PREP法とは言うなれば、さまざまな文章作成やわかりやすい説明に必要な『文章構成の型(テンプレート)』です。
基本的な文章構成はいくつかあり、PREP法はその中でも比較的使う頻度が高い技術ですが、 実際に活用しようとしてもうまく書けないという方は多いのではないでしょうか。
そこで、当記事では「PREP法とは?」「PREP法を使うメリットとデメリット」という内容に加え、PREP法を用いた文章の書き方を例文を混じえて解説します。
また、PREP法を習得するために有効な練習方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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PREP法とは?
PREP(読み:プレップ)法とは、文章をわかりやすく書く際に役立つ「文章構成の型」を指し、使用すると、読み手に内容を簡潔に伝えることができるようになります。
また、PREP法の「PREP」とは、 『Point(要点・結論)』『Reason(理由)』『Example(具体例)』『Point(要点・結論)』の4つの頭文字を取った略語です。
- P:Point(要点・結論)
- R:Reason(理由)
- E: Example(具体例)
- P:Point(要点・結論)
上記のように各構成に当てはめることで簡潔に伝わる文章、また短い時間でわかりやすい文章の作成が可能です。
そのため、ビジネス文書の作成、Web記事、会議、プレゼンテーションなど、わかりやすい説明が求められる場面で特に高い効果を発揮します。
それでは、各要素をひとつずつ詳しく見ていきましょう。
要点・結論(Point)
冒頭で『要点・結論』を伝えるため、読み手は文章の主旨をすぐに知ることができ、続く文章の内容にも興味をもってストレスなく読み進められるようになります。
理由(Reason)
『要点・結論』の後、すぐに『理由』を伝えるため、「なぜ?」という疑問を持った読み手の興味を引くことが可能です。
『理由』を伝え『要点・結論』に対する根拠を示すため、読み手は納得して読み進めることができ、さらに書かれている内容への信頼性も増すでしょう。
具体例(Example)
『具体例』は、PREP法の構成の中で最も重視される要素です。
さらに『具体例』の要素には『要点・結論』に対しての説得力が増すという役割もあるため、他の要素よりも多く書くよう意識しましょう。
ちなみに『具体例』には「例えば、◯◯です」などの例え話のほかに、データや実績、書籍の引用などを用いると、より効果を高めることができます。
要点・結論(Point)
『具体例』を示し読み手への説得力が増したら、文末でもう一度『要点・結論』を述べます。
『要点・結論』を繰り返し述べることで、読み手に伝えたいことを印象付けることもできるでしょう。
PREP法を使った文章【例文】
PREP法がどういった文章法則なのか…ご理解いただけたでしょうか?
そして、ここからは実際にPREP法を使用した例文をご紹介します。
また、分かりやすいようにPREP法を「使用しない例文」と「使用した例文」を比較しました。
例文は「健康づくりに効果的な運動はウォーキング」がテーマです。
PREP法の流れに沿わない文章と沿った文章では、どちらの方が主旨が伝わりやすいのか…?
まずは、PREP法を使用していない例文をご覧ください。
具体例:
ウォーキングは高血糖、高血圧、動脈硬化などの改善につながることが、大学の研究や統計調査で分かっています。
理由:
有酸素運動とは酸素を使って脂肪を燃焼させる運動で、有酸素運動を行うと心臓や肺機能が強化され、血液の流れや代謝が良くなるためです。
要点・結論:
このことからも分かるように、健康づくりに効果的な運動は、有酸素運動の1つであるウォーキングです。
上記の例文のようにPREP法を全く意識せずに書いた文章では、何を言いたいのかは最後まで読まないとわかりません。
最初の一文を読んだだけでは、高血圧や心臓病などの病気を抱えた人のためにウォーキングを紹介しているように思えます。
このように、最初に『要点・結論』がない文章は、内容を理解させることが難しく、さらに読み手にストレスを与えてしまうでしょう。
それでは、次にPREP法を使用した例文をご覧ください。
要点・結論:
健康づくりに効果的な運動は、有酸素運動の1つであるウォーキングです。
理由:
有酸素運動とは酸素を使って脂肪を燃焼させる運動で、有酸素運動を行うと心臓や肺機能が強化され、血液の流れや代謝が良くなるためです。
具体例:
具体的には、ウォーキングは高血糖、高血圧、動脈硬化などの改善につながることが、大学の研究や統計調査で分かっています。
さらに、厚生労働省「健康づくりのための指針2013」を見ると「生活習慣病等および生活機能低下のリスクを軽減できる運動量の基準値を4メッツ」と設定しているのに対し「ウォーキングの運動量は4.3メッツ」とされています。
このように、厚生労働省の調査内容を見ても、ウォーキングは生活習慣病のリスクを抑えるのに効果的な運動ということがわかります。
要点・結論:
このことから、健康づくりに効果的な運動はウォーキングといえるでしょう。
上記の例文では、最初の一文に『結論』が書かれており「健康づくりに効果的な運動はウォーキング」ということがわかります。
PREP法の構成どおり『結論』に続きすぐに『理由』→『具体例』という流れに沿って書かれているため、読み手は順を追って内容を理解できるでしょう。
最後に、根拠に基づいた『結論』を繰り返し述べることで内容の説得力が増します。
また、PREP法を使用した例文を読むと、PREP法が身につきやすくなります。
このように比較してみると、PREP法を意識した文章は読み手に主旨が伝わりやすいことがわかります。
そのため、PREP法が使われている文章(例文)を読み、自らの習得に役立てましょう。
PREP法を使うメリット・デメリット
それではここからは、文章作成にPREP法を用いる際のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
PREP法の構成は、読み手に簡潔に要点を伝える場合に適していますが、文章の種類によっては逆効果となる恐れがあります。
そこで、PREP法の効果を狙い通りに発揮させるためにも、これからお伝えする内容をしっかり押さえて理解を深めていきましょう。
PREP法のメリット
それではここからPREP法を使用するメリットを5つご紹介します。
- 文章の主旨が伝わりやすい
- 読み手の興味を引きやすい
- 内容の説得力が高まる
- 文章の作成がスムーズにできる
- 情報整理のスキルが向上する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文章の主旨が伝わりやすい
PREP法を活用した文章は、読み手に主旨が伝わりやすくなるというメリットがあります。
それは最初に『要点・結論』を述べるため、読み手は「何を言いたいのか?」が先に知ることができるためです。
文章の最後まで結論がわからない場合、読み手は文章の主旨を理解しづらくなります。
「言いたいことは何?」という疑問を持つと、読み手はストレスを感じ文章の内容に集中できなくなるため、ページ離脱にも繋がってしまうでしょう。
しかしPREP法では、まず『要点・結論』を示すため、読み手は文章の主旨を明確に理解できます。
さらに文末でも『要点・結論』を再度繰り返すため、読み手にしっかりと主旨が伝わりやすくなります。
読み手の興味を引きやすい
最初に『要点・結論』を伝えるため、読み手の興味を引きやすくなる点もメリットです。
PREP法を使用すると、冒頭で要点や結論が分かるため、読み手は内容に興味を持って読み進められます。
逆に、最初の数行で興味を持てない場合、読み手の関心がなくなり集中して読むことはできないでしょう。
特にWebページの場合、文章の冒頭に『要点・結論』が書かれていないと、読み手の離脱率が高まるため、PREP法を取り入れた文章の作成は重要なポイントです。
このように、PREP法を使用すると読み手の興味を引きやすいというメリットがあります。
内容の説得力が高まる
PREP法で書いた文章は、内容の説得力が高まるという利点があります。
説得力が高まる理由は、構成が『要点・結論』→『理由』→『具体例』→『要点・結論』と、順番が決まっているため、読み手は段階を追って納得しやすくなるからです。
また『要点・結論』の根拠となる『理由』と『具体例』を述べることで、説得力を高めることができるでしょう。
さらに、PREP法は『理由』→『具体例』を文頭と文末で繰り返し示すため印象に残りやすく、より説得力が高まる構成になっているというメリットもあります。
文章の作成がスムーズにできる
PREP法を用いると、文章作成がスムーズにできることもメリットの1つです。
PREP法は、構成の型に書きたいことを当てはめるだけのため、慣れてくると文章を書く時間を格段に短縮できます。
そのため「文章を書くのに時間がかかりすぎる」「文章構成をうまく使えない」という悩みは解消されるでしょう。
型に沿って作成できれば、文章作成は一段とスムーズになります。
情報整理のスキルが向上する
伝えたいことをPREP法の構成の型に沿って整理すると、情報整理のスキルが向上します。
それは、実際に文章を書き始める前に、PREP法の型に沿った情報の整理が必要だからです。
具体的には、自分の頭の中の情報を『要点・結論』『理由』『具体例』『要点・結論』の各要素に当てはめて考えます。
このようにPREP法を用いた思考ができると、情報整理のスキルが向上する点もメリットです。
また、情報整理のスキルが身につけば、論理的な文章も書きやすくなるでしょう。
PREP法のデメリット
PREP法を使用するデメリットを3つご紹介します。
- 使い慣れるのには時間がかかる
- 長文には適さない
- 感情に訴える文章には適さない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
使い慣れるためには時間がかかる
PREP法は、使い慣れるためには時間がかかってしまうというデメリットがあります。
それはPREP法の場合、最初に『要点・結論』を述べますが、基本的に日本語は『要点・結論』から先に述べるという構成になっておらず、慣れていないためです。
たとえば「頭が痛いので、病院へ行ってきます」とは言いますが、「病院へ行ってきます。頭が痛いので」とは言いませんよね 。
このように、普段の会話の中でPREP法を使う機会がないため、使い慣れるまでに時間がかかってしまいます。
さらに、PREP法の構成を使いこなすのも慣れるまでにはある程度の時間がかかるでしょう。
それは『要点・結論』の次に必ず、結論を裏付ける『理由』と『具体例』を書くためです。
『理由』と『具体例』の各要素に当てはめて文章を作成するためには、繰り返しの練習が欠かせないため、PREP法を使い慣れるまでに、少し時間がかかるでしょう。
長文には適さない
PREP法は、長文には適していません。
PREP法の文章構成は文頭に『要点・結論』を述べるため、端的に分かりやすく内容を伝えるのに最適ですが、反面、起承転結を用いた小説のような長い文章には適していません。
小説のようなストーリー性のあるものにPREP法を使うと、最初にクライマックス(結論)が来る不自然な展開となり、盛り上がりに欠ける作品になってしまうでしょう。
このようにPREP法は、長文には適さない点がデメリットの1つです。
感情に訴える文章には適さない
PREP法は、感情に訴える文章には適していません。
それは、PREP法の文章構成の要素が『要点・結論』『理由』『具体例』『要点・結論』という4つから成り立っており、共感や感動を誘う要素がどこにも入っていないためです。
相手の感情に訴えたいケースにPREP法の構成を用いると、主旨が伝わらないばかりか味気ない文章になってしまうでしょう。
そのため、PREP法は感情に訴える文章には適さない点もデメリットといえます。
PREP法を習得するために有効な練習方法
次に、PREP法を習得するために有効な練習方法を3つご紹介します。
- PREP法を取り入れた文章を繰り返し書く
- 普段の会話にPREP法を取り入れる
- PREP法をプレゼンに使用する
PREP法の有効な練習方法にあわせて例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
PREP法を取り入れた文章を繰り返し書く
PREP法を取り入れた文章を繰り返し書く練習は、PREP法の習得にとても効果的です。
練習する際は、以下にご紹介する表のように【PREP法の型】に当てはめて書くとより練習の効果が増します。
さらに、PREP法で用いる文章の要素は決まっているため、使用する接続詞も必然的に決まっています。
そのためPREP法を練習する際は、各要素ごとの接続詞を意識して使うと、より効率的に習得できるでしょう。
それでは、PREP法の型と接続詞、また簡単な例文をご紹介します。
構成 | 接続詞 | 例文 |
---|---|---|
要点・結論 | ー | 私はうどんよりラーメンが好きだ。 |
理由 | なぜなら | なぜなら、ラーメンはスープのバリエーションを楽しめるからだ。 |
具体例 | たとえば | たとえば、ラーメンのスープは、醤油、トンコツ、塩など、バリエーションに富んでいる。 |
要点・結論 | だから | だから、私はうどんよりラーメンが好きだ。 |
上記のように、型に当てはめて短文を書く練習は、PREP法を身につけるためにとても効果的な方法です。
また、繰り返しの練習は、各構成ごとの文章の役割を深く理解するのにも役立ちます。
さらに文章を書く際は、パソコンのメモ帳のほか、実際に紙に書く練習を取り入れると、上達のスピードは格段に早まるでしょう。
それは、紙に書いて可視化すると、文章構成を確認しやすくなり、また自然と頭の中が整理されていき、PREP法を身につけやすくなるためです。
そのため「文章構成の型に当てはめて書く」「接続詞を意識して書く」「パソコンのメモ帳や紙に書く」という練習をくり返すことは、PREP法を身につけるための効果的な練習方法といえます。
普段の会話にPREP法を取り入れる
普段の会話にPREP法を取り入れると、効率の良い練習ができます。
なぜなら、話し始める前にまず頭の中で伝えたいことを整理するからです。
具体的には、PREP法の構成を思い浮かべながら最初に『要点・結論』を伝え、そのあと適切な接続詞を入れ『理由』『具体例』『要点・結論』の流れに沿いながら会話をします。
それでは、PREP法を取り入れた普段の会話を例文で見てみましょう。
要点・結論:
今日のランチ、〇〇カレー専門店に行かない?
理由:
開店1周年のキャンペーン中で、全品半額なんだって!
具体例:
タイカレーとかグリーンカレーとか、普段のキャンペーンでは対象外のメニューも半額みたい!
要点・結論:
だから、今日のランチは〇〇カレー専門店に行こう。
上記の例文のような、PREP法の構成に沿った会話には自然な流れが生まれ、また、相手の共感も得やすくなります。
普段の会話の中にPREP法を取り入れる練習をすれば、コミュニケーション力も向上するでしょう。
このような会話なら、相手の反応を見ながらの練習も可能です。
会話の相手が会社の上司や同僚の場合、PREP法を練習している最中だということを伝えておくとアドバイスをもらえる場合もあり、練習の効果も高まるでしょう。
普段の会話は練習する機会も多いため、PREP法を効率的に習得できる場となります。
PREP法をプレゼンに使用する
分かりやすい説明を求められるプレゼンは、PREP法の習得に最適です。
事前に、以下のようなPREP法に沿ったプレゼン用の台本を用意しておくと効率的に練習できます。
- プレゼン内容の『要点・結論』
- 結論に至った『理由』
- 結論に至った『具体例』
- プレゼン内容の『要点・結論』
プレゼンの前に、しっかりとPREP法に当てはめた台本を用意することで、説得力のあるスピーチが可能です。
さらに、PREP法を取り入れた説明は、会議に参加している人たちの理解を深めやすくなります。
それでは、PREP法を使用したプレゼンを例文で見てみましょう。
要点・結論:
弊社でもフレックスタイム制を導入することを提案いたします。
理由:
理由としては、フレックスタイム制を導入することで、社員の退職率を軽減させられるためです。
具体例:
たとえば、子育て中の方や親の介護が必要になった社員も、自分の生活に合わせて好きな時間に勤務できるようになるため、ライフワークバランスが確保しやすくなります。
実際にフレックスタイム制を導入した企業の退職率は、していない時と比べて30%減少したというデータも出ております。
要点・結論:
このことから、弊社でもフレックスタイム制の導入を提案いたします。
上記の例文のような『要点・結論』→『理由』→『具体例』→『要点・結論』の流れに沿った説明なら、聞いている人に伝わる、また説得力のあるプレゼンができるでしょう。
またPREP法の練習として、プレゼンのあとに必ず上司のフィードバックをもらうと、上達が早まります。
それは、フィードバックをもらうことで、自分一人では気づかなかった点の軌道修正ができるためです。
PREP法の文章構成はプレゼンには最適のため、プレゼンは練習の良い機会になるでしょう。
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まとめ:伝わる文章作成のために、PREP法を習得しよう
以前の筆者は、頭の中のたくさんの情報をどう書けば読み手に伝わるのかわからず、文章作成に時間がかかってしまうことが悩みでした。
でも、PREP法を知ってからは「伝えたい情報を、ただPREP法の型に当てはめればいいんだ」とわかり、構成を意識した練習を繰り返すことで、今では悩まずに書くことができます。
PREP法の文章構成の要素は『要点・結論』『理由』『具体例』『要点・結論』の4つのみ。
かんたんに覚えられるこの4つの要素に文章を当てはめて、練習を繰り返し行えば、誰でも簡潔に伝わる文章を作成できるようになります。
PREP法を習得できれば「文章がうまく書けない」という悩みから開放され、書くスピードも格段に早くなるでしょう。
当記事では「PREP法とは?」「PREP法を使うメリット・デメリット」「PREP法を使用した例文・使用しない例文」「PREP法を習得するために有効な練習方法」などをご紹介しました。
当記事の内容が、PREP法を活用した文章作成の参考になれば幸いです。