この記事を書いたライター
avatar
とみながなおみライター仲間に出会いたい

文章を書くとき「どうすれば、読者の印象に残る文章が作れるだろう」と悩んだことはありませんか。

筆者も初心者ライターだったとき、読者に伝わりやすい文章作りや正しい日本語を使った効果的な文章作りに悩んでいました。

そんなときに、文章表現力を高めるテクニック「省略法」を知りました。
この技法を使うことで文章にリズムを持たせ、印象に残る表現が出来るようになったんです。

今回の記事をとおして、筆者と同じように文章表現でお悩みのあなたにもぜひ「省略法」を知ってもらえたらと思います。

この記事のおすすめポイント

 ◆省略法の意味や効果が分かり、例文を通して使い方がマスターできます。
 ◆文章作成スキルが格段にアップし、読者を惹き付ける表現力が身につきます。

この記事を読んで「省略法」をマスターし、表現の幅を広げられる人になりましょう。

【表現技法】省略法とは?

【表現技法】省略法とは?

省略法とは、文法上必要な要素である主語や述語や修飾語を省略する技法です。

これにより、読者の想像力を広げ強く印象に残る表現ができます。

これを聞いたあなたは「必要な要素を省いたら意味が伝わらないのでは」と思うかもしれません。

実は、筆者も同じように思っていました。

では、省略法を用いた例文を紹介しましょう。

どうですか?意味が伝わりますよね?

「いつかまた・・・」に続く言葉は容易に想像できると思います。

おそらく「見に行こう」あるいは「見たいな」となるでしょう。

書かれていない部分について読者が補完できる、簡単で覚えやすい文章です。

このように言葉をあえて省き、陰影や余韻を読者に感じ取らせる技法が「省略法」なのです。

省略法の効果を知ろう!

省略法の効果を知ろう!

「省略法」にはどんな効果があるのでしょう。

効果が分かれば、きっとあなたも今日から使いたくなるはずです。

それでは、さっそく紹介していきましょう。

想像力が広がる

言葉を省略するということは、その後に続く言葉に正解はないということです。

つまり読者の想像にゆだねられているのです。

例えばこんな感じです。

あえて「その先には・・・」に続く言葉を省略することにより「その先には何があるのだろう?」読者に想像させる効果があります。

想像させると続く言葉は読者により変わりますので、一つの言葉でいくつものメッセージを伝えることができます。

ターゲットやペルソナを絞らない場合に使うと効果的です。

印象を強く与える

読者に想像させると、強く印象に残ります。

例えば、こんな言葉はどうでしょう。

何を買ったかをあえて省略することで印象付けています。

重要な部分が抜けていて気になるため、余韻として残るのです。

例えば「アウトレットで○○を買いました」という文章よりも、ずっとインパクトがありますよね。

自然と省略されている部分に注目することになりますので、印象を強く与えることができます。

記憶に残る

省略法は短いワードで表現するケースが多いため、記憶に残るという効果もあります。

先にもお伝えしたとおり文章に必要な要素を省くことが省略法ですが、それを極限までそぎ落とすことで記憶に残る表現ができます。

例えば、こんな感じです。

いかがでしょうか。

当然、文章が短ければ短いほど記憶に残りますし、これだけ短いとその先が知りたくなりますよね。

このように、省略法には様々な効果が期待できるのです。

では、実際どのように使うことができるか紹介していきましょう。

【パターン別】省略法の使い方

【パターン別】省略法の使い方

省略法の効果を知ったら、今からでも使ってみたいと思いませんか?

ここからは、実際的な使い方を2パターン紹介します。

ぜひ、参考にしてみてください。

助動詞のパターン

助動詞のパターン

初めに紹介するのは文末の述語に付く助動詞「~です」「~ます」を省略するパターン、いわゆる「体言止め」です。

「体言止めなら日常的に使っている」という方も多いと思います。

実は筆者も同じように思っていて「もしかして知らないうちに省略法マスターしてた…?」と勝手に盛り上がっていました(笑)

ところが、体言止めが全て省略法の効果を発揮するわけではなかったんです。

ポイントになるのは、どこを体言止めにするか

強調したい箇所、訴求したい箇所を末尾に配置し体言止めで表現しましょう。

ここに省略法の効果が発揮できている良い例と、そうではない悪い例を紹介します。

良い例

・新料金プラン登場!

・世界初の新機能搭載!

悪い例

・全ての方が注文可能

・食べても太らない体質

同じ体言止めを使用した文でも、使用する文章によって受ける印象は全く違います。

良い例は、後に続く言葉が気になり読者の印象に強く残るため、省略法の効果を発揮しています。

一方で悪い例はどうでしょうか。

体言止めを使用しているものの、強調する必要の無い箇所を体言止めにしています。

このため、続く言葉も気になりませんし、特に想像を広げる必要もないので印象に残らず省略法として相応しくないといえます。

述語のパターン

述語のパターン

続いて紹介するのは、文末にある述語「~しました」「~しています」そのものを省略するパターンです。

述語のパターンは、ペルソナを絞れない場合や幅広いターゲットに対する文章に有効です。
読者が思い思いに想像することを良しとしている場合に使用できます。

ここでポイントになるのが、読者に想像するメリットがあるかどうかです。

述語のパターンでも、良い例と悪い例を紹介します。

良い例

・毎日の食事に彩りを

・ちょっとした手土産に

悪い例

・多くの人が悩む、髪のうねりを

・日々の作業を、効率の良い対策で

いかがでしょうか。

良い例は読者に想像させることができますよね。

一つ目の文章であれば「朝食に使いたいな」とか「おもてなし料理に使えるな」と想像できます。

また、二つ目の文章であれば「お呼ばれしたときに持って行けるかも」「お世話になったあの人に渡そう」など、想像を膨らますことができます。

良い例から分かるように、読者が自由に想像でき、且つ想像することにメリットが感じられる文章は省略法の効果を発揮しているといえます。

一方、悪い例は述語を省略してはいますが、読者が想像を膨らます必要もメリットも特にないため、省略法としてはふさわしくありません。

このように、省略法は適切に使用することで効果を発揮することができるのです。

では、どのようなシーンで省略法は活用できるのでしょうか。

最も有効なのは【キャッチコピー】を作成するときです。

キャッチコピーは短い文で読者にインパクトを与える必要がありますので、省略法を使用するうってつけの場と言えるでしょう。

ぜひ、活用してみてください!

省略法を用いた例文を紹介!

省略法を用いた例文を紹介!

省略法についてもっと知りたいというあなたに、筆者が考えた例文をもう少し紹介していきましょう。

読者の想像力や印象を強く与えることを意識してみました。

例文1

例文1

今日出会ったあの人は・・・

省略による余白が強い印象を与えています。

例文2

例文2

ドアを開けると、そこに立っていたのは・・・

読者に続く言葉を想像させることができます。

例文3

例文3

ついに新色カラー誕生!

助動詞を省略したパターンです。

続く言葉が気になり、強い印象を与えます。

例文4

例文4

夏に食べたい簡単レシピ。

述語を省略したパターンです。

続きが気になり、もっと知りたいという印象を与えます。

例文5

例文5

流行のコレクション紹介!

助動詞を省略したパターンです。

続く言葉が気になり、強い印象を与えます。

省略法の注意点とリスク

省略法の注意点とリスク

ここまで、省略法のメリットや使い方を紹介してきました。

適切に使用することで効果を発揮する省略法ですが、同時にリスクが潜んでいることも覚えておきましょう。

ここからは、注意点とリスクを紹介していきます。

文章が曖昧になるリスク

文章が曖昧になるリスク

ライティングをする上で最も重要なのは「訴求ポイントを読者に伝える」ことです。

ですので、むやみに省略法を使用することは避けましょう。

なぜなら、省略法により曖昧な文章ができあがってしまう恐れがあるからです。

曖昧な文章は次の通りです。

いかがでしょうか。

曖昧な文章

・これから一緒に

・あなたにちょうど良い

・未来へ進もう

このように前後を省略し、あまりにも端的な表現や抽象的な表現にしてしまうと読者は想像することができません。

読者に想像させることを狙う場合、読者は文脈の前後から想像を膨らませることを頭に入れておきましょう。

読者に伝わらない文章になるのであれば、むしろ省略法は使用せず最後まで説明する方が良い場合もあります。

丁寧さがなくなるリスク

丁寧さがなくなるリスク

省略法はインパクトを与える一方で、丁寧さに欠けた文章となる場合もあります。

特に丁寧さが求められる堅い文章を作成するときは、気をつける必要があるかもしれません。

丁寧さに欠けた文章は次の通りです。

丁寧さに欠けた文章

・分かりやすく使用法を説明

・次回から使用可能

・目標達成までサポート

どこかメモの殴り書きのような印象を受けますよね。

省略することで、読者に不快感を与えてしまっては意味がありません。

一つ目の文章であれば「分かりやすく使用法を説明いたします」とすべきでしょう。

二つ目は「次回から使用可能となります」であり、三つ目は「目標達成までサポートいたします」と加筆する方が丁寧な印象を与えることができます。

常に読者の立場に立って文章を考えることを心がけましょう。

読み手が誤読するリスク

読み手が誤読するリスク

先ほど使い方のパターンで「述語を省略する方法」を紹介しましたが、これにもリスクが潜んでいます。

述語を省略することにより読者が誤読する、つまり解釈を間違えてしまうリスクです。

ここでも例文を紹介します。

誤読のリスクがある文章

・今後はフルリモート勤務も

・これから通勤には自家用車を

・これから買い物にエコバックを

述語を省略しているため、読者は自身の解釈で読み解くことになります。

一つ目の文章であれば「今後はフルリモート勤務も導入します」で初めて意味が伝わるといえます。

二つ目であれば「これから通勤には自家用車を使用して良いです」

三つ目であれば「これから買い物にはエコバックを使いましょう」まで記入すると間違いがありませんね。

述語を省略して良いのは、あくまで結論を読者の想像に任せて問題ない場合のみであることです。

まとめ:省略法を上手に使って、人を惹きつける文章を作ろう!

まとめ:省略法を上手に使って、人を惹きつける文章を作ろう!

表現の幅を広げる「省略法」について紹介してきましたが、いかがでしたか?

省略法は必要な言葉をあえて省くことで、読者に余韻や深い意味を感じ取らせる表現技法です。

この技法を用いることで言葉で表現されていない部分を伝え、文脈から想像を膨らませたり記憶に残る効果が得られます。

しかし、同時に使い方には注意も必要でした。

過度な省略は意図が伝わりにくくなり誤解を招く恐れがありますので、

省略された部分が誤解なく推測できるよう前後の文脈や状況を明確にすることが重要です。

省略法を適切に活用することでメッセージをより印象的なものにし、ターゲット層に効果的にアピールすることが可能です。

省略法を上手に使い、人を惹きつける文章を作りましょう!

ちなみに…言葉の面白さを知り、もっと言葉を学びたくなった方には、LINE登録で「より専門的に学べる無料講座」もあるので、日本語の正しい使い方や、文章の書き方をタダで身につけてみても良いかもしれません!

詳細はこちらの記事からご確認ください!

「省略法」に関するよくある質問

「省略法」に関するよくある質問

ここまで読み進めていかがでしたか?

「省略法」の魅力は充分理解いただけましたでしょうか?

このセクションでは「省略法」に関するよくある質問を紹介いたします。

実際に活用するときに参考にしてみてください。

よくある質問①省略法と倒置法の違いは何ですか?

「省略法」と「倒置法」はどちらも文章の表現を工夫するための修辞技法ですが、それぞれ手法や効果は異なります。

省略法倒置法
手法通常必要とされる要素を意図的に省くことで、表現を簡潔にしたり、余韻や陰影を生み出したりする手法。主語と述語、または他要素の通常の語順を逆転させて強調したい部分を目立たせる手法。
効果・想像力の広がり
・印象を強く与える
・記憶に残る
・文章にリズムを持たせる
・ドラマチックにする
・意外性を与える
用途・キャッチコピー
・ポエム、作詞、俳句
・小説       など
・講演会、演説
・ポエム、作詞、俳句
・小説
・論文       など

両者とも人を惹きつけるという点で有効な表現技法ですので、用途や目的に合わせて使い分けていきましょう。

よくある質問②省略法と体言止めは一緒ですか?

結論から言いますと答えは「いいえ」です。

両者は同じではありません。

「体言止め」はあくまで省略法の数ある手法の一つであり、体言止めが全て省略法となるわけではありません。

よくある質問③省略法はどうすればマスターできますか?

マスターする手順は以下の通りです。

1)沢山の例文に触れる
Webで「省略法 例文」と検索すれば多くの例文がヒットしますし、小説や記事を読むのも良いと思います。

2)触れた例文を分析する
どこが省略されているのかを見つけ、その理由を考えてみると省略法のパターンが分かってくると思います。

3)例文を作ってみる
初めは気になる例文のアレンジでも良いと思います。
作る時には、次のことを意識してみてください。

  1. どの要素(主語、述語、助動詞など)を省略するか
  2. 省略しても意味が通じるか
  3. 省略部分を読者に想像させることができるか

ぜひ、試してみてください!

よくある質問④省略法に使える表現技法にはどの様なものがありますか?

省略法に活用できる表現技法をいくつか紹介しましょう。

1)体言止め
助動詞や述語を省略する技法です。

 例:あなたに花束をプレゼント

2)比喩
物事を別のものに例える技法です。

 例:あなたの笑顔は太陽

3)擬人法
人間でない物事を人間に例える技法です。

 例:彼はペンを走らせた。そこに書かれていたのは・・・

4)擬態法
物事の様子を擬音で表現する技法です。

 例:ポツポツと雨が・・・

5)反復法
同じ言葉を繰り返すことにより、強調する技法です。

 例:それそれ、僕が言いたいのは・・・

よくある質問⑤コピーライターとして省略法はどこで活用できますか?

コピーライターとして省略法を活用する場面は数多くあります。

いくつか紹介しましょう。

シンプルに読者の記憶に残るような文章作成に「省略法」は欠かせません。

1)キャッチコピー
キャッチコピーは短く印象的なメッセージを伝えるものですので、最も活用する場面が多いといえます。

 例:「この商品は最高品質です」▶「最高品質」

2)SNS
SNSには文字数制限がありますので、文字数や視認性を考慮し短く要点を伝えるために活 用できます。

 例:「詳しくはこちらをご覧ください」▶「詳しくはコチラ」

3)メールマーケティング(※)
メールを読んでいる読者の興味を引き、無駄を省いて簡潔に伝えるために活用できます。

 例:「早期申し込みで特典がもらえます」▶「早期申し込みで特典あり」

※メール配信による集客や商品購入を図るマーケティング

4)広告
製品の特徴や利点を強調し、購買意欲を高めたり短時間で訴求するために活用できます。

 例:「このカメラは高画質で使いやすいです」▶「高画質・簡単操作」

この記事を書いたライター
ライターとして生きていくことを決めた、副業ライター。 SEO記事を中心にYouTube台本などを執筆、その他様々なジャンルに対応可能。ライターを本業とすベく日々奮闘中。
avatar
とみながなおみライター仲間に出会いたい