
突然ですが、本記事をご覧の方に質問です。
最初は特に意識していなかったのに、いつの間にか興味が強くなっていた…
なんてご経験、ありませんか?
筆者の場合でいうと、仲の良い友人とカラオケに行った時、毎回彼が歌う曲がありまして…
後日、テレビでその曲を歌うアーティストが出演していると自然と見るようになっていて、いつの間にか友人とそのアーティストのライブに足を運んでいた…という経験があります。笑
この現象、筆者も始めのうちはなんとも思っていなかったのですが、実は…
元はそこまで興味がなかった事柄や人物との接触回数を重ねていくことで興味が強くなる『単純接触効果(ザイオンス効果)』という心理法則の作用が働いていたのです。
そして「単純接触効果」の理解を深め、自ら活用できるようになれば、恋愛やビジネスなどの人間関係において意中の人の好意を操ることも夢ではありません。
そこで、本記事では『単純接触効果』の仕組みや具体的な活用方法、そして使用する際の注意点までわかりやすく解説いたします!

好感度を操る魅惑のスキル『単純接触効果(ザイオンス効果)』とは?

まず結論からお伝えすると、単純接触効果とは”人は繰り返し接触することで、親しみや親近感が増す”という心理効果です。
この接触する相手は「物・事柄・人物・動物…」なんでも、誰もが対象となりえます。
なぜなら、それは人間の脳が『見慣れたものを安心できるもの』として認識する傾向があるから。
実際この単純接触効果は、アメリカの社会心理学者『ロバート・ザイオンス氏』によって1968年の論文で提唱され、近年では認知心理学などの分野でも研究が進んでいます。
このように、単純接触効果は提唱されてから50年以上の歴史をもつ、れっきとした心理学の法則なのです。
単純接触効果を提唱した「ロバート・ザイオンス氏」の名前を取って、別名『ザイオンス効果』とも呼ばれています。
単純接触効果(ザイオンス効果)の定義とは?

単純接触効果(ザイオンス効果)の定義は『ある対象に繰り返し接触することで、その対象に対する好感度や親近感が高まる心理効果』です。
そして、単純接触効果を理解するために重要なポイントは以下の3つ。
- 接触するだけで効果が生まれる
- 特別な情報や刺激は不要である
- 商品や音楽など、万物に効果が発生する
また、この効果は「閾下(いきか)」という刺激が小さすぎて知覚されないような、無意識レベルの状態でも作用するという特徴があります。
つまり『見る』『聞く』という単純な接触だけでも、私たちの心理に影響を与えることができるのです!
日常におけるザイオンス効果の例
それでは本セクションにて、実際にあなたの日常で単純接触効果が働いている例をご紹介します。
人間関係

学校や職場などの人間関係においても、単純接触効果は大きな影響を与えています。
- 部活動で一緒に過ごすメンバーと特に仲良くなる
- 同じ部署、同じフロアで働く人に仲間意識が芽生える
- 部署やフロアが違っても、会議で定期的に会う人に好感を覚える
恋愛

恋愛の場面では、単純接触効果を駆使して好きな人を振り向かせるテクニックが紹介されるほど、活かすことが出来る心理効果として有名です。
- 家の近所に住んでいてよく顔を合わすアノ人が気になってしまう
- 職場や学校で、直接会う回数や話す回数が多いと好意が生まれる
- 毎日同じ電車で会う人に惹かれてしまう
あいにく筆者はこれらの経験は乏しいのですが…
もしかすると上の例に該当する方がいらっしゃるのかもしれませんね…
主題歌・タイアップ曲

音楽業界では意図的に活用していることが多いため、もしかすると一番日常に溶け込んだ単純接触効果の例かもしれません…!
- ドラマやアニメの主題歌を何度も聴くことで好きになる
- CMソングが耳に残り、鼻歌を歌ってしまう
- 店内のBGMとして流れる曲に、親近感が湧いてくる
いかがでしょうか?
「単純接触効果なんて聞いたことがないよ…?」と思われていた方も「あぁ、そういえば…!」と、つい頷いてしまうような例が潜んでいたのではないでしょうか?
【驚愕の成果】単純接触効果でビジネスを加速させる方法

つづいて、ビジネスでも成果をあげている単純接触効果の例をご紹介していきます。
営業

まずは、営業活動における単純接触効果の例です。

「営業は足で稼げ!とにかくお客さんに会ってこい!」
こんな場面…映画やドラマで見た経験はありませんか?
ただの根性論にも感じてしまいますが、実はこの営業方法は意外にも『単純接触効果』の有効的な活用方法の1つなのです。
☑ 定期的に顧客のもとに足を運び、新製品の紹介や相談に乗る
▼
☑ 接触回数が増え、次第に顧客も親近感が湧いてくる
▼
☑ 警戒心が薄まり、好意が増す中で購買意欲も高まる
つまり、定期的にお客さんと顔を合わせて信頼を築くという昔ながらの営業手法の裏には『単純接触効果』が働いているため、”営業は足で稼ぐ”という理論はあながち間違いではないということが分かりますね…!
広告

広告においても、単純接触効果は大きな威力を発揮します。
テレビCMが最も一般的な広告ではありますが、今回ご紹介するのはWebの『リターゲティング広告』。
リターゲティング広告とは『過去にアクセスしたWebサイトに関する商品やサービスの広告を繰り返し配信する』という手法です。
ネットを閲覧していると、“最近見た商品の広告が、いつのまにか表示されていた”…という経験がある方も多いのではないでしょうか?
この手法は【ブランドの認知を高める】と同時に【好感度を高める】ことにも繋がる、単純接触効果の有効的な使い方です。
マーケティング

つづいて、マーケティングにおける使用例をご紹介します。
単純接触効果は特にSNSでの定期的な情報発信と相性が良く、多くの企業で採用されています。
なぜなら、昨今はX(旧Twitter)やInstagramなど、SNSによる情報発信や情報収集が一般的になってきたからです。
企業側のメリットとしては顧客のアカウントに情報を直接、しかも“繰り返し”宣伝できる点が挙げられるうえ、SNSには通知機能も付いているため、より顧客の注意を引くことができ、接触回数も増やせるというわけです!
一方、顧客にとってはお気に入りの企業からの新情報や、オトクな情報が手に入りやすくなるというメリットがあります。
結果として商品やサービスへの関心が向上し、購買意欲も高まるというメカニズムです。
ライティング

最後に、単純接触効果を【ライティング】に応用する方法をご紹介しましよう。
ここでご紹介するライティングとは『文章を書くこと』です!
ライティングで単純接触効果を使用する際のポイントは一貫した文章を書くこと。
例えば…
以下のような例文を読んだとき、あなたはどう感じるでしょうか?
健康のためには運動が大切です。
しかし、運動が嫌いなら無理をしなくて大丈夫。
なぜなら、逆にストレスがたまるからです。
そういった方は家でゴロゴロするほうが健康的でしょう。
いずれにせよ、健康に気を遣うのは重要なことです。
上記の文章はどっちつかずな主張をしているため「結局健康のためにはナニが大事なの?」と読み手に混乱を招いてしまう可能性があります。
これが筆者の伝えたいことが一貫していないときに起こる現象です。
そんな読み手の混乱を避けるためにも、文章を書く際は『自分の主張を一貫させる』ことが重要で、もし上記の例文を修正するなら…
健康のためには運動が大切です。
運動はストレス解消に効果的で、体調を整えるのにも役立ちます。
もし、運動が嫌いな方は、無理のない範囲で生活に取り入れることがポイント。
まずは5分の散歩からでも大丈夫!健康に気を遣うのであれば、運動を習慣にしましょう。
いかがでしょうか?
修正した後の文章では、主張を一貫する中で「運動」というキーワードを自然な文章の流れとして数回”接触”させた構成にしているのはお分かりいただけることかと思います!
結果的に修正した後の文章の方が『健康のために何が重要なのか』を紐づけやすくなっているため、文章で何かを相手に伝える「ライティング」の観点ではこちらの文章に軍配が上がるのです。
そのため、伝わりやすい文書には一貫性のある主張が出来ている傾向に多く、キーワードとなる文言が自然に散りばめられているため、心理学的にも単純接触効果がうまく働かせているケースが多くあるのです。
やってはいけない単純接触効果の使い方

ここまでは、単純接触効果についての定義や例など、基本的な情報〜ビジネスに活用する方法などを解説してきました。
しかし、どんな優れた心理テクニックであっても効果的に活用するためには、ただ繰り返し接触を図れば良いわけではありません。
むしろ好感度を上げるテクニックを使っていたはずが、実は”逆効果になっていた”なんてことも…。
ですが、ご安心ください!
そうならないためにも本セクションでは、単純接触効果を使ううえでの注意点についてもご紹介していきます。
単純接触効果をマイナスにしないためにも、しっかりと頭にとどめて対策をしておきましょう!
接触回数を増やしすぎない

単純接触効果は、回数を増やせば増やすほど効果が高まるわけではありません。
『過剰な接触は、むしろ逆効果』になってしまう可能性があるのです。
例えば…
- ビジネスシーンで1日に何度も営業メールを送信する
- SNSでの過度な投稿
- 執拗な営業電話
これらの状況は、想像しただけでウンザリしてしまいますよね。。
このように接触回数を増やし過ぎると、かえって相手を不快にさせてしまい『マイナスの印象』を与えてしまうのです。
実際、単純接触効果を提唱したザイオンス氏の実験でも、接触回数が10回を超えると効果が低減することが判明しています。
ですので、上限を10回までとした接触で目的を達成できるよう、事前に心がけておくことが重要です。
最初に嫌悪感を持たれていると逆効果

単純接触効果は、最初の接触で嫌悪感を持たれると効果が逆に働いてしまいます。
以下の場面を想像してみてください。
- 約束の時間に遅刻してきた
- 取引先の先方のニーズを失念した状態でのプレゼン
- 不快感を与えるコンテンツを顧客にメール配信
これらは好感度を上げるどころか、相手に悪い印象を与えてしまいます。
初対面の相手に嫌な態度をとられると「もう会いたくないな」と思ってしまいますよね。
これには『初頭効果』という心単純接触効果とは別の理法則が関係しています。
初頭効果とは人は“最初に得た情報や印象”によって、その後の判断や評価に強く影響を受けるというもの。
つまり、最初に嫌悪感を持たれてしまうと、以後の接触ではマイナスの印象を積み重ねてしまうのです。。
こうなると、せっかくの単純接触効果も水の泡。
嫌いな相手を好きになることがとても難しいのは、想像に難くないでしょう。
そのため【第一印象はとても大事】ということですね。
もちろん、第一印象だけでなく毎回良い印象で接触をつづけることが大切ですよ!
接触期間を開けすぎない

最後の注意事項です。
単純接触効果を維持するためには、接触期間を開けすぎないことも重要になってきます。
【 接触期間を開けすぎた例 】
- SNSでは半年に1回しか更新しない、投稿しない
- 気になる人とは2ヶ月に1回しか会わない
- メルマガの送信は3ヶ月に1回しか送らない
このように、接触期間が開きすぎるとそもそもの印象が相手に残りません。。
先述したように”回数の増やしすぎ”も良くないのですが「接触期間を開けすぎる」ことも、単純接触効果を薄めてしまうのです。
つまり、不快感を与えないようにしながらも、相手の反応を見ながら接触頻度を調整していくことが重要となります。
適切な接触期間の目安は、本ページ下部の「よくある質問」にて解説しています!
知っておきたいその他の行動心理学は?
単純接触効果のほかにも、実は日常生活やビジネスで使われている心理効果はたくさんあります。
単純接触効果に加えて、これから紹介する心理法則は特に『行動心理学(行動経済学)』という学問で研究されてきました。
以下に簡単な例をご紹介しましょう!
スノッブ効果

スノッブ効果とは『他人とは違うものを求めてしまう心理効果』のことです。
日本語では『希少性の原理』と呼ばれることもあります。
例えば…
- 先着100名様限定
- タイムセール実施中(15時まで)
- 完全非売品
…というように、多くの方の興味を惹きつける言葉はスノッブ効果の影響によるもの。
主にマーケティングで威力を発揮する心理効果とも言えるでしょう。
より詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。
カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、どんな雑多な環境でも、自分に関係する情報は無意識にその内容が目や耳を通して入ってくるという性質を利用し、主にセールスライティングなどで活用されている心理効果です。
読者に「これは自分のコトだ!」と思ってもらうように誘導することで、強烈な興味を引くことができるのです。
例えば…
【学習塾のチラシ広告】
A:「子どもの成績を上げたい方必見!」
○○塾で次のテストの点数を良くしませんか?
B:「子どもの成績を上げたいお母さん必見!」
〇〇塾で次のテストの点数は褒めてあげませんか?
AとB、どちらもカクテルパーティー効果を使っていることには変わらないのですが、Bの方がカクテルパーティー効果をより濃く使っています。
A「子どもの成績を上げたい方」→B「子どもの成績を上げたいお母さん」
A「次のテストの点数を良くしませんか?」→B「次のテストの点数は褒めてあげませんか?」
このように、ターゲットとなる人物の思考を文字で体現させることで”自分ごと”のイメージをより強く持たせられるため、実は文章を書くうえでも、心理学効果を活用することは非常に有効となっています!
カクテルパーティー効果についてもっと知りたい方は、下記の記事内をご確認ください。
バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、多くの人が支持するものには、さらに多くの支持が集まる現象のことです。
身近な例では…
- 行列ができているラーメン屋が気になってしまう
- 動画サイトで再生回数の多い動画を見てしまう
- 人気ランキングNo.1の商品を購入してしまう
などなど…!
実はあなたも知らないうちに、バンドワゴン効果の沼にハマっているかもしれません
詳細が気になる方は、ぜひこちらの記事をご確認くださいね。
番外編:筆者が行動心理学を学んだ方法

今はこのように記事を書いている筆者ですが、ライターとしてデビューし始めたばかりの頃は自分の文章にこれといった武器がなく、悩みを重ねる日々でした。
しかし、Online ApC Academyで『行動心理学』という学問をライティングにプラスアルファで学んだことで、”自分の武器となる文章”を書けるようになったのです。
日本屈指のコピーライター・Webライターを専門的に育成しているオンラインスクール。
例えるなら、鉛筆で白黒のラフ画しか描けなかった素人の自分が、絵具の使い方を教わって『色とりどりの風景を描けるプロの画家』になったような感覚です。
そんな筆者はライターとして活動をしながらも、いまもまだ学び続けているのですが、少しでも行動心理学に興味があり”人生を変える武器としてライターを始めてみたいと考える方に朗報”です!
筆者も学んでいるOnline ApC Academyでは、現在LINEの友だち追加をするだけで『実践的な資料・特典』が受け取れ、さらには現役のライターが講師として個別添削もしてもらえる【無料トライアル】を開催しています!
もしご興味のある方は以下の画像からご参加してみてください!
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また、Online ApC Academyに関してより詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしていただけますと幸いです!
まとめ
今回は『単純接触効果(ザイオンス効果)』について、その定義から活用方法、注意点まで詳しく解説してきました。
最後に簡単な復習です!
単純接触効果とは、繰り返し接触することで好感度や親近感が高まる心理効果のことでした。
これは恋愛やビジネスなどの人間関係だけでなく、商品や音楽などの物にも効果が発生します。
また、接触回数の上限は約10回程度。過剰な接触は避け、適切な期間で良い印象の接触をするよう注意しておきましょう!
本編の内容は以上となります。今回の記事をご覧いただいたことで『単純接触効果』について少しでも理解が深まったのであれば幸いです。
ぜひ、単純接触効果を上手に活用して、あなたが理想とする人間関係や仕事の成果を手に入れてくださいね!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
【単純接触効果】に関するよくある質問

本セクションでは、単純接触効果に関する『よくある質問』を『Q&A』形式でまとめています。
ぜひ単純接触効果を実際に活用する際の参考にしてくださいね!
Q.単純接触効果を使っていることが、周りの人にバレませんか?
A. 単純接触効果は脳の自然な反応ですので、基本的にはバレないと考えて大丈夫です。
むしろバレることを気にするよりも、本記事の「やってはいけない単純接触効果の使い方」でご紹介したNG行為をしないことが、成果を出すうえでは重要となります。
Q.単純接触効果はどのくらいの回数で効果が表れますか?
A. 状況や個人差によって異なりますが、7回程度の接触から効果が強まるという説が有力視されています。
ただし、接触回数が10回を超えると効果が薄まる可能性が高くなりますので、約7~10回を目安に活用してみてください。
Q.適切な接触期間の具体例はありますか?
A. 例えば、恋愛においては自然な形で週に1〜2回程度会うことが効果的とされています。
また、最低でも15日に1回は接触しないと効果が薄れていくとも言われているので、その点はご注意ください。
他にも、企業のSNS運用(Xの場合)は最低でも1日1回の更新。
理想は毎日3~5回の投稿と言われています。
