本記事では、伝わる文章のまとめ方について解説します。

文章を書く機会は、学生の論文やレポート、社会人になってからの報告書、またSNSなど数多くあります。

今や、読み手に伝わるよう文章をまとめるスキルは必須と言ってもいいでしょう。

しかし、書くことに苦手意識を持っている方も少なからずいらっしゃいます。

そこで今回は、

  • 文章をまとめるコツ
  • 簡潔に伝わる文章を書く裏ワザとは?
  • まとまった文章を書くうえでの注意点

などをご紹介します。

「文章がうまくまとまらない…」

「文章のまとめ方がわからない…」

という方は、本記事で紹介する内容をぜひご活用ください。

文章のまとめ方をマスターして、苦手意識からサッパリと抜け出しましょう。


ちなみに「まとめ」とは、Weblio国語辞典で以下のように定義づけられています。

整理して望ましい形に落ち着かせる。

引用:Weblio国語辞典

本記事では、上記の意味に基づいて『文章のまとめ方』を詳しく解説していきます。

ひと目でわかる文章に。”まとめ方のコツ”を習得しよう!

現代社会において、ぜひ身に付けておきたい文章力というスキル。

一定の文章力がないと、読みづらく不要に長い文章になり、読み手にストレスを与えてしまいます。

せっかく書いた文章も、読まれない…読み手に誤解を与える…ということになりかねません。

例えば、ビジネスシーンでは、提出した文章の内容について、上司や同僚から何度も確認されるという悩みをよく耳にします。

また、自分が書いた文章の意図が伝わらず間違った情報を与えてしまい、トラブルが生じてしまうことにもなりかねません。

しかし、“まとめ方のコツ”を習得すれば、文章力は確実に向上し読み手にひと目でわかる文章を書けるようになるでしょう。

そのため、一定の文章力があれば、メッセージを明確、かつ、スムーズに伝えられるようになります。

文章力を鍛えるとビジネスでどのように役立つのか?

ビジネスの現場では、報告書やレポート、またソーシャルメディア※1など、文章をまとめる機会は多々あります。

※1 ソーシャルメディア…インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディア(引用:総務省)| (例)SNS・YouTube・LINEなど

文章力を鍛えると読み手の理解を深め、さらに情報を的確に伝えられるようになります。

その結果、コミュニケーション能力も高まり、社内や取引先との仕事がよりスムーズに進むようになるでしょう。

現役ライターが教える『文章のまとめ方7選』

本セクションでは、現役ライターとして2年以上活動している筆者が厳選した『文章のまとめ方7選』をご紹介します。

  1. 結論ファーストで書く
  2. 一文を短くする
  3. 句読点を適切に打つ
  4. ひらがな・カタカナ・漢字のバランスを意識する
  5. ワンセクション・ワンメッセージを心がける
  6. 要点をまとめて「似た意味の言葉・内容」をなくす
  7. 文章法則を場面に応じて使い分ける

上記を意識して書くことが、文章をまとめるコツです。

7個を全部一度にこなそうとせず、少しずつコツを掴んでいきましょう。まとまりのある、わかりやすい文章を書けるようになりますよ。

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

結論ファーストで書く

1つ目は、文章の最初に結論を書くことです。

その理由は、読み終わらないと内容が理解できない文章は、読み手に少なからず負担をかけてしまうからです。

そのため、“結論ファーストで書く”ことが大事です。

以下の例文をご覧ください。

最初に結論がない文章

私は、英語を話せるようになりたいと思い、本や参考書で独学しました。

しかし、まったく上達せず諦めかけていました。

そんなとき、友人から紹介された英会話スクールに通い始め、ようやく英語が話せるようになったのです。

上記の例文の場合、結論は「英語が話せるようになったのは、英会話スクールに通ったから。」ということですが、最後まで読まないと言いたいことがわかりませんよね。

このように、最初に結論がない文章の場合、読み手は伝えたいことが理解できずストレスを感じてしまいます。

それでは次に、最初に結論を書く文章に修正してみましょう。

最初に結論がある文章

私が英語を話せるようになったのは、英会話スクールに通ったからです。

それまでの私は、英語を話せるようになりたいと思い本や参考書で独学しました。

しかし、まったく上達せずに諦めかけていました。

そんなとき、友人から紹介された英会話スクールに通い始め、ようやく英語が話せるようになったのです。

上記の例文の場合、読み手は最初に結論を知れるため、順を追って内容を理解しやすくなります。

文章のまとめ方の1つ目は、“結論ファーストで書く”ことを覚えておきましょう。

一文を短くする

2つ目は“一文を短くする”ことです。

長い文章は読み手にストレスを与えてしまいます。

それは、「〜が」「〜ので」「読点 、」などを多用した長い一文の中には、複数の情報が詰め込まれているためです。

反対に、1つの文中で伝える情報を1つにすると、簡潔で読みやすい文になります。

以下の例文をご覧ください。

まず、一文が長い例を見てみましょう。

一文が長い例文

5月の第2土曜日に開催予定の“新緑を愛でるトレッキングツアー”ですが、雨天の場合は第3土曜日に延期いたしますので、その際は、LINEでお知らせしますのでご了承ください。

上記の例文のように、一文が長い文章は要点がわかりにくく、読みづらいですよね。

このような場合は、「意味の句切れ」に「句点 。」を用いて一文を短くします。

以下の例文をご覧ください。

一文が短い例文

“新緑を愛でるトレッキングツアー”は、5月の第2土曜日に開催予定です。

雨天の場合は第3土曜日に延期いたします。

その際は、LINEでお知らせしますのでご了承ください。

上記のように「句点 。」を使って一文を短くすると、意味が伝わりやすくなりますね。

一文の長さの目安は、60文字前後と言われています。

「一文を短くまとめる」=「文章をまとめるコツ」です。

句読点を適切に打つ

3つ目は“句読点(くとうてん)を適切に打つ”ことが挙げられます。

「句点 。」と「読点 、」は、どちらも文章を読みやすくするための記号で、適切に打つことで、読み手に理解しやすい文章作成が可能です。

「句点」は、先ほど『一文を短くする』の項でお伝えしたように、「読点」を「句点」に変えるだけで文書がスッキリとまとまり、かつ伝わる文章になります。

一方、「読点」の役割はおもに以下の2つです。

  • 主語をハッキリさせる
  • 内容を誤解なく伝える

以下2つの例文を見比べてみましょう。

(例1) 彼女は、嬉しそうに滑り台で遊んでいる子供を見ていた。

(例2) 彼女は嬉しそうに、滑り台で遊んでいる子供を見ていた。

「嬉しそう」にしているのは、例1では「子供」、例2の場合は「彼女」ですよね。

このように「読点」は、打つ位置によって主語をハッキリさせ、内容をわかりやすく伝えられる記号です。

裏を返せば、「読点」は打つ位置で意味がまったく違ってくる、という特徴があります。

また、「読点」がなくダラダラと長い一文も、読み手に読みづらさを感じさせるため、適切な位置に「読点」を打つことが大切です。

「読点」の位置に厳格な決まりはありませんが、迷ったら以下の2つを意識して入れるといいでしょう。

  • 意味がまとまっている場所
  • 息継ぎの場所

上記のように、“句読点を適切な位置に打つ”ことは文章をまとめる重要なコツの1つです。

ひらがな・カタカナ・漢字のバランスを意識する

4つ目に挙げられるのは、“ひらがな・カタカナ・漢字のバランスを意識する”ことです。

あなたは、漢字だらけの文章を見たいと思いますか?

筆者なら、ソッコーで読む気が失せてしまいます…

読みやすい文章には比率があり「ひらがな7:カタカナ1:漢字2」のバランスがベターと言われています。

文章の内容にもよりますが、ひらがな・漢字に加えて、カタカナも1割程度入れることで、表現力が増し読み手を飽きさせない文章になるでしょう。

「ひらがな7:カタカナ1:漢字2」の黄金比率を取り入れて、読み手にわかりやすい文章を書きましょう。

最近は、本・雑誌、Webサイトなど、難しい漢字はできるだけ避け、ひらがなで書く傾向があります。

ワンセクション・ワンメッセージを心がける

“ワンセクション・ワンメッセージを心がける”ことも、わかりやすい文章にまとめるための大切なコツです。

セクション(節)とは、小説で言えば「見出し」のこと。

例えば、「みかんが美味しい時期」という見出しで文章を作成する際は「みかんが美味しい時期」というテーマに絞って書きます。

具体的には、「みかんが美味しい時期は、種類や産地で違う」という内容で記事を書けば、テーマに沿っていますね。

しかし、見出しは「みかんが美味しい時期」にもかかわらず、文中に「人気のみかん」「みかんを使ったスイーツレシピ」など、テーマから外れた内容まで書くのはNGです。

ワンセクションに複数のメッセージを盛り込むと、読み手は結局何を言いたいのかわからず、混乱してしまいます。

ほかのテーマで文章を書く際は、それぞれにセクションを追加しましょう。

ワンセクションで伝えるメッセージは1つ、ということも文章をまとめる上での鉄則です。

要点をまとめて「似た意味の言葉・内容」をなくす

“要点をまとめて「似た意味の言葉・内容」をなくす”ことも、文章をわかりやすくまとめるコツです。

その理由は、似た意味の言葉や内容が繰り返された文章は、読み手にとって分かりづらく、さらに稚拙な印象を与えるためです。

まずは、「似た意味の言葉」について解説していきます。

「似た意味の言葉」には、おもに2つのパターンがあります。

  • 重複表現※2がある
  • 一文の中に似た意味の内容がある

※2 重複表現(ちょうふくひょうげん)…同じ意味の言葉が繰り返し使われている表現

はじめに、「重複表現がある」場合の例文をご紹介しましょう。

重複表現の例文

愛犬タローの体重は、10キロくらいだ。

上記の場合、「約」と「くらい」の意味は同じですよね。

それでは、次に重複表現を省いてみましょう。

重複表現を省いた例文

(例1)愛犬タローの体重は、10キロだ。

(例2)愛犬タローの体重は、10キロくらいだ。

上記のように「約」または「くらい」のどちらかを省くと、スマートな印象の文になります。

ちなみに、意外と気づかずに使っている重複表現はたくさんあります。

以下に一例をご紹介しますので、参考にしてください。

重複表現あり重複表現なし
各部署ごとに部署ごとに・各部署で
違和感を感じる違和感がある
後で後悔する後悔する・後で悔やむ
あらかじめ準備する準備する
今の現状現状

会話では気づかずに使うことも多い重複表現ですが、文章にすると違和感を覚えるため気をつけましょう。

続いて、「一文の中に似た意味の内容がある」場合の例文をご覧ください。

似た意味の内容がある例文

私にとって至福のひとときは、ケーキを食べるときにとても幸せな気持ちになります。

上記の例文の場合、「至福」と「とても幸せ」は意味が似ているため、回りくどい印象を受けますよね。

このような場合、要点をまとめて内容が似ている表現はなくしましょう。

似た意味の内容をなくした例文

私にとって、ケーキを食べるときは至福のひとときです。

このように要点をまとめ、似た意味の表現を削除することで、スッキリした印象の文になります。

加えて、

言葉の重複と同じように文章内容の重複も気をつけたいところです。

文章の内容が重複していると読み手にくどい印象を与えてしまいます。

似た内容があれば要約しどちらかを削ることで、文章にまとまりがでてきます。

ちなみに、このような言葉の意味や内容の重複を避けるには、文章を書き終わった後に必ず読み返すのがオススメです。

書いている最中は、言葉や内容の重複に気づかないことも多々あります。

必ず読み返して「似た意味の言葉・内容」をなくしましょう。

言葉と内容の重複表現(二重表現)については、こちらに詳しく解説しています。
二重表現の種類や一覧表もまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

文章法則を場面に応じて使い分ける

文章をまとめる際によく使われるのが“文章法則”の型です。

わかりやすい文章を書くには、実は文才は必要ありません。

文章法則の型(テンプレート)に当てはめて書くだけで、誰でも人に伝わる文章を書けるようになるんです。

このセクションでは、代表的な文章法則の型として以下の2つをご紹介します。

  • PREP法(プレップ法)
  • SDS法(エスディーエス法)

PREP法とSDS法は、どちらも、頭の中にある情報をまとめて整理し文章にするテンプレートで、わかりやすい文章作成に大変有効です。

それぞれの法則が適している場面もお伝えするので、シーンに応じて使い分けてくださいね。

PREP法

PREP法は、まず「結論」から書き「結論」で終わる文章法則の型で、以下の要素によって構成されています。

P:Point(結論)

R:Reason(理由)

E:Example(具体例)

P:Point(結論)

PREP法は、それぞれの英語の頭文字をとった略語です。

上から順に「結論」→「理由」→「具体例」→「結論」と、型に沿って書き進めることで、簡潔で説得力のある文章を作れます。

セミナーやプレゼンテーションなど、内容(結論)を主張したい場面に適しているのがPREP法です。

ちなみに、

冒頭で結論を述べ次に理由を述べるPREP法の構成は、英語の作文と似ています。

以下、英語の例文をみてみましょう。

このように、日本語では「風邪気味なので病院へ行きます。」と表現するところを、英語では「私は行きます。~~へ。なぜなら~~。」と表現します。

PREP法は英語と同じように結論から先に述べるため、日本人である私たちにとっては、少し慣れが必要です。

ですが、PREP法の構成に当てはめた簡単な練習を繰り返すことで、自然と使えるようになりますよ。 

PREP法については、こちらに詳しく解説しています。例文や練習方法などもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

SDS法

SDS法も、PREP法と同じように「結論」から始まり「結論」で終わる文章法則の型ですが、文章を構成する要素は以下のように異なります。

S:Summary(結論)

D:Details(詳細)

S:Summary(結論)

それぞれの英語の頭文字をとって、SDS法と言います。

「結論」→「詳細」→「結論」の順番で文章を書くため、わかりやすく、かつ印象に残る文章作成が可能です。

SDS法は「詳細」に重きを置くため、講演会や講座用の教材など、内容を深く理解してもらいたい場面に適しています。

SDS法については、こちらに詳しく解説しています。例文や使えるシーンなどもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

より簡潔に伝わる文章を書くための裏ワザ

本セクションでは、より簡潔に伝わる文章を書くための裏ワザを3つお伝えします。

  • マインドマップを活用して情報を整理する
  • 音声入力を活用して文字起こしする
  • ターゲットに合わせた表現を心がける

「なかなか文章がまとまらない…」という方は、試してみてください。

それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。

マインドマップを活用して情報を整理する

マインドマップとは、頭の中の思考や情報を書き出し、図で表す方法です。

マインドマップを作成すると脳内を視覚化し、頭の中に散乱している情報を整理できます。

そのため、マインドマップは文章をまとめるのに有効な方法です。

マインドマップを作成するには、手書きとツールを使う2つの方法があります。

手書きは思いついたときにサッと書けて便利、一方、マインドマップツールはパソコンやスマホを使って作成し、一度書いたものを修正しやすいという点がメリットです。

マインドマップを手書きで作成する際は、無地の用紙と色鉛筆などを用意しておき、思いついたアイデアをどんどん書きだします。その際、書きたい内容がまとまっていなくても大丈夫。

マインドマップで図式化することで全体を見渡せるため、頭の中を整理でき、自然と文章がまとまってくるのです。

そのためマインドマップは、あまり詳しくないテーマについて文章をまとめる際にも、とても役立ちます。

ちなみに、マインドマップツールには無料で使えるものもあるので、ご紹介しましょう。

  • XMind(エックスマインド)
  • FreeMind(フリーマインド)

無料で使えるマインドマップツールはほかにもありますが、無料版の場合、作成できるマインドマップの数が制限されていることもあります。

一方、XMindとFreeMindは無制限でマインドマップを作成できるため、初めてツールを使う方にはオススメです。

プロのライターの中には、手書きとツールの両方を駆使してマインドマップを作成している達人もいます。

まずは、あなたに合った方法でマインドマップを作成してみてはいかがでしょうか。

マインドマップを活用することで情報を整理できるため、文章をまとめやすくなりますよ。

音声入力を活用して文字起こしする

文章をまとめるには、パソコンやスマホの音声入力を活用するのもオススメです。

パソコンやスマホの音声入力機能を使うと、話したことが瞬時に文字起こしされます。

本来、文字起こしとは録音された内容を文章にする作業のことです。

しかし、パソコンやスマホの音声入力機能の場合、話すと同時に自動的に文字起こしされるため、大変便利。効率よく文章をまとめられます。

文字起こしされたテキストは、そのまま使用するのではなく、読み返し、わかりやすい文章にまとめましょう。

また、思いついたことを話すだけの音声入力は「話すのは好きだけど、書くのは苦手…」という方にもオススメの方法です。

さらに、音声入力はスキマ時間にできるため「文章を書く時間を短縮できる」「とりあえず文章を書き出せる」というメリットもあります。

「文章を書く時間がない…」「文章がなかなか出てこない…」という方は、音声入力を活用するといいでしょう。

ターゲットに合わせた表現を心がける

最後にご紹介する裏ワザは、“ターゲット※3に合わせた表現を心がける”ことです。

※3 ターゲット(まと・標的)…想像される読み手

文章を書く際は“読み手はどんな人?”ということを、常に意識しましょう。

そのためには、文章を書き始める前にターゲットを想定することが大事です。

具体的には、

  • 読み手の性別・年齢・職業は?
  • (文章のテーマについて)知識がある人?
  • (文章のテーマについて)知識がない人?

など、様々なことをイメージします。

このように、ターゲットを意識することで、自然と文中で使う言葉や表現は変わりますよね。

さらに、漢字はできるだけ使わずひらがなで書く、また、文中に注釈が必要な場合もあるでしょう。

しかし、文章を書くことに集中していると、ついターゲットを忘れがちになってしまいます…

そのため、ターゲットに合わせた表現を心がけることは、重要なポイントであり裏ワザです。

まとまった文章を書くうえでの注意点

前セクションでは“より簡潔に伝わる文章を書く裏ワザ”をお伝えしました。

本セクションでは“まとまった文章を書くうえでの注意点”を3つご紹介します。

  • 冗長表現を使わない
  • 接続詞を多用しない
  • 語尾を連続させない

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

注意点① 冗長表現を使わない

1つ目の注意点は“冗長表現(じょうちょうひょうげん)※4を使わない”ことです。

※4 冗長表現…文章に無駄な言葉が多く長いこと

以下に冗長表現の例を簡単にご紹介します。

冗長表現あり冗長表現なし
~ことができます。(文末)~できます。
まず最初に(重複表現)まず・最初に
拝見させていただきます。(二重敬語)拝見します。

文中から上記のような冗長表現を削ると、スッキリとまとまったリズム感のある文章を書けるようになります。

注意点② 接続詞を多用しない

2つ目の注意点は“接続詞を多用しない”ことです。

接続詞には、文と文をスムーズにつなぐ役割があります。

文章をわかりやすくまとめるには、適切な接続詞を使用することがとても重要です。

しかし、接続詞を使いすぎるとかえって読みづらい文章になるため注意しましょう。

接続詞を使わなくても意味が伝わる文章は、省くことでまとまりがでてきます。

以下の例文をご覧ください。

接続詞が多い例文

富士山は日本が誇る世界遺産だ。

そのため、多くの人が登山を楽しんでいる。

しかし、ゴミも多く深刻な問題である。

したがって、ゴミの清掃活動が行われている。

上記の例文の場合、接続詞の「そのため」と「したがって」は、なくても意味が通じるため省いてみましょう。

不要な接続詞をなくした例文

富士山は日本が誇る世界遺産だ。

多くの人が登山を楽しんでいる。

しかし、ゴミも多く深刻な問題となっているため、ゴミの清掃活動が行われている。

上記の例文から「そのため」と「したがって」をなくし、「しかし」のみを残しました。

接続詞を少なくすることで、簡潔で読みやすい文章になったのではないでしょうか。

ちなみに、

「しかし」を残している理由は、逆接の接続詞※5を省くと、意味が通じなくなるからです。

※5 逆説の接続詞…前の文に続く後の文が、予想外の結果となる場合の接続詞|(例)しかし・だが・けれどもetc.

このように、必要な接続詞もありますが、接続詞を使いすぎると文章が稚拙に感じるため気をつけましょう。

注意点③ 語尾を連続させない

3つ目の注意点として“語尾を連続させない”ことが挙げられます。

理由は、同じ語尾を繰り返し使用すると単調な文章になってしまうからです。

慣れないうちは、どうしても同じ語尾を続けてしまいがちですが、語尾の連続は2回までと覚えておきましょう。

以下の例文をご覧ください。

語尾が連続する例文

私の趣味はガーデニングです

春の花の中で一番好きなのはチューリップです

理由は庭が明るくなるからです

上記の例文は「~です」が3回続いています。このように同じ語尾の連続は、単調で稚拙な印象になりますよね。

それでは上記の文章を、メリハリのある表現に修正したパターンを2つご紹介しましょう。

語尾を連続させない例文①「~です」を省いて体言止めにする

私の趣味はガーデニングです。

春の花の中で一番好きなのはチューリップ。

理由は庭が明るくなるからです。

上記の例文では、2行目の文末から「です」を省きました。語尾は「チューリップ。」と体言止め※6で終わっています。

※6 体言止め…文末を名詞や代名詞で終える表現方法

実際には「です」を1つ省いただけですが、リズムのある文章になったのではないでしょうか。

それでは次に、内容は変えずに文章表現を変えることで、語尾の連続をさける例文をご覧ください。

語尾を連続させない例文②文章表現を変える

私は趣味でガーデニングをしています。

春の花の中で一番好きなのはチューリップ。

理由は庭が明るくなるからです。

上記の例文では、内容は変えずに1行目の文章表現を変えることで、文末がぜんぶ違う文章になりました。

語尾を連続させないためには、上記のほかにも以下のような方法があります。

  • 疑問形を使う:〜ではないでしょうか?
  • 否定形を使う:~ません
  • 提案する:~いかがでしょうか
  • 2つの文章をつなげて1つにする
  • 文と文の間にもう1つ文を入れる

同じ語尾が続いたときにはご紹介した方法を取り入れ、語尾の連続を防ぎましょう。

ちなみに、筆者は、語尾の修正に時間がかかっていました。

しかし、上記の方法を意識し練習を続けるなかで、ずいぶん改善されたと思います。

先ほど“同じ語尾は2回まで”と書きましたが、できるだけ1回にしたいと思い、日々頭をひねって練習中です。

まとめ:文章のまとめ方を習得すると伝わる文章のチカラになる!

本記事では「文章のまとめ方」をテーマに、以下の内容について詳しくご紹介しました。

  • 文章のまとめ方 7選
  • 簡潔に伝わる文章を書く裏ワザ
  • まとまった文章を書くうえでの注意点

頭の中にある考えや情報を、読み手に伝わるような文章にまとめることは一朝一夕ではできないかもしれません。

しかし、わかりやすい文章にまとめるのに小説家のような才能は不要です。

今回お伝えした文章のまとめ方のコツや裏ワザを取り入れ、1つずつでも練習してみてください。

そうすることで、自然と読みやすい文章が書けるようになるでしょう。

筆者も、昨日より今日と少しでも読みやすい文章を書けるよう、練習中の日々です。

ぜひ、ビジネスシーンやレポートなど、日頃の文章作成に活用してみてください。

今回お伝えした内容が、「文章がまとめられない」とお悩みのあなたにとってお役に立てれば幸いです。

文章のまとめ方に関するよくある質問

「文章を書くのが苦手な私でも上手くまとめられるの?」

「文章をまとめるコツは簡単につかめるの?」

と、不安に思う方もいるかもしれません。

以下によくある質問をまとめたので、参考にしてください。

Q
学生の時から国語が苦手でしたが、文章をまとめる力は身に付きますか?
A

はい、国語が苦手でも問題ありません。文章をまとめるには、作文や小説などを書くような文才は必要ありません。コツさえ掴めば、だれでも文章をまとめる力は身に付きます。

Q
仕事で文章を書く機会が増えました。これまでほとんど文章を書いてこなかった初心者でも書けるようになりますか?
A

はい。これまで文章を書いてこなかったとしても大丈夫です。まずは、本記事でご紹介した『文章のまとめ方7選』をお試しください。練習を積み重ねれば必ずわかりやすい文章を書けるようになります。文章をまとめる裏ワザもご紹介していますので、ぜひ併せてご活用ください。

Q
上司からよく、「文章が読みづらい」と指摘されます。そんな私でも読みやすい文章が書けるようになりますか?
A

はい、大丈夫です。「読みやすい文章」=「うまくまとまった文章」です。こちらでご紹介した方法を、一つずつ実践してみてください。ただ読むだけではなく、実践することで文章は格段と読みやすくなります。

Q
思いついたことを書き出すのですが、文章にまとめることが苦手。できるかどうか不安です
A

思いついたことを文章にまとめるには、思考の整理が役に立ちます。本記事でご紹介した『文章をまとめる裏ワザ・マインドマップを活用して情報を整理する』をご覧ください。

Q
文章を書くときうまくまとまらず、読み手に言いたいことが伝わりません。
A

まず、伝えたいことを書き出すことから始めましょう。思考を書き出す方法は『文章をまとめる裏ワザ』でご紹介していますのでご活用ください。

Q
記事を書くのに時間がかかるのが悩みです。文章のまとめ方を学ぶと短時間で書けるようになりますか?
A

はい、文章をまとめるコツを掴むと、頭の中の情報を整理できるようになるため、記事を書く時間を短縮できます。「文章のまとめ方」=「時短できる記事の書き方」でもあります。

Q
たくさんの本を読んできましたが、文章をまとめる力がつきません。
A

たしかに、文章をまとめるために読書は大きなサポートになりますが、それだけでは身に付きません。文章をまとめるにはコツを学び実践することが大切です。