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maho知るを楽しむママライター

人が社会にでたとき、いかなる場面や立場においても求められるのが『教養の有無』です。

特に他者とのコミュニケーションツールである言語、つまり日本語の教養がきわめて重要であることは、社会人経験がある方ならきっとだれもがうなづける事実でしょう。

本記事ではそうした日本語の教養のひとつとして「読み間違いやすい漢字」を50個ご紹介します。

また筆者の願いは、読者が教養を使いこなせるようになること。

そのため、下記の点を交えながら解説を進めていきます。

・正しい読み方
・意味
・間違いやすいポイント
・使い方の例

こうしたひとつひとつの理解が深まれば、きっとあなたもスマートな使いこなしができるようになるはずです。

ビジネスや自己プロデュースの一助に、ぜひ拙著をお役立てください。

読み間違いやすい漢字は意外と多い⁉学ぶ意味とは?

読み間違いやすい漢字は意外と多い⁉学ぶ意味とは?

日本社会で生きていくうえで、日本語の教養が必要不可欠あることはだれもが疑いようのない事実です。

そのため、多くの人が社会に出る準備として下記のような日本語のマナーを学びます。

  • ビジネスメールの文言
  • 尊敬語と謙譲語の違い

ただ、こうした学習に余念がない一方で、正しい漢字の読み方についてはおざなりにしてしまう傾向が見受けられます。

得てして、漢字の読み間違いで周囲から不名誉な烙印を捺されてしまうケースが頻繁に起こっているのです。

極端な例を挙げれば「出納」を「しゅつのう」と読む人と、「すいとう」と正しく読める人のどちらに経理を任せたいかと問われれば、やはり後者が選任されるでしょう。

商談相手に「何卒」を誤読して「なにそつ」と挨拶をしてしまえば、どれほどビジネスマナーが完璧であったとしても先方は不信感を抱きます。

つまり、漢字の読み方ひとつであなた自身の評価や印象が大きく変わることは十分起こり得るのです。

にも拘わらず、世間では漢字の誤読や誤用が後を絶ちません…。
というのも、PCやスマホで漢字変換できてしまったり、間違った読み方であっても意図する言葉を相手が察してくれるからです。

その結果、世間では無自覚な漢字の読み間違いが横行するという事態に…

もちろん、あなた自身が誤読や誤用の当事者である可能性も大いにあり得ます。

この機会に、読み間違いやすい漢字を学び直してみてはいかがでしょうか?

読み間違いやすい漢字【50選】

マナーとして漢字の知識を身に付けるのであれば、社会常識の範囲内で恥ずかしくない程度に心得ておくべきでしょう。

つきましては、読み間違いやすい漢字の中からとくにその傾向の強い漢字を50個厳選し、読み方だけでなく意味や使い方についてもお伝えします。

使う状況をイメージすると理解につながりやすいことから、活用シーンを『ビジネス編』と『プライベート編』に分けて記載しているので、ぜひ参考にしてください。

読み間違いやすい漢字 〜ビジネス編〜

読み間違いやすい漢字 〜ビジネス編〜

(1)一段落

いちだんらく

ひとだんらく

【意味】
文章の区切り、 物事の区切り

【例文】
繁忙期が一段落したら旅行にでかけよう

(2)遵守

じゅんしゅ

そんしゅ

【意味】
法律、道徳などのルールを理解し、徹底して守ること

【例文】
コンプライアンスを遵守しなければならない

解説する女性
「遵守(じゅんしゅ)」と似た言葉に「順守(じゅんしゅ)」があります。
遵守は「理解した上で守ること」対し、順守は「ただ従う」という違いがあるのです。

(3)明朝体

みんちょうたい

めいちょうたい、みょうちょうたい

【意味】
書体の種類のひとつ

【例文】
この文書は明朝体で書いてください

(4)年俸

ねんぽう

ねんぼう

【意味】
一年あたりに払われる給与額

【例文】
年俸制度を導入する

(5)過不足

かふそく

かぶそく

【意味】
多すぎることと少なすぎること

【例文】
誰もがわかるように、過不足なく説明する

解説する女性
非常に読み間違いやすい漢字であり、多くの方が誤読しています。
その意味のとおり「過剰」と「不足」を並列した言葉であることが正しい読み方の所以です。

(6)暫く

しばらく

ようやく

【意味】
少しの時間

【例文】
暫くお待ちください。

解説する女性
「漸く(ようやく)」という漢字と混同しがちです。
ちなみに、漸くとは「長い時間を経て、待ち望んでいたことが実現すること」を意味します。

(7)暫時

ざんじ

ぜんじ

【意味】
しばらくの間

解説する女性
「漸次(ぜんじ)」と混同されやすい漢字で、非常に改まった場面で使われます。
補足ですが、漸次は「じょじょに」という意味です。

(8)角逐

かくちく

かくすい

【意味】
実力が等しい者同士で争い合うこと、競い合い

【例文】
A社とB社の角逐は激化の一途をたどっている

解説する女性
遂に(ついに)
遂行(すいこう)
これらの読み間違いにも注意してください。

(9)委嘱

いしょく

いぞく

【意味】
一定期間に限り、特定の業務を外部に任せること

【例文】
専門家に委嘱するのが望ましい

(10)世論

せろん

よろん

【意味】
世間一般の多数意見

【例文】
世論調査の結果に基づくデータ解析を行う

(11)反故

ほご

はんこ

【意味】
不要なもの、なかったことにすること

【例文】
違反により、契約を反故にする

(12)役務

えきむ

やくむ

【意味】
公的な仕事やサービス

【例文】
インフラ役務に従事する

(13)汎用

はんよう

ぼんよう

【意味】
ひろい分野や用途で適用できること

【例文】
汎用性のある商品を開発する

解説する女性
似た漢字で、「凡例」がありますが、正しい読み方は「はんれい」です。
意味は「書物の冒頭にて、著述の目的を箇条書きで表わしたもの」

(14)偏に

ひとえに

へんに

【意味】
ただひたすらに

【例文】
偏に、貴殿のお力添えによるものでございます

(15)礼賛・礼讃

らいさん

れいさん

【意味】
たたえること、有り難いものとして敬うこと

【例文】
功労者を礼賛する

解説する女性
「礼拝」の正しい読み方は「らいはい」です。「れいはい」ではありません。
また「一刀三礼」という言葉がありますが、こちらも「礼」は『らい』と読み

「いっとうさんらい」と読みます。

(16)言質

げんち

げんしつ、ごんしつ

【意味】
証拠となる言葉

【例文】
会議ではクライアントの言質を取りましょう

解説する女性
余談ですが、「たちの悪い」という言葉は「質の悪い」と書きます。

(17)押印

おういん

おしいん

【意味】
はんこを押すこと

【例文】
この書類に押印してください

(18)異にする

ことにする

いにする

【意味】
違っていることを表す

【例文】
価値観を異にするものの、良好な関係を築いている

(19)伝播

でんぱ

でんぱん

【意味】
広く伝わっていくこと

【例文】
伝播性のある病気は感染防止対策を徹底しましょう

(20)奇しくも

くしくも

きしくも

【意味】
偶然ながら、不思議なことに

【例文】
奇しくも、あなたと同じ意見です

(21)読本

とくほん

どくほん

【意味】
入門的な教科書、わかりやすい解説書

【例文】
初心者向けのエクセル読本

解説する女性
 実は「よみほん」と呼ぶものもあります。 
その場合は『江戸時代の文学を現代語訳した書物』を意味します。

(22)遊説

ゆうぜい

ゆうせつ

【意味】
意見や考えを主張してまわること

【例文】
とある政治家の遊説にかけつけた支援者たち

(23)杜撰

ずさん

とせん、ずせん

【意味】
いい加減であること、間違いが多いこと

【例文】
杜撰な施工(せこう)が明らかになった

(24)弛緩

しかん

ちかん、たせん

【意味】
ゆるむこと、ゆるめること

【例文】
この薬には、筋肉の弛緩作用があります

解説する女性
「ちかん」も慣用読みとして認知されつつありますが、「しかん」と読むほうが、一般的です。

(25)出来する

しゅったいする

できする、しゅつらいする

【意味】
事件が発生すること、完成すること

【例文】
現在、増刷出来を予定している

ここまで、ビジネスの場面でありがちな読み間違いやすい漢字25個について紹介・解説しました。

読み間違いやすい漢字 〜プライベート編〜

読み間違いやすい漢字 〜プライベート編〜

(26)舌鼓

したつづみ

したづつみ

【意味】
おいしいものを口にしたときに舌で鳴らす音

【例文】
旅先で、海の幸に舌鼓を打つ

(27)あり得る

ありうる

ありえる

【意味】
可能性として否定できない

【例文】
真逆の結果になることもあり得る

解説する女性
「ありえる」という誤読も許容されつつありますが「ありうる」方が望ましいとされています。

(28)職人気質

しょくにんがたき

「しょくにんきしつ」1

※1 違う意味の言葉になる

【意味】
身分、地域、職種によって共通の性格がみられること

【例文】
彼の職人気質はその洞察力の高さにある

解説する女性
「気質(きしつ)」は生まれ持った性格を意味します。
後天的な共通傾向を表現するのに、先天的な意味合いである「きしつ」と読んでしまうと、整合性が取れなくなってしまいます。

(29)蔑ろ

ないがしろ

むしろ

【意味】
軽視する、適当にあしらう

【例文】
日々の積み重ねを蔑ろにしてはいけない

解説する女性
「蔑む(さげすむ)」という言葉もありますが、ここで紹介している語句とは意味合いが異なります。

(30)御用達

ごようたし

ごようたつ

【意味】
皇室、王室に品物を納める行為、あるいは業者や品物

【例文】
宮内庁御用達の伝統工芸品

(31)吹聴

ふいちょう

すいちょう

【意味】
なんらかの話を言い触れまわること

【例文】
噂話を吹聴しているのはどうやら彼女らしい

(32)旅客機

りょかくき、りょかっき

りょきゃくき

【意味】
旅行者を運ぶ航空機

【例文】
シンガポール行きの旅客機が羽田空港で緊急着陸した

解説する女性
「旅客」という漢字そのものは「りょきゃく・りょかく」どちらでも読むことができますが、
「機」の漢字が付随すると「りょきゃくき」とは読めなくなってしまいます。

(33)言語道断

ごんごどうだん

げんごどうだん

【意味】
言い表わしようのないほど酷いこと

【例文】
そのような発言は言語道断である

(34)概ね

おおむね

かねがね

【意味】
おおよそ

【例文】
概ね、その通りです

(35)軍配

ぐんばい

ぐんぱい、ぐんはい

【意味】
勝敗を決める際に挙げる扇

【例文】
どちらに軍配が上がるかは、最後までわからない

(36)斜向い

はすむかい

ななめむかい、しゃむかい

【意味】
右斜め前、あるいは左斜め前

【例文】
我が家の斜向かいには公園がある

解説する女性
「斜に構える」と言う言葉がありますが、この場合の読み方は「しゃにかまえる」となります。

(37)著す

あらわす

ちょす、しるす

【意味】
書物を書き、出版すること

【例文】
個人ブログを本に著すことになった

(38)如才

じょさい

にょさい

【意味】
抜け、粗雑さ

【例文】
如才のないおもてなしに感心しきりだった

(39)巣窟

そうくつ

すくつ

【意味】
悪者のすみか

【例文】
詐欺グループの巣窟を突き止めた

(40)ご利益

ごりやく

ごりえき

【意味】
信仰によって与えられる恩恵

【例文】
学業成就のご利益があることで有名な神社

解説する女性
「利益」だけの場合は、「りえき」と読みます。また、利益(りえき)を丁寧に言う場合は、
「収益・利潤・利得・売上」などに言い換えることができます。

(41)逆鱗

げきりん

ぎゃくりん、さかうろこ

【意味】
竜の顎下にある逆さに生えた一枚の鱗
比喩表現の一つとして目上の人を怒らせた際に「逆鱗に触れる」と使われるようになった

【例文】
何気ないひとことが上司の逆鱗に触れてしまった

(42)一足飛び

いっそくとび

ひとあしとび

【意味】
目的地まで一気に向かうこと

【例文】
ビギナーにもかかわらず、一足飛びで進級した

(43)他人事

ひとごと

たにんごと

【意味】
自分には関係のない事柄

【例文】
他人事のような振る舞いをしている

解説する女性
「他人様」は「ひとさま」と正しく読む方が多いのではないでしょうか。
同じ解釈として捉えると、覚えやすいかもしれません。

(44)一世一代

いっせいちだい

いっせいいちだい

【意味】
人生、一生

【例文】
一世一代をかけた決断を下す

(45)朽廃

きゅうはい

こうはい

【意味】
建物や家屋が老朽化し、無用のものとなること

【例文】
空き家が朽廃状態になると、様々な問題が起きる

解説する女性
「荒廃(こうはい)」という語句と混同してしまう方が多いようです。

(46)大人数

おおにんず(う)

だいにんず(う)

【意味】
人の数が多いこと

【例文】
大人数が集まるイベント

解説する女性
大人数の対義語は「小人数(こにんず/こにんずう」です。

(47)一対

いっつい

いったい

【意味】
2つ揃って1つとなるもの

【例文】
一対の手袋が落とし物として届けられた

(48)婉曲

えんきょく

わんきょく

【意味】
遠回しであること

【例文】
婉曲的な伝え方に徹する

(49)生そば

きそば

なまそば

【意味】
そば粉のみでつくられたつなぎ不使用のそば

【例文】
生そばの香りを愉しむ

(50)造詣

ぞうけい

ぞうし

【意味】
特定の学問や芸術分野において、深く精通していること

【例文】
民俗学に造詣が深い

ご覧のとおり、日常生活で使う言葉は読み間違いの自覚のないものが多くありますが、上記の例は一部に過ぎません。

読み間違いやすい漢字についての情報収集を積極的に行い、あなたの漢字力をさらに磨いていきましょう。

読み間違いやすい漢字 〜番外編〜

読み間違いやすい漢字 〜番外編〜

ここまで読み間違いやすい漢字についてご紹介してきましたが、最後に「慣用読み」1に触れて、本記事の解説を終わりたいと思います。

慣用読み・・・間違いであるにも拘わらず、誤読が広く知れ渡った結果、一般的に認知され使われるようになった読み方

慣用読みの例
  • 続柄・・・本来の読み方「つづきがら」▶ 慣用読み「ぞくがら」
  • 免れる・・・本来の読み方「まぬかれる」▶ 慣用読み「まぬがれる」
  • 重複・・・本来の読み方「ちょうふく」▶ 慣用読み「じゅうふく」

このように慣用読みとして世間的に認められている場合は、本来正しいとされていた読み方をしなくとも間違いではありません。

それどころか、本来の正しい読み方でなく誤読であるはずの慣用読みに”軍配”が上がる場合もあるのです。

読み間違いやすい漢字:まとめ

本記事では、大人であれば押さえておくべき『読み間違いやすい漢字』を50個ご紹介しました。

知性や品性は言葉に滲みでるものであり、発する言葉次第では、人柄さえも判断されかねません。

もちろん漢字が正しく読めるなら人格者だ、などということはありませんが、漢字の正しい読み方や使い方ができるあなたに対して、良い印象を抱いたり信頼を寄せる人は多いはずです。

そうした積み重ねが、きっとあなたの人脈と選択肢を豊かにしてくれることでしょう。

読み間違いやすい漢字を学んだことで、あなたの可能性がすこしでも広がれば筆者はうれしく思います。

この記事を書いたライター
自他ともに認める真面目な性格と、行動力をあわせ持つ。
「何歳になっても自分に挑戦する、泥臭い母の姿を子供に見せたい」
たどり着いた育児論を貫くべく、全くの未経験からライターに転身。
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