これからコピーライターを目指したい、あるいはコピーライターに転職したいと考えている人にとって「何か資格が必要なのではないか?」というのは気になるポイントではないでしょうか。
今回の記事では、以下のことについて解説していきます。
- コピーライターになるために資格が必要かどうか
- コピーライターにおすすめの資格・検定
- 資格以外に身につけておくべきスキル
- 資格なしでコピーライターとして活躍するためには?
コピーライターを目指す前に準備を整えておきたい人、しっかり下調べをしてから仕事に取り組みたいと考えている人に役立つ内容となっておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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コピーライターになるために資格は必要?
結論からお伝えすると、コピーライターとして仕事を受けていくにあたって特別な資格は必要ありません。
実際、著者自身は後述する「WEBライター検定」3級のみ取得していますが、これはライターとして仕事を始めて1年以上経過した後に取得したものです。
コピーライターを養成するオンラインスクールや独学で学び、実践を経て、どの程度の知識がついたか腕試しのようなつもりで受け、合格しました。
そういった経験からも「資格がなければ仕事を受けられない」ということはないと言い切れます。
とはいえ、何の実績もないうちから仕事に飛び込むのを不安に感じる人や、実績がなくともスキルはあることを証明したいと考える人もいるでしょう。
そのような人にとっては、資格を保有することも無意味ではありません。
資格を保有することで、自分に自信がついて提案や営業をする勇気がわいたり「〇〇検定1級取得」といった肩書がクライアントの目に止まったりすることもあるからです。
そこで次のセクションでは、コピーライターを目指す人におすすめの資格や検定をご紹介します。
コピーライターにおすすめの資格・検定5選
ここまでも述べてきたとおり、コピーライターとして仕事を受けるのに特別な資格は必要ないため、今からご紹介する資格・検定は「必ず取得しておきましょう」という意味の”おすすめ”ではありません。
- 検定を受けるための勉強がコピーライターの仕事をしていくうえで役に立つもの
- スキルを証明することでクライアントの目に止まりやすくなると思われるもの
- 次の資格のためのステップとなるもの
このような視点から「受けて損はない」と思われる資格・検定をご紹介しています。
実績がなくて提案・営業する勇気が出ない人や、何かクライアントの目に止まる肩書が欲しいと考えている人は、参考にしてみてください。
①日本語検定
日本語検定は、特定非営利活動法人『日本語検定委員会』が行っている検定試験で、以下のような点から日本語の総合的な能力を測るものです。
漢字 | 漢字や熟語の読み方と意味を理解し、適切に使い分けることができる |
表記 | 漢字、仮名遣い、送り仮名について、文脈に合った適切な使い方をすることができる |
敬語 | 場面や相手に応じて、尊敬語や謙譲語を適切に使い分けることができる |
言葉の意味 | 慣用句なども含め、意味と用法を的確に把握することができる |
語彙 | さまざまな言葉を正しく理解し、適切に使うことができる |
文法 | 規範的な文法にしたがって語と語を連接させることができる |
コピーライターとして仕事をしていくうえで、言葉の意味や文法、漢字の使い方といった日本語の基本は必ず身につけるべき知識です。
クライアントとのメールのやりとりでいつも敬語の使い方を間違えていたり、誤字脱字が多かったりすると、安心して仕事を任せられるライターだとは認識してもらえないでしょう。
必ずしも資格を持っている必要はないのですが、資格を取るために日本語の勉強をすれば、それは後々の仕事に必ず活きてきます。
「日本語を基礎から学び直そう」と考えた時に、せっかくなら目標を定めたほうがモチベーションが上がる、という人にはこの『日本語検定』がおすすめです。
『日本語検定』は文部科学省が後援している検定であり、出版社や新聞社をはじめとする多くの企業で入社選考の参考として扱われたり、加点・優遇の材料とされたりしているからです。
認定される級は1級〜7級まであり、目安として3級合格で高校卒業レベル。
コピーライターとして確かな日本語能力があることを証明したいと考えるなら、2級・1級を取得しておくと安心です。
受験の日程や検定料など、より詳しい情報は『日本語検定』の公式サイトをご確認ください。
②ビジネス著作権検定
ビジネス著作権検定は、『サーティファイ著作権検定委員会』が主催している『著作権』に特化した検定で、2004年から実施されています。
ビジネス著作権検定を取得することで、著作権についての知識を有し、ビジネスに活用する能力があることが証明されます。
コピーライターとして仕事をしていくうえで、他者の著作権を侵害しないようにすることはもちろん、自身の著作物の権利を侵害されないためにも学んでおきたい『著作権』についての知識。
『BASIC』『初級』『上級』の資格がありますが『BASIC』を受けられるのは団体試験のみなので、個人で資格を取得するなら『初級』か『上級』に挑戦することとなります。
認定基準については、以下の通りです。
BASIC | 日常生活において著作物を扱う際、トラブルを起こさないために知っておきたい、著作権制度の初歩的・入門的な知識を持っている。 |
初級 | 著作権とは何か、著作権とはどのような権利かを知っている。利用者として、他人の著作権を侵害せず、正しく著作物を利用できる。 |
上級 | 著作権に関する知識を活用し、著作権利用に関する問題点を発見し、解決できる。契約、司法制度、条約に関する知識を活用し、専門家の助力を得ながら著作権に関する実務を展開することができる。 |
(ビジネス著作権検定 サーティファイ 公式サイトより抜粋)
なお、『ビジネス著作権検定』上級の合格者は、国家資格である『知的財産管理技能士』1級および2級の受検資格を得ることができます。
受験の日程など、より詳しい情報は『ビジネス著作権検定』の公式サイトをご確認ください。
③WEBライター検定
WEBライター検定は、日本最大のクラウドソーシングサイト※1『Crowd Works(クラウドワークス)』が実施するライティングテストです。
資格は1級~3級まであり、合格者は『Crowd Works』のプロフィール内に自動で合格証が表示されるため、『Crowd Works』で仕事を獲得しようとするライターにとっては有益な検定と言えるでしょう。
各級で証明できるスキルは以下の通りです。
3級 | コンテンツマーケティングのプロが監修したライティングテストです。マーク式試験を通じて、WEBライティングの基礎的な知識を証明できます。 |
2級 | 2級では実際に文章を作成する実務テストを実施します。構成案に基づいて、読み手の心を動かす文章を作成できる実務能力を証明できます。 |
1級 | 1級はマーケティングの基礎知識なども踏まえた高度なライティングスキルの検定です。構成案も含めた高品質な記事作成スキルを証明できます。 |
(Crowd Worksのスキル検定ページ より抜粋)
3級の試験は無料で受けられるので気軽に挑戦できますが、試験に挑戦し一度不合格になると14日間は再試験を受けられません。
著者自身もこの『無料で受けられる』という手軽さから「どのくらい知識がついたか試してみよう」という程度の気楽な気持ちで受けてみたのですが、想像以上に問題数も多く、全問解くのに時間がかかりました…。
ライターとして仕事を始めて1年以上の経験があっても、まだまだ曖昧な部分や分からない部分があり、はたして合格できるか不安に思ったものです。
無事に合格した後、曖昧だった部分や分からなかった問題について自分なりに復習し、勉強の機会になったという意味で、検定を受ける価値はあったと感じています。
ただ実を言うと、試験対策の動画は無料公開されています。
私のように試験の途中で焦りたくない方は、事前にしっかりと勉強してから受験するのがおすすめです。
ちなみに、無料で受けられるのは3級だけで、WEBライター検定2級以上を受験する際は検定料が必要となります。
詳しい情報は『Crowd Works』内にあるスキル検定のページをご確認ください。
④SEO検定
SEO検定は、SEO技術者の養成団体である一般社団法人『全日本SEO協会』が主催・認定する資格です。
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、日本語にすると「検索エンジン最適化」を意味します。
多くの企業はGoogleやyahooなどの検索エンジンで検索結果の上位に表示されることを望んでいますが、上位表示されるためには検索エンジンから「質の高いコンテンツだ」と評価される必要があり、そのための「SEO対策」が欠かせません。
必然的に、SEO対策について知識と技術があるライターは価値が高まることになるため、SEO検定を取得してそのスキルがあることを証明できればひとつのアピールポイントになるでしょう。
認定資格は1級〜4級まであり、各級についての説明は以下の通りです。
4級 | SEOの基礎知識 SEO(検索エンジン最適化)の全体像を把握してスタート地点に立つ |
3級 | キーワードリサーチと内部要因最適化 調査力とデータに基づいたサイト内部最適化スキルを身につける |
2級 | コンテンツSEOと外部要因最適化 サイトに集客力をつけてGoogleからの評価を高める技術を学ぶ |
1級 | ソーシャルSEOとモバイルSEO 上位表示効果のあるソーシャルメディア活用とモバイル対応を学ぶ |
詳しい情報は『SEO検定』の公式サイトをご確認ください。
また『SEO』についてはこちらの記事で詳細に説明していますので、併せてご参考ください。
⑤WEBライティング能力検定
WEBライティング能力検定は、一般社団法人『日本WEBライティング協会』が2012年から行っている検定であり、WEBライティングに必要な知識を網羅的に学べる検定と言えるでしょう。
受検科目には以下のようなものがあります。
国語 | 誰でも理解できる容易で正しい日本語 |
ウェブライティング | 企業HP |
コピーライティング・メールライティング | 売れるライティング、メールによる顧客対策 |
SEO | 多くの人に訪問してもらい、売上を挙げられるSEO |
倫理・法律・炎上対策 | トラブルを起こさないライティングスキル |
ウェブライティングに関するミニ論文 | 意図が的確に伝わり信頼を高められる文章 |
資格は1級〜3級まであり、級ごとに問題の内容が違うのではなく、どの級も同じ問題の試験を受けます。
そのうえで、80点以上が1級合格、70〜79点が2級合格、53点〜69点が3級合格となり、53点に満たなかった場合は認定を受けられません。
資格には有効期限があり、2年毎の更新と更新費用が必要です。
詳しい情報は、『日本WEBライティング協会』の公式サイトをご確認ください。
資格以外に身につけておくべきスキル
ここまでは、資格を保有して知識や自信をつけたい人、クライアントにアピールできる肩書が欲しいと考えている人に向けて、さまざまな資格をご紹介してきました。
しかし、資格さえあればコピーライターとして活躍できるか?というと、そうではありません。
ここからは資格という形で証明するようなものでなくとも、コピーライターとして仕事をするうえで身につけておくべきスキルについて3つご紹介します。
コミュニケーションスキル
コピーライターとして仕事を受けるにあたって、クライアントと良好な関係を築くためにコミュニケーションスキルは欠かせません。
仕事の依頼を受ける際にクライアントと電話やメール、場合によってはWEB面談など、いずれかの方法でやりとりをすることは避けられないからです。
友達とSNSでやりとりをすることに慣れている人の中には、スタンプや短いメッセージでのコミュニケーションしか経験がない人もいることでしょう。
しかし、クライアントと良好な関係を築き、継続的に仕事を受注したいと考えるなら最低限のビジネスマナーやメールの書き方は学んでおく必要があります。
最低限のマナーを踏まえた上で、コミュニケーションに大切なことは相手に対する思いやりの気持ちを忘れないことではないでしょうか。
- 相手を不安にさせない程度に素早い返信を心がける
- 約束をすっぽかさない
- 必要以上に相手の時間を奪わない
これらのことを心がけ、お互いに気持ちよく仕事ができる関係を維持していくためのコミュニケーション能力は、資格以上に必要なスキルと言えるかもしれません。
コピーライティングの知識
コピーライターとして活躍できる人材を目指すなら、人に伝わる正しい日本語が書けさえすればいいというだけでなく、コピーライティングについてもあらかじめ学んでおくといいでしょう。
コピーライティングは、人の興味を惹き、文章を読んでもらい、行動に移してもらう(購入してもらう・登録してもらうなど)ための技術です。
極端な話にはなりますが『日本語としては正しいが誰も興味を惹かれない文章』と『文法的に間違ってはいるが、ターゲットが強く興味を惹かれる文章』の2つがあれば、コピーライティングとしては後者を求めるクライアントも多いことでしょう。
- どんな言葉がターゲットの興味を惹くのか
- どのように書けば最後まで文章を読んでもらえるのか
- 行動に移してもらうために読者の背中を押す言葉とは?
このようなコピーライティングについての知識と技術を有するコピーライターであれば、資格はなくとも引っ張りだこの人材となるはずです。
コピーライティングの技術は実践する中で身についていく部分もありますが、知識については独学でも学べます。
コピーライティング関連の本を読んだり、効率的に学ぶためにライティングスクールを利用するなど、自分に合った方法を取り入れましょう。
マーケティングの知識
コピーライターがマーケティングについても学んでおくといいのは、コピーライティングとマーケティングが切っても切り離せない関係にあるからです。
『マーケティング』という言葉にはさまざまな定義がありますが、一言で説明すると『売れる仕組みづくり』のこと。
例えばクライアントが「認知を広げたい」「売上を伸ばしたい」と考えている商品があるとします。
その商品について『キャッチコピー』『記事の見出し』『本文』などを書くのが一般的なコピーライターの仕事です。
ただその前後には、以下のようなマーケティングのプロセスがあります。
- 商品を誰に届けたいのかというターゲットやペルソナ(より具体的な人物像)を決める
- ターゲットの心情や行動を理解する
- ターゲットに対してどの媒体(テレビ、雑誌、Instagram、YouTubeなど)で広告を出せば1番効果があるかを検討する
- 広告を出した後、どの程度効果があったか、分析と改善を行う
コピーライティングはあくまでもマーケティングの一部ですから、マーケティングの全体像を知った上でキャッチコピーや文章を作れば、より質の高いものを提供できますし、クライアントのビジネス全体に貢献できることになります。
そうするとクライアントからの信頼も得られ、重宝されるコピーライターになると言えるでしょう。
『マーケティング』についてはこちらの記事で詳細に説明していますので、併せてご参考ください。
資格なしでコピーライターとして活躍するためには?
ここまで『資格がなくてもコピーライターにはなれる』とお伝えしてきましたが、実際にはどうすれば資格なしで活躍するコピーライターになれるのか、そこが気になっている人もいるのではないでしょうか。
そこでここからは、資格なしでコピーライターとして活躍するための3ステップをご紹介していきたいと思います。
ステップ1:ライティングの基礎を学ぶ
コピーライターとして仕事を受けていきたいと考えるなら、まずライティングの基礎を学ぶことは欠かせないでしょう。
文章の中で主語と述語がねじれていたり、助詞の使い方を間違えていたり、誤字脱字が多かったりすると、読み手にストレスを与えてしまいます。
学生のころ国語の授業で習った内容を見返してみる、文章術についての本を1冊買って読み込んでみるなど、独学で勉強できることは十分あります。
文章術の他にも、文章の型を学んだり、前のセクションでご紹介したようなコピーライティングの知識をつけたりと、まずは独学で身につけられる勉強から始めてみてはいかがでしょうか?
学んだことを少しずつアウトプットする習慣をつけると、だんだん文章力が向上していくでしょう。
ステップ2:積極的な提案・営業
ライティングの基礎を学び、ある程度の知識がついたら、積極的にコピーライターの仕事に挑戦してみましょう。
「初心者だから」「まだ勉強中だから」と考えてしまい、一歩踏み出すにはなかなか勇気が必要だと思います。
ただ、実際のところライターの仕事に取り組んでみないと分からないことは多くあります。
著者自身の経験によると、いくら文章の型や基礎を学んでも、求められる文章の系統がクライアントによってまったく違う、ということもあるのです。
求められる文章を書けるように基礎を学ぶことは大切ですが、あとは飛び込んでみるしかない、というのが正直なところ。
「捨てる神あれば拾う神あり」ということわざもあるとおり、何度テストライティングに落ちても、あきらめずに提案や営業を続けていれば、いつかは採用してくれる企業やクライアントに出会えるはずです。
資格なしでコピーライターとして活躍するためには、いかに積極的に提案・営業をできるかという部分が一番大切かもしれません。
③実績を積んで仕事の幅を広げる
積極的な提案・営業を繰り返して、1つでも仕事を受けられれば、ある意味「書かざるを得ない」状況に追い込まれます。
その中で、学んだ文章の型や知識をアウトプットしていけば、だんだん実力がついてくるでしょう。
実力がついてくれば、自然と提案や営業が通りやすくなってきます。
そうすると多くの依頼を受けられるようになり、広がった仕事の中から自分に合う仕事、合わない仕事が見分けられるようになってくるのです。
その分野に興味があってリサーチが苦にならない仕事、もともと専門知識があってすらすら書ける仕事など、自分に合った仕事を受けていけばおのずと制作物の質も高くなるというもの。
クライアントの評価も高まり、それが継続の依頼につながり、結果的に『資格がなくても活躍できる』コピーライターになっていると言えるのではないでしょうか。
- プロ講師によるマンツーマンの相談サポートつき!
- 読むだけで技術が身につく『テキストブック(全8巻)』
- ライターの実情を紐解く『講義動画(全4本)』
- 約14日間の完全無料トライアル
- 参加人数6万人超え ※2024年8月23日現在〜
まとめ:資格がなくてもコピーライターにはなれる
ここまでくり返しお伝えしてきた通り、資格がなくてもコピーライターにはなれます。
しかしながら、資格を持つのが無意味だと言いたいわけではありません。
『資格』という分かりやすい形をもつことで、提案・営業する勇気がわく人もいるでしょうし、クライアントの目にとまりやすくなる場合があるかもしれないからです。
ただ、資格以上に大切なことは、『基本的なPCスキル』や『コミュニケーションスキル』『コピーライティングの知識』など、新しいことを常に学び続け、自分をアップデートしていく気持ちを持つことです。
そして学んで基礎知識をつけた後は、勇気を出して積極的に提案・営業をしていきましょう。
まずは1つ、仕事を受けてみる。
最初はクライアントからの大量のフィードバックを見て気持ちが落ち込むこともあるかもしれません。
ただ、それもライターとして成長している証。
何度もくり返しているうちに成長し、いつの間にか『資格はないけど活躍できるコピーライターになっていた』という未来が待っているかもしれません…!