美点と言う意味になり「メリット」と「merit 」は若干ニュアンスが違いますので使うときは少し気をつけてください。
なお、反対の言葉は「デメリット」「demerit 」です。
- この大学の特長は、海外の大学との交換留学を積極的に行っているところです。
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この大学のメリットは、海外の大学との交換留学を積極的に行っているところです。 - このレシピの特長は、簡単かつ短時間で作れるところです。
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このレシピのメリットは、簡単かつ短時間で作れるところです。
利点
「利点」は、有利な点や長所、好都合な点を指す言葉で物や事柄に対して使います。
それに対して似た意味の「長所」は、どちらかと言うと人に対して使うことが多い言葉です。
もちろん、物や事柄について使っても問題ありません。
- この地域の特長は、お米の栽培に最適な気候であるということです。
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この地域の利点は、お米の栽培に最適な気候であるということです。 - この街の特長は、都心からのアクセスが非常に良いところです。
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この街の利点は、都心からのアクセスが非常に良いところです。
このように、伝えたい状況や場面によって言葉を言い換えて使うことができます。
言い換えることでより伝わりやすくなる場合もありますので、使いこなせるようにしたいですね。
もし「特徴」と「特長」の使い分けで迷った時は、ご紹介した言い換え表現に置き換えて考えてみるとわかりやすいのでオススメです。
言い換え表現も覚えて、様々な場面で使いこなせるようにしていきましょう。

まとめ:「特徴」「特長」の意味の違いを理解して迷わず使えるようになろう!

「特徴」と「特長」の違いと使い方をご紹介してきました。
どうでしょうか?
ここまでしっかり読んでくれたあなたは、もう完璧に違いが理解できていることでしょう。
「特徴」と「特長」はどちらも優れている点や際立った様子を表す言葉です。
違う点は【良いかどうか】というところでしたね。
このポイントをしっかりおさえておけば、迷った時も正しい方を選択できるでしょう。
そして、それぞれの言い換え表現についてもご紹介してきました。
語彙力を高めることは、これから仕事や学校などでもきっと役に立ちますので、よく復習しておいてくださいね。
仕事の企画書やメール、学校のレポートなど「特徴」や「特長」を使う場面はたくさんあります。
間違った使い方で指摘されないようにしたいですよね。
今までなんとなく使っていた人も、今日からは自信を持って「特徴」と「特長」の使い分けをしていきましょう。
「特徴 特長」に関するよくある質問

最後に「特長」と「特長」に関するよくある質問についてまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
よくある質問①「特徴」と「特長」の違いはなんですか?
「特徴」と「特長」は、どちらも目立つ点や際立った点を指す言葉です。
明確な違いは、良い点を指しているかどうかということ。
「特徴」は良し悪しに関係なく目立つ点や際立っている点に対して使います。
一方で「特長」は良い意味で際立っている場合に使います。
使い方を間違えると誤解を招く場合もありますので気を付けてくださいね。
学校やビジネスシーンでもよく使用する言葉です。
間違った使い方で指摘されないように「特徴」と「特長」それぞれの言葉の意味と使い方をしっかりとマスターしましょう。
よくある質問②「特徴」の言い換えの言葉はなんですか?
「特徴」の言い換えには次の言葉が挙げられます。
- 特性
- 特色
- 特質
3つとも他と比べて特に目立っている・際立っている点を指している言葉です。
その良し悪しに関係なく使うことができます。
さらに、これ以外に言い換えで使える表現として「特殊性」「形質」「性格」「習性」「固有性」などが挙げられます。
どれも際立った様子を表す言葉ですね。
場面によって選ぶ言葉を変えながら、使用して表現の幅を広げていきましょう。
よくある質問③「特長」の言い換えの言葉はなんですか?
「特長」の言い換えには次の言葉があげられます。
- 長所
- メリット
- 利点
これらは全て良い意味で目立っている・際立っていることをあらわす言葉です。
さらに、これ以外に言い換えで使える言葉としては
「取り柄」「美点」「価値」「強み」「見所」などがあげられます。
こちらも全て良い意味で目立つ・際立っている様子を指す言葉ですね。
どのような場面で使うかによって、選ぶ言葉を変えてみるといいでしょう。
よくある質問④「特長」の言い換えの「メリット」は英語訳と同じ意味ですか?
この場合の「メリット」は、英単語の「merit 」と少しニュアンスが違いますので注意してください。
「特長」を言い換えて使う「メリット」の場合は、利点や価値という意味合いになり英語に訳すと「advantage」が適切です。
一方、英語の「merit」は長所・取り柄・美点という意味になります。
少しややこしいですが、頭に入れておくといいとよいでしょう。
ちなみに「メリット」の反対は「デメリット」です。
よくある質問⑤使い分けで迷った時はどうしたらいいですか?
『特徴と特長、どっちを使ったらいいの?』と迷ってしまうときもあると思います。
そんな時は、その事柄が良い点についてなのかどうかということに注目してみてください。
そうすれば「特徴」か「特長」のどちらを選ぶべきなのか正解が見つかると思います。
もし、それでも分からないという時は、それぞれの言い換えの言葉に置き換えて考えてみるのもオススメです。

