Webライターの執筆内容は多岐にわたり、中でも「取材」を行って記事を書く、インタビュー記事というものがあります。
「情報を整理する記事ばかりでワンパターンな気がする・・・」
「インタビュー記事の執筆依頼を受けてしまった」
「インタビュー記事の書き方がわからない」
本記事では、このようなお悩みをおもちの方へ向けて、インタビュー記事の基礎から取材方法などポイントを解説していきます!
インタビュー記事が執筆できるようになると価値の高いライターとして活躍の場も広がるため、ぜひ参考にしてみてください。
インタビュー記事とは
インタビュー記事とは、特定の対象者に対して行った質疑応答や対談など、取材を通じて構成された記事を指します。
インタビューと聞くと新聞や雑誌の取材をイメージしそうですが、いち消費者の体験を聞き取るケースや、特定の仕事に従事するスタッフの仕事の流れを聞くケースなど、種類もさまざまです。
専門用語として取材する人を「インタビュアー」、取材対象者を「インタビュイー」といいます。
インタビュー記事のメリットとして、体験者・経験者が得た独自の情報(一次情報)が内容となるため、記事のオリジナリティを前面に出しやすいことが挙げられます。
そのため、顧客や専門家などの感想や考え方を”直接”読者に伝えられることから、情報の信用度が高く、興味や共感を引き付けやすくなるのです。
類似の記事と差別化を図りやすく、独自性が高くなることからSEO上も最適なコンテンツとして力を発揮できるのも特徴です。
インタビュー記事が向いているケース
インタビュー記事は主に
- ブランディング
- 商品やサービスの事例紹介
- 商品やサービスの宣伝
などに多く活用されます。
ブランディング
ブランディングとは、企業や商品、サービスなどのブランド力を高め、差別化して認識してもらうための活動を指します。
それでは、なぜ?インタビュー記事がブランディングを行う際に役立つのか…?
という点ですが、主に採用活動や求人を行う際に役立つのです。
というのも、例えば、一つの会社が世に魅力を伝えるためには代表者や社員のインタビューは職場のイメージを伝えるのに最適で、直接的なブランドイメージ作りに繋がります。
単純に…
事業内容:Web広告代理店
平均年齢:20後半
と企業概要だけ見てもなかなか企業のイメージがしづらいですよね…。
しかし、実際に働いている社員の声や代表の会社への想いなどインタビュー記事があれば、職場の雰囲気もわかりやすく、魅力も伝わりやすくなります。
採用側も求めている人材へメッセージとして届けられるため、採用後のズレも緩和できるでしょう。
商品やサービスの事例紹介
商品やサービスの事例紹介は購入者や体験者による「お客様の声」にあたります。
たとえば、予備校であれば「難関私立大学合格者」の声。
システム会社であれば「導入によって劇的な改善が進んだ企業」の事例。
…というように、利用している人や企業のフィードバックをもらうインタビュー記事も効果的です。
これは単純な商品・サービスのメリットを伝えるだけではなく、実際に利用した人のリアルな声を伝えることで商品やサービスの信頼度がアップできることが期待できるため、導入を検討している人の背中を押すことができるでしょう!
商品やサービスの宣伝
商品やサービスを開発した担当者のインタビューは時に”宣伝”として効果を発揮します。
『開発者の想い』や『開発のウラ話』など…
商品やサービスにストーリー性をもたせることで、読者の感情に訴えることが可能です。
スペックなど機能面だけが無機質に商品説明がされている記事と比較すると、商品やサービスをより身近に感じるような効果が期待できることでしょう!
インタビュー記事の形式【例文付き】
インタビュー記事にはさまざまな形式があり、形式によって記事の雰囲気や伝え方が異なります。
インタビュー記事を書くことになったもののどうやって書いたらいいのかわからない…
という方のためにここでは、代表的な3つの形式を例文付きで詳しく解説します。
Q&A形式
Q&A形式とは、その名の通り、質問(Q)と回答(A)を繰り返すことで情報を伝える記事です。
【例文】
Webライターになったきっかけを教えてください。
副業を探している中でWebライターという仕事を知り、もともと文章を書くのが好きだったのでやってみようと思いました。
いきなり仕事をとるのは大変な中で、Webライターの勉強はどうやってしましたか?
最初はブログからはじめてみたのですが、アクセスがなかなか増えず・・・一度基礎から学んだほうがいいなと思い、ライティングスクールに入会しました。
インタビュー記事の中でも最も一般的な形式で、インタビューの臨場感があり、テンポよく読み進められるのが特徴です。
インタビュイーの発言が直接的に伝えられるので、人柄なども伝わりやすくなります。
一方で話し言葉は読みやすそうに見えますが、内容に対して文字量が多くなりがちで、不自然にならない範囲で順序や会話内容を調整するなどテクニックが必要となります。
- 自然な流れで読みやすい
- インタビュイーの人柄を表現しやすい
- 会話を整えていく作業のため比較的執筆しやすい
- 話し言葉になるため、文章が長くなりやすい
- インタビュアー(ライター)の実力次第で淡泊な内容になる
- まとめ方を工夫しないと冗長になってしまう
モノローグ形式(一人称)
モノローグ形式は一人称形式とも呼ばれ、取材対象者が1人で語っているように構成するインタビュー記事です。
【例文】
私がWebライターになったのは将来への不安から副業を探していて見つけたことがきっかけでした。
もともと文章を書くのが好きだったので、すぐに仕事としてできるかなと思ったのですが、いざ書いてみると思うように書けず…
自分の力を思い知らされる燦燦たる結果でした。
そんな時にSNSでライティングスクールの存在を知り、話を聞いてみることにしました。
インタビュイーの言葉でしっかりと伝えたい時に向いている形式です。
直接語っているようになることから考え方や経験などインタビュイーの魅力がダイレクトに伝わるため、読者は感情移入しやすくなります。
本人が自分で執筆したように書くための構成力が必要とされることから、必然的に執筆難易度は高くなります。
- メッセージ性が強くなる
- 読者は語りかけられることで親しみやすい
- 「質問」がないため、コンパクトにまとまる
- 語りかける形式になるため、話題の転換がしづらい
- 説明的な記事にならないよう注意が必要
- インタビュイーの意図等の調整が必要
ルポ形式(三人称)
ルポ形式とはルポタージュ形式、三人称形式とも呼ばれ、インタビュアー(ライター)目線で、聞いたこと、感じたことを伝えるインタビュー記事です。
【例文】
今は文字単価10円超の案件もこなすフリーランスライターの彼女。
Web記事の執筆からスタートし、今やLPやメルマガなどセールスライティングまでこなす売れっ子ライター。
物静かに見える雰囲気とは裏腹にライターをはじめたきっかけを語る姿は力強かった。
なんでもライターをはじめたきっかけは「将来への不安から副業で少しでも稼ごう」と思ったことからだったという。
まったく仕事が取れなかった頃は副業で文字単価0.1円にもかかわらず、月に5万円も稼いでいたというから、彼女の血のにじむ努力には驚きだ。
インタビュアー(ライター)が取材した内容を客観的にまとめ、インタビュイーの表情や雰囲気など言語化しづらいメッセージも伝えられるように執筆します。
取材内容に加えて、資料で補足しながら記事を作成することもあり、事実をしっかりと説明したい時、複雑な状況を説明する時に向いている形式です。
インタビュー内容について、インタビュアー(ライター)自身が伝えたいことがはっきりしている必要があり、執筆難易度は高くなります。
- 論理的、客観的な記事となり説得力がある
- 複雑な背景や事実を伝えやすい
- 表情や雰囲気など織り交ぜ臨場感をもたせられる
- 堅苦しい印象になってしまう
- 取材対象者の人柄を伝えづらい
- インタビュー内容以外の組み立ても必要で文章力が求められる
インタビュー記事作成のポイント【その1.事前準備】
インタビュー記事は『事前準備→取材→ライティング』という流れで行われます。
それぞれにおいて、注意しなくてはいけないことがありますので、ここでは事前準備のポイントについて解説します。
目的を明確化する
インタビュー記事を作成するにあたって「何のためのインタビューなのか」という目的を明確にしましょう。
これはインタビュー記事に限った話ではありませんが、ターゲットとなる層と読者にとって欲しい行動まで決めておくことが重要です。
目的:新卒採用
読者にとって欲しい行動:新卒採用へのエントリー
上の例であれば、エントリーから逆算し、新卒の学生がどのような気持ちで就活をしているのか考えます。
新卒に近い若手社員が「楽しそうに仕事している」「やりがいを感じている」といったことがインタビュー記事をきっかけに確認できれば、エントリーをしてもらえる結果に繋がりやすくなるでしょう。
目的:中途採用
読者にとって欲しい行動:中途採用へのエントリー
同じ採用でも中途採用であれば「異業種からでも大丈夫かな…」「年収が下がったらどうしよう」と悩みながら転職活動を行っているでしょう。
そこで、インタビューによって中途採用者の活躍がポジティブな情報として伝えられれば、エントリーへと繋ぐきっかけになります。
ただ「採用」という大きな枠で検討するのではなく、行動を起こしてもらうために必要な情報が何か?逆算してください。
インタビュイーとも認識のすり合わせをしっかりと行っておくようにしましょう。
取材対象者についてリサーチする
インタビュー前は取材対象者について徹底的にリサーチをしましょう。
リサーチをどこまでできるかがインタビュー記事の命といっても過言ではありません。
リサーチを怠ると話を掘り下げられず、浅い内容になってしまい、インタビュイーにも極めて失礼にあたります。
HPなどインターネットで確認できる基本情報はもちろん、商品やサービスの体験インタビューは可能であれば自分自身も体験しておくぐらいが良いでしょう。
また、取材対象者のX(旧Twitter)やInstagramなどSNSが確認できる場合は、人物像やバックグラウンドまでリサーチしてください。
リサーチが深くなるほど、質問事項も濃いものとなります。
質問事項は背景やストーリー、思いが聞けるよう、「事実」よりも「考え」にフォーカスして作ることが大切です。
また、多面的に掘り下げるためにも、ひとつのトピックに対しても複数の質問を準備しましょう。
記事構成や質問内容の作成後、取材対象者に事前に送付する
質問事項が決定したら事前にインタビュイーへ送付して共有しましょう。
インタビュイーはどのような話をすれば良いかイメージをしやすくなります。
また、事前に送付するタイミングも直前ではなく、余裕をもって共有しておくことで、事前準備をしてインタビューを受けてくれるかもしれません。
場合によっては必要なデータなど資料を頂けることもありますので、早めに準備して送付できるようにしましょう。
インタビュー記事作成のポイント【その2.取材当日】
目的を決め、インタビュー内容をしっかり作りこんだあとは、取材当日を迎えるだけです。
さっそく取材当日のポイントについて解説していきます。
持ち物の確認
取材はメモとペンがあれば良いわけではありません。
雰囲気やインタビュイーをしっかりと正確に伝えるためにも、必要なものを準備しましょう。
- ボイスレコーダー
- カメラ
- メモできるもの(パソコン含)
- 質問用紙
取材において、ボイスレコーダーは必須アイテムです。
メモを取ることは前提ですが、話したことを一言一句記録することは不可能に近いため、あとで確認できるようにしておきましょう。
電池切れや雑音による聞き洩らしなどにも配慮し、可能であれば複数台準備しておけると理想的です。
また、現場の雰囲気をより伝えられるように写真撮影のため、カメラの準備も必須となります。
昨今はZoom等によるオンラインのケースもありますので、その場合は録音・録画機能の確認をしておいてください。
インタビュー記事だから当然ではなく、録音・録画のマナーとしてインタビュイーには、文字起こしのためなど利用目的を説明して許可を必ずとりましょう。
アイスブレイクを入れる
取引先との商談でも同じように、インタビューでも例外なくアイスブレイクをして緊張をほぐすように心がけましょう。
アイスブレイクとは世間話などリラックスした雰囲気を作るための話題です。
天気や季節などでも良いですが、出身地や趣味の話題などで共通の話題が見つかれば、インタビュイーとの距離はぐっと縮まります。
リサーチの際にSNSなどで見かけた本題以外で気になったことを聞いてみるのもおすすめです。
インタビュー記事はインタビュアーとインタビュイー双方で作り上げるものです。
質問用紙に書かれている通りに淡々とこなすだけでは良い雰囲気は生まれません。
そのため、一体感、信頼関係をつくりだすのにアイスブレイクは非常に重要になります。
アイスブレイクの際の話題として…
政治、宗教、スポーツは考え方の対立を招きやすいため、なるべく左記の話題を避けたコミュニケーションを取ることをオススメします。
メモに集中しすぎない
インタビューはインタビュイーの話を聞くことが最優先です。
メモをとることは大事ですが、メモに集中しすぎると話を聞くことがおろそかになり「この人、話聞いているのかな?」とインタビュイーも不安になります。
ボイスレコーダーを用意するのはあとで聞き返せるようにするためです。
メモはあくまでも気になった話題やポイントに絞ってとるようにし、インタビュー中は、インタビュイーとの会話を優先しましょう。
臨機応変に相槌や質問を入れる
インタビュイーが気持ちよく話せるような配慮をしましょう。
機械的に淡々と質問をし続けるだけではアイスブレイクで和んだ空気も意味がありません。
わざとらしいリアクションは逆効果ですが、「あなたの話に大変興味があります」という気持ちが伝わる好意的なリアクションや相槌は会話を盛り上げることに繋がります。
話でわからないことがあれば、素直に聞き返したり、「もう少し詳しく教えてください」とお願いしたりするようにしましょう。
「教えてください」は興味をもってくれているという証明にもなります。
また、事前に作成した質問をするだけではなく、臨機応変に質問を入れることは会話を盛り上げる上で非常に重要です。
質問は「幅・深さ・時間」を意識して行うことがポイントです。
会話の幅
なぜ副業としてライターの仕事を選んだのですか?
もともと文章を書くことが好きだったからです。
書くことが好き以外にライターがいいと思えたことはありますか?
一つの話題を他の選択肢や「もしも」の話でいろいろな角度から質問をしてみることで会話が広げられます。
会話の深さ
ライターになる前はどのような仕事をされていたのですか?
IT系の企業で事務職として働いていました。
事務職にも経理や総務などいろいろある中で、具体的にはどのようなことをされていたのですか?
一つの話題に対して「なぜ」や「どうやって」など5W1Hの質問を投げかけることで、深掘りができます。
会話の深みは記事の内容に直結しますので、非常に重要な質問方法となります。
時間軸
ライターとして実績を積んでいらっしゃる現在でも苦労されていることはありますか?
営業をしなくても依頼をいただけるようになりましたが、やはり個人では限界があるなと感じています。
将来的にはディレクターとして活躍を目指しているのですか?
同じ話題でも「過去」や「未来」に軸をずらすことで質問の精度をより高めることが可能です。
また、過去から現在、そして未来に至るまでのストーリーを作りやすい質問方法になります。
本筋以外の話もしっかり聞く
インタビューはインタビュイーとの会話ですので本筋以外の話に反れて盛り上がることも多々あります。
限られた時間の中でインタビューをするので本筋はもちろんですが、そこから思わぬ話が出てくることも良くある話です。
脱線するぐらい盛り上がっている時こそ、インタビュイーの本音や人柄が見られることもありますので、すぐに本筋に戻すのではなく、しっかりと耳を傾けてみましょう。
また、インタビュー後の何気ない雑談のほうが緊張も解けているため、意外なエピソードを得られる可能性もあります。
「家に帰るまでが遠足」ではありませんが、「インタビュイーと別れるまでがインタビュー」と思って、気を抜かないようにしましょう。
インタビュー記事作成のポイント【その3.ライティング】
インタビューが終わると、ようやくライティングに入っていきます。
ライティングも通常のライティングと異なりますので、ポイントをひとつずつ解説していきます。
文字起こし
インタビュー内容を思い出しながらいきなり執筆をはじめるのではなく、録音した音源を文字にする「文字起こし」と呼ばれる作業からはじめます。
取材した日から時間をあけずに作業することが理想です。
一般的に10分の音源を文字起こしするのに1時間程度が目安といわれていますので、取材時間が長ければ長いほど労力がかかります。
自分一人で大変な時は外注を検討してみたり、文字起こしができるツールの利用も検討したりしてみましょう。
また、文字起こしには
- 素起こし
- ケバ取り
- 整文
と3つの方法がありますので解説しておきます。
素起こし
素起こしとは音源の録音内容そのまま「素」の状態で文字化する方法です。
「えっと」や「あー!」などの言葉や言い間違いまでそのまま文字にします。
意味が通じにくい文章になることもありますが、インタビューに臨場感が出るのが特徴です。
ケバ取り
素起こしから「えっと」や「あー!」などの意味のない言葉を取り除く方法です。
不要な文字がなくなるため、素起こしに比べて意味が理解しやすくなります。
整文
読んで字のごとく「文字を整える」方法で、たとえば「知らなかったです!私!」という話し言葉を「私は知りませんでした」と書き言葉に整理していきます。
音源から言葉の前後の意味やニュアンスなどを理解した上で行うため、文字起こしの中でも一番時間がかかります。
執筆
文字起こしが終わったらいよいよ執筆です。
事前準備の際に記事の目的を決めているため、それに沿った構成を考えていきます。
インタビューの質問内容は目的に沿った内容で作成していても、インタビュー時は質問以外の会話も多く、情報量が増えます。
記事の目的から離れてしまう内容は取捨選択することも必要です。
また、会話ですと話が前後してしまうケースもありますので、順序も適宜修正し、話し言葉を書き言葉に書き直します。
一般的な記事と共通するところも多いですが、口語から文語へ書き直す際には以下の点に注意してください。
- 主語・述語を追加する
- 主語・述語が離れすぎないようにする
- 短くまとめる
- 助詞を追加する
- 冗長表現や重複した表現を避ける
- 「この」「その」など指示代名詞を避ける
インタビュー記事もあくまで記事であり、読んでもらうことを意識しながら執筆するようにしましょう。
校正・校閲
記事が完成したら校正・校閲作業に進みます。
校正とは誤字・脱字のチェックや、漢字の使い方などの表記を統一する作業。
校閲とは書かれた内容に矛盾はないか、表現の誤りや事実関係の誤認がないかなど、チェックすることをいいます。
基本的な作業は通常の記事と変わりません。
可能であれば執筆者と別の第三者にチェックしてもらうことをおすすめします。
一人で執筆~校正・校閲まで行う場合は、完成後に時間を置いてから校正・校閲を行うようにしましょう。
誤字脱字がないかのチェックはもちろん、取材時に数値などデータをもらっている場合は、データの内容についてしっかり確認します。
事実と異なるような場合は、インタビュイーに確認をとって、正確な数値に修正してください。
間違ったデータを利用してしまうと、インタビュイーの信用を傷つけてしまうことにもなりかねませんのでしっかり確認をしましょう。
取材対象者への記事の確認依頼
記事が完成したら、インタビュイーに必ず確認をとりましょう。
最終チェックが不要といわれるケースもありますが…
- インタビュー時には盛り上がった話題でも記事の中には入れてほしくない
- 本来の意図とは異なった内容になっている
- もう少し詳しく説明してほしい箇所がある
など、後々になって問題になってしまうケースも少なくはありません。
そのため、インタビュー後であってもインタビュイーへの配慮は絶対に忘れないようにしましょう。
インタビュイーへ内容を確認する際には、掲載する予定の写真や資料データなども含めた完成品をチェックしてもらい、修正依頼があった場合は速やかに対応しましょう!
公開後の拡散
インタビュー記事は公開したら終わりではありません。
記事を見てもらうためには公開後の拡散も忘れずに行うことが重要です。
- 顧客へ案内する
- SNSで発信する
商品やサービスの販売が目的の場合は、自社の顧客リストを大いに活用しましょう。
メルマガで配信したり、メールの署名欄に入れたりすることで購入までの導線設計を行うのがおすすめです。
お客様の声であれば、X(旧Twitter)などSNSで発信するのも効果的でしょう。
SNSはとてつもない拡散力を秘めていますので、お客様が感想を添えてリツイートするとプレゼントがもらえるキャンペーンなども行えば効率良く拡散が可能です。
インタビュー記事を書くうえでの注意点とは?
記事の作成手順をお伝えしてきましたが、通常の記事とは異なるのがインタビュー記事です。
実際に執筆を進める上ではどのような点に注意すれば良いのでしょうか?
ここではインタビュー記事執筆における注意点を解説します。
インタビュー記事の題名の付け方を工夫する
インタビュー記事も通常の記事と同じで題名は最初に目にするところになりますので、読んでもらうための重要な要素です。
検索された時やSNSのシェアを意識して、わかりやすいタイトルを心がけましょう。
著名な方のインタビューであれば「人名」をストレートに入れるのもベストです。
インタビューの中で印象的だった言葉や内容を入れると、ストーリー性を感じる魅力的な題名になることがあります。
また、SEOとしてもキーワードを効果的に配置できれば、検索エンジンでの露出が増え、より多くの読者に届く可能性が高まります。
起承転結を意識する
インタビュー記事も文章である以上、「起承転結」は基本です。
インタビュー当日は話が盛り上がったり、脱線したりしてしまうこともありますが、執筆の際に前後した内容も「起承転結」に沿って修正しましょう。
具体的なイメージとしては
【起(導入)】
インタビューの背景や対象者の簡単な紹介を行います。
たとえば、対象者の現在の役職やプロジェクトについて触れることで読者の興味を引き、記事を読む動機を与える部分です。
【承(展開)】
導入部分に続き、インタビューのメインテーマや具体的な質問内容。ここでは、対象者の考えや経験を深掘りし、読者にとって有益な情報を提供します。
【転(転換)】
記事のクライマックスにあたる部分。成功までの苦労話や意外なエピソードなど、新しい視点や驚きの事実を紹介し、読者の興味を再度引きつけます。
【結(結論)】
インタビュー全体のまとめや今後の展望について触れます。読者に強い印象を残し、記事を読んだことへの満足感を与えます。
インタビュイーのストーリーが自然に流れれば、読者もスムーズに読み進められる魅力ある記事になります。
記事冒頭にはインタビュイーの情報を入れる
記事冒頭にはインタビュイー本人や企業の情報を入れておくようにしましょう。
急にインタビューがはじまってしまうと、内容よりもどのような人、企業なのかが気になってしまい、内容が頭に入ってきません。
冒頭でどのような人なのか、どういった企業なのかという情報を把握しておくことで興味を引きやすくなります。
可能であれば、経歴や実績など具体的なところまで説明ができると、記事の有益性を理解してもらいやすくなり、読者もより自然と続きを読み進めてくれます。
インタビュイーの人柄がわかるようにする
インタビュー記事の最大の強みはインタビューそのものの独自性の強さです。
インタビュイーの魅力を最大限に引き出すためにも人柄が伝わる工夫をしましょう。
雑談など記事の目的には直接関係のない話も、適度に盛り込むことでインタビュイーの魅力が伝わり、記事の面白さに繋がります。
関係のない話をだらだらと書いてはいけませんが、この取捨選択ができるようになれば良いインタビュー記事が執筆できるようになります。
また、同意が取れるのであれば写真をつけ、視覚的にも伝えられるようにするのが理想です。
話し言葉は書き言葉にして読みやすくすることは必要だとお伝えしましたが、整えすぎるのも注意が必要です。
「じゃあ、どうすればいいの!?」
という気持ちもわかりますが、インタビュイーの口癖や印象的な言葉は人柄を伝える上で重要な要素です。
インタビュイーの話した言葉の流れは崩さないよう、活かして修正を行うことがポイントです。
具体的なエピソードを盛り込む
インタビュー記事は、具体性があるほど内容が濃いものになります。
具体的なエピソードを引き出せるような質問も準備してインタビューに臨みましょう。
たとえば、中小企業の代表のインタビューで「全社員といつも向き合っています」と聞いただけでは、どう向き合っているのかわかりません。
しかし「半期に一度、全社員と個別面談をしている」というエピソードがあればどうでしょうか?
このエピソードがあるだけで、代表が本気で全社員と向き合っていることが伝わります。
エピソードがより具体的であればあるほど、インタビュイーの経験や考え方を鮮明に伝えられ、読者にも響く内容になります。
逆に具体性に欠けると表面的な内容になってしまい、読者も読み飽きてしまうため、しっかりと質問を作り込み、当日も深く話が聞けるようにしましょう。
既知の質問は避ける
事前リサーチで調べれば出てくるようなことや業界的な常識などを質問することは避けましょう。
限られたインタビュー時間を無駄にしてしまうだけではなく、「それくらい知っていてよ..」と不快な印象を与えてしまうことすらあります。
インタビュアー(ライター)が本当に興味をもってインタビューしていることを伝えられるように準備をしましょう。
これまでになかったような鋭い質問ができると、インタビュイーも本気の回答をしてくれるようになります。
インタビュー記事を筆者が書いた際の実体験
インタビュー記事の書き方はわかったものの、実際のイメージが沸かないという方もまだ多いのではないでしょうか?
ここでは筆者が実際にインタビュー記事を書いた時の実体験をお話ししていきます。
・目的:マーケティングスクールの紹介
・内容:卒業生の体験談
・インタビュイー:マーケティング未経験から転職に成功した方
案件をどうやって獲得したのか?
筆者はマーケティングスクール卒業生の体験談の執筆を経験しています。
筆者の場合は自分自身が卒業生だったこともあり、案件としては直接の委託でした。
インタビュー記事というとハードルが高いと感じる方もいるかもしれませんが、実際はクラウドソーシングでカテゴリーとしてあるほど案件自体は割とすぐに見つけられます。
質問を考えることがまず難しいと思ってしまうかもしれませんが、すでに撮り終えたインタビュー映像を見て執筆するという案件もあります。
インタビュー記事を書いてみたいという方は執筆のみ挑戦するなど、段階を踏んで挑戦するのもおすすめです。
質問作成は依頼者と打ち合わせ
依頼元のマーケティング担当者とまずは依頼内容の詳細確認とおおまかな質問内容の調整を行いました。
目的としては卒業生の成功体験を元に、自社のスクールへの入会を促すこと。
今回の卒業生は接客業出身で「未経験で転職成功」を前面に出したいとのことだったので、
- なぜ接客業からマーケティングだったのか?
- 接客業の経験から活かせたことはあったか?
- スクールに入って良かったこと悪かったことはあるか?
- 苦労したことはどのようなことか?
- 転職活動ではどのようなことを聞かれたか?
など一例ですが、このような質問を作成し、依頼者のチェックを受けて質問の幅や深さが出るように、当日の追加質問で肉付けをしていきました。
確定した質問内容は事前に送付し、当日に臨みます。
当日はオンラインで
初心者の案件として良かったのはお互い卒業生だったため、担当講師が誰だったか、どこのテーマでつまずいたかなどアイスブレイクがし易かったこと。
アイスブレイクが少し長かったかなという反省はありましたが、インタビューは終始和やかに進められました。
Zoomでしたので基本の録画で記録を残すなどしっかりと確認をとってインタビューは完了。
著者の場合は、スクール卒業生同士という少し特殊かもしれません。
ただ、挑戦してみたいと考えている方は、とにかくなんでもいいから応募ではなく、話がしやすい話題などに絞ってみると良いでしょう。
緊張は簡単にはほぐれませんが、好きなことやものについて会話ができる方が、入口としては始めやすいためです。
インタビュー記事に挑戦したい方へ
インタビュー記事はやはり得意不得意、向き不向きがあります。
しかし、「インタビュー記事が書ける」が書けないライターよりもアドバンテージがつくのは確実です。
通常の記事にマンネリを感じているなどきっかけはどのようなことでも良いと思います。
挑戦した上で、少し違ったであればそれは「インタビュー記事は向いていない」という結果ですので、食わず嫌いをするぐらいであればぜひ一度挑戦してみてください。
ライターとしてレベルアップするきっかけになることは間違いありません。
著者個人的には人と話すことが好きであったり、好奇心旺盛な人には向いていると思います!
まとめ:ポイントを押さえて読者の心を惹きつけるインタビュー記事を作ろう!
インタビュー記事の種類から書き方、実体験までインタビュー記事に関すること全般に渡りお伝えしてきました。
インタビュー記事は聞いてきたことをただ書くだけではありません。
インタビュイー(取材対象者)の魅力を伝え、読者の心に響く記事に仕上げることが重要です。
そのためには、Q&A形式、モノローグ形式、ルポタージュ形式とそれぞれの形式のメリット、デメリットなど知識を身につけることからスタート。
合わせて魅力的な記事にするための質問力を鍛えることも重要で、通常の記事と比較すると難易度は上がります。
しかし、インタビュー記事は独自性の高いコンテンツとして、SEO上からも高い効果が見込めるため、ライターとしても高い価値を発揮できる記事です。
本記事でお伝えしてきたポイントを参考に、読者の心をつかむインタビュー記事の作成を目指して、価値あるライターを目指しましょう。
よくある質問
最後に『インタビュー記事』に関して初心者によくある質問をご紹介します。
まだ一通り、理解はしたつもりだけど、まだ解決していないという方は、ぜひ参考にしてください。
よくある質問①インタビューされる人のことを何と呼びますか?
インタビュイーと呼びます。
しかし、あまり一般的な言葉ではないため、「取材対象者」や「インタビュー対象者」のようにわかりやすい言葉で説明することが必要です。
また、インタビュイーに対し、インタビューする人をインタビュアーと呼びます。
よくある質問②インタビュー記事は何文字くらいが適切ですか?
インタビュー記事の適切な長さや文字数は内容によるのでとくにありません。
1,000文字~3,000文字のケースが多いですが、どこまで深掘りするか、専門性の高さなどにより、それ以上もあります。
重要なことは文字数ではなく、いかに読者の心を引き付けられるかという内容になります。
よくある質問③インタビュー時の質問は何個ぐらいが適切ですか?
テーマ等によるため、一概に適切な質問数というものはありません。
1時間のインタビューであれば、テーマに直結する質問で10個以内が適切です。
しかし、質問数が多ければ多いほど、時間内での回答がしきれなかったり、表面的な質問ばかりで深掘りができず、記事の内容も淡泊になるので注意しましょう。
よくある質問④インタビュー記事の仕事はどこで募集していますか?
クラウドソーシング、SNS、求人サイトなど一般的なライティングと変わりません。
しかし、仕事内容として文字起こしのみやインタビューは終わっていて、動画を元に記事だけ作成する場合など内容もさまざまです。
応募の際は募集内容をよく確認してから応募するようにしましょう。
よくある質問⑤インタビュー記事の価格相場はいくらぐらいですか?
文字単価、記事単価制で通常の記事と変わりませんが、リサーチのみで執筆ができる通常の記事と異なり、インタビューや文字起こしという工程が発生します。
単価で見た時に通常の記事より割安になってしまうこともありますので注意しましょう。