『PASONAの法則』『新PASONAの法則』とは、商品やサービスを販売する時に役立つ『文章構成の型(テンプレート)』です。
『新・旧』と2種類のPASONAの法則がありますが、どちらも本質的には同じ役割をします。
「Webページからの売り上げが伸びない・・・」
「自社のサービスに申し込んでもらいたいけど、文章の書き方が分からない・・・」
このようにお悩みの方はぜひ身につけておきましょう。
そして、本記事では「PASONAの法則とは?」「新PASONAの法則とは?」といった基本的なことから「PASONAの法則を使った例文」「PASONAの法則を使うメリット・デメリット」について詳しく解説します。
また、「PASONAの法則(旧新)を習得するために有効な練習方法」もご紹介しますので、参考にされてください。
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PASONAの法則とは?
PASONA(読み:パソナ)の法則とは、消費者にこちらの望む行動を促すための「文章構成の型」です。
1999年、日本を代表するマーケター神田昌典氏が日本で初めて考案し、以来、売れる文章の法則としてマーケティング業界では広く知られています。
そんなPASONAの法則の文章構成は、以下の5つの要素から成り立っています。
P:Probrem(問題の提起)
A:Agitation(扇動・問題の炙り出し)
SO:Solution(解決策の提示・証拠)
N:Narrow down(限定・緊急・絞り込み)
A:Action(行動)
「PASONAの法則」は、上記の各要素の頭文字をとった略語です。
また、文章を「P・A・SO・N・A」の順番通りに書くことで、読み手の心に届く文章が書ける構成になっています。
PASONAの法則を活用できるようになると、セールスレター、メルマガ、SNS、ダイレクトメールなど様々な媒体で結果を出せる文章が書けるようになるでしょう。
それでは、それぞれの要素を詳しく見ていきます。
Problem (問題の提起)
まず、読み手が抱えている悩みや不安などの問題を提起します。
ポイントは、読者に「自分のことだ」と思ってもらうことです。
Agitation (扇動、問題の炙り出し)
次に、その問題は「なぜ問題なのか?」といった、問題の根拠と理由を提示します。
ポイントは、問題をストーリーで示すなど読み手がイメージしやすいように書くことです。
このように具体的に示すことで、読み手は問題点をより認識しやすくなります。
Solution (解決策の提示、証拠)
ここでは、先ほど示した問題点を解決できる方法を提示します。
ポイントは、その方法で解決できるという証拠(エビデンス)を必ず伝えることです。
証拠(エビデンス)には以下のような内容を入れるといいでしょう。
- お客様の声(実際に利用した人の口コミ)
- 推薦の声(芸能人や人気YouTuberなど)
- 実績が分かる画像や動画(紹介する商品やサービスの実績)
- 科学的証明(大学や企業の実験結果など)
- 実績(雑誌に掲載された、賞を受賞したなど)
このように、解決策と併せて証拠を提示することで、読み手の解決策への興味をさらに高めることができます。
Narrow down (限定、緊急、絞り込み)
解決策と証拠を提示したら、次は限定性や緊急性、絞り込みを行うパートです。
具体的には、〇〇個限定、〇〇名様限定、期間限定などを提示します。
ポイントは、読者が「今すぐ買わないと損をする」という気持ちになるよう伝えること。
筆者もそうなのですが「この商品は今の期間だけ!」などと言われると、人は急いで行動したくなるものです。
逆に、限定性や緊急性が感じられない場合は「また今度でもいいか」と思いがちなので、ここはしっかりと伝えましょう。
またこのパートでは「紹介する商品やサービスを喜ぶ人はどんな人なのか」という、人の絞り込みも大切です。
Action (行動)
最後に読み手の行動を促します。
ポイントは、こちらがとって欲しい行動を具体的に伝え読者の背中を押すことです。
例えば「お申し込みボタンはこちら」「下記のフォームからお申し込みください」など…とって欲しい行動は読者にわかりやすく、ハッキリと明記しましょう。
新PASONAの法則とは?
新PASONAの法則とは、2014年に変更を加えられた、いわば現代版のPASONAの法則です。
ここでは、旧PASONAの法則と変わらない要素は省き、新PASONAの法則で変更された要素のみをご紹介します。
新PASONAの法則|変更点2ヶ所
変更された要素は「A:Agitation」と「So:Solution」の2ヶ所です。
【 変更前 】 | 【 変更後 】 |
A: Agitation(扇動) | A: Affinity(親近感) |
SO: Solution(解決策) | S: Solution(解決策) |
ー | O: Offer(提案) |
上記の表のように、Agitation(扇動)はAffinity (親近感)へ変更されています。
さらにSolution(解決策)は、Solution(解決策)と提案(Offer)の2つの要素に分かれました。
それでは、上記2か所の変更によって何がどのように変わったのか、それぞれの要素を見ていきましょう。
Affinity(親近感)
問題を提起した後のAffinity(親近感)のパートでは、読み手の悩みや不安に寄り添い共感します。
ポイントは、読み手に「自分の悩みをわかってくれている」と親近感を抱いてもらうことです。
できるだけ、具体的に状況をイメージできるように書きましょう。
Offer(提案)
Solution(解決策)で悩みへの具体的な解決方法と証拠を示したら、次は提案のパートです。
ここでは紹介したい商品やサービス、また価格や特典など具体的な内容を示します。
ポイントは、読み手に「この解決策は意外と取り入れやすい」と感じてもらうことです。
旧PASONAの法則との違いは?
旧PASONAの法則との違いのひとつ目は、PASONAの法則の本来の意図がライターに理解しやすくなったことです。
本来、PASONAの法則は「問題を深く掘り下げて読者の共感を誘う」という目的がありました。
新PASONAの法則に変更されたことにより、PASONAの法則の意図がライターにわかりやすくなったことは大きな違いといえるでしょう。
ふたつ目の違いは「読み手側の感じ方」です。
親近感(Affinity)への変更と提案(Offer)の追加により、丁寧な流れに改善されたため、読み手は「自分の気持ちをわかってくれている」と親近感を抱き「解決策は自分にとって役に立つもの」と感じやすくなりました。
ただ、旧PASONAの法則も新PASONAの法則も、人を行動へと促すための大変有効な文章構成であることに変わりはありません。
そのため、商品やサービス内容によって使い分けることが大切です。
PASONAの法則(旧新)を使った文章【例文】
PASONAの法則のメリットとデメリットについて解説したところで、次は、実際にPASONAの法則(旧新)「使用した文章の例文」を3つご紹介します。
PASONAの法則を「使用しない例文」も併せてご紹介していますので、どういう違いがあるのか一緒に見ていきましょう。
①申し込みを促す(旧PASONAの法則)
最初にご紹介するのは、旧PASONAの法則を用いた「申し込みを促す文章」です。
まずは法則を使用しない例文をご覧ください。
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上記の例文では、問題点が抽象的であることから、読者はイメージが湧きづらいのではないでしょうか?
そのうえ期間や個数などの限定性がなく、またお得感も感じられないためお申し込みにつながりにくくなります。
次に、法則を取り入れた例文をご覧ください。
P: 共働きで、毎日の夕食作りにクタクタではありませんか?
A: 疲れているうえに時間に追われると、家族団らんどころではありませんよね。
ご主人やお子さんにも、ついついキツい口調になってしまいがちです。
SO: そんなあなたにおすすめしたいのが、〇〇食材宅配サービスです。
カットした食材がそのままご自宅に届くため、買い物に行く時間もメニューを考える時間も必要ありません。
N: 今なら1,000セット限り、5,000円相当の食材が980円でお試しできます。
A: なくなる前に、今すぐお試しください!
上記の例文の場合、問題を掘り下げているため夕食作りの慌ただしさもイメージしやすく、共働きの主婦は自分のことと思いやすいですよね。
さらに、期間限定、数量限定などを提示し、最後に背中を押しているためお申し込みにつながる確率はグンと伸びるでしょう。
②申し込みを促す(新PASONAの法則)
次にご紹介するのは新PASONAの法則を用いた「申込みを促す」ための文章です。
はじめに、法則を使用してい
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上記の例文では、そもそも誰に向けた文章なのかを明記していないため、読んだ人は自分のことと思わず、すぐにページを閉じてしまうかもしれません。
それでは、次に新PASONAの法則を使用した文章をご覧ください。
P: 英会話を身に付けたいけど英語は苦手、どうすれば英語を話せるようになるの…とお困りではありませんか?
A: 私も英語は苦手で、学校の成績はクラスでも下の方でした。
S: そんな私がわずか30日間で英会話をマスター したのが、〇〇英会話スクールです。
O: 申し込まれた方には、ネイティブ講師との直接オンラインレッスンを無料で受講できるという特典付き!
N: オンラインレッスンは、通常価格1回 3,000円のところ7回無料で受けられるので、21,000円もお得です。
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A: この機会に英会話をマスターしたい方は、こちらからお申し込みください。
上記のように最初に誰に向けた文章なのか明確に伝えると、読者に自分ごとと感じてもらいやすくなります。
さらに、問題を具体的に提示しイメージしやすくするため、人は親近感をもって先へと読み進めてくれるでしょう。
③ 商品をオススメする(新PASONAの法則)
最後に、新PASONAの法則を用いて『商品をオススメしたい場合の文章』をご紹介します。
まずは法則を使用していない例文からご覧ください。
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上記の例文では、お得感はあるものの緊急性がないため、読んでいる人は「また今度でもいいかな」と思ってしまい、購入に至らない確率が高まります。
続いて、新PASONAの法則を使用した例文をご覧ください。
P:あなたは日々のデスクワークで、目の疲れに悩んでいませんか?
A:私も、目の奥に痛みを感じるなどの症状が現れはじめ、目の疲れを取るストレッチをしても一向に症状が改善せずに悩んでいました。
S:しかし、この〇〇というマッサージ機能付きのアイマスクを使ってからは徐々に楽になり、2ヶ月経った今では、ほとんど気にならなくなりました。
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上記の例文では、悩みに共感しているため読み手は親近感を感じやすくなり、興味を持って読み進められます。
さらに、期間限定や人数限定の特典などを提示しているため、すぐにボタンを押すなどの購入につながるでしょう。
PASONAの法則(旧新)を使うメリット・デメリット
それではここからは、PASONAの法則(旧新)を使う際のメリットとデメリット について解説いたします。
PASONAの法則を有効に活用するためにも、ぜひ理解しておきましょう。
PASONAの法則を使うメリット
PASONAの法則を使うメリットは、おもに以下の3つが挙げられます。
① 文章で商品やサービスを販売できるようになる
② 成約率(コンバーション率)を上げられる
③ 長文でも最後まで読まれやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
文章で商品やサービスを販売できるようになる
PASONAの法則のメリットの1つは、文章のチカラで商品やサービスを販売できるようになることです。
この法則は読み手の気持ちに理解を示し感情に訴えかける文章構成になっているため、読んでいる人は「自分のために有益な情報を教えてくれている」と感じます。
そのため、読み手は紹介している商品を購入したり、サービスに申し込むなどの行動を取りやすくなるのが、PASONAの法則のメリットです。
成約率(コンバーション率)を上げられる
PASONAの法則を活用すると、成約率(コンバーション率)を上げられるというメリットがあります。
それは、まだ問題だと気づいていない人に対しても「自分のことだ」と認識されやすくなり、そのうえ、最後の行動まで流れるように読み進めるためです。
そのため、今すぐ問題を解決したい人からまだ問題と気づいていない人まで幅広い人に響き、こちらが望む行動につなげることができるでしょう。
長文でも最後まで読まれやすい
PASONAの法則で書いた文章は、長くても最後まで読んでもらいやすいというメリットがあります。
それは、この法則の文章構成が「何を・どういう順序で」伝えた時に人は反応するのかという考えをまとめたものだからです。
最後まで読んでもらえるとサイトの滞在率も上がるため、Googleの評価もよくなり、その結果、さらに多くの人に読まれやすいという効果も期待できます。
PASONAの法則を使うデメリット
PASONAの法則を使うデメリットは、おもに以下の3つが挙げられます。
① 間違った使い方は逆効果になる
② 販売を目的としない場合は適さない
③ 短時間で伝えたい場面には適さない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
間違った使い方は逆効果になる
この法則は、販売やサービスの申し込みなどに強力な効果のある法則ですが、間違った使い方をすると
『読み手に不信に思われる』『反感をかう』など…良い結果を生みません。
というのも、PASONAの法則は相手の気持ちに寄り添うことが何よりも大切ですが、寄り添いを通り越して購入を煽ってしまうと、顧客と良い関係を築くことができなくなるのです。
そのため、PASONAの法則の効果を発揮したいのであれば、法則を正しく理解し、正しく活用することが“最重要事項である”と言えるでしょう。
販売を目的としない場合は適さない
PASONAの法則は、販売や申し込みなどを目的としない場合には適さないというデメリットがあります。
たとえば、情報を伝えることが目的のサイトでは『結論ファースト』の文章が好まれますが、PASONAの法則の始めのセクションは問題の提起。
結論ファーストの文章からは遠ざかってしまいますよね。
もちろん伝え方次第では活用できる場合もありますが、文章の意味や目的を履き違えないようにすることが、この法則を活かすポイントとも言えるのです。
短時間で伝えたい場面には適さない
PASONAの法則は、短時間で物事を伝えたい場面には適していない点もデメリットといえます。
この法則は、読み手の感情に訴えかけながら最後に行動を起こしてもらう構成のため、長文になりがちです。
文章構成の向き不向きを理解して、上手に活用しましょう。
PASONAの法則(旧新)を習得するために有効な練習方法
PASONAの法則を活用するうえでのメリットとデメリットについて、お分かりいただけたでしょうか?
ここまででPASONAの法則についての理解を深められたかもしれませんが「実際に活用するにはまだ時間がかかりそう…」と感じている方も多くいらっしゃるかと思います。
そこで、本セクションではPASONAの法則を習得するために有効な練習方法を3つご紹介します!
① テンプレートを作る
② 行動心理学を勉強する
③ 本を読む
こちらも詳しく見ていきましょう。
テンプレートを作る
慣れないうちは以下のようなPASONAの法則(旧新)のテンプレートを作り、当てはめて書く練習がとても有効です。
【PASONAの法則(旧新)| テンプレート】 | ||
新PASONAの法則 | 旧PASONAの法則 | |
P | Problem (問題の提起) | Problem (問題の提起) |
A | Affinity (親近感をもたせる) | Agitation (扇動・問題のあぶり出し) |
S | Solutinon (解決策と証拠の提示) | Solutinon (解決策と証拠の提示) |
O | Offer (解決策への提案) | ー |
N | Narrow down (限定、緊急、絞込み) | Narrow down (限定、緊急、絞込み) |
A | Action (行動を促す) | Action (行動を促す) |
上記のように、PASONAの法則の新バージョンと旧バージョンのテンプレートをそれぞれ用意しておき、各要素に当てはめる練習をひたすら繰り返しましょう。
新旧どちらも理解しておくことで、どんな商品やサービスを紹介するときでも、読者に刺さる文章を書けるようになります。
行動心理学を勉強する
PASONAの法則の発案者である神田昌典さんは『PASONAの法則』について「感情マーケティング」と言っています。
人がどういう時にどういう感情になるのか、時代は変わっても人の感情の動きはあまり変わらないということは、マーケティング業界で広く知られている定説です。
また「人が買い物をするのは理性ではなく感情」ともいわれているため、行動心理学を勉強するのは、とても良い練習方法といえるでしょう。
行動心理学を勉強するには、本を読んだり、またスクールで学ぶなどの方法があります。
本を読む
PASONAの法則を使って書かれている本を読むことは、とてもいい練習になります。
それは、PASONAの法則が使われている文章にたくさん触れることにより、意識せずとも自然に身に付くからです。
また、本を多く読むほどこの法則を深く理解できるようになり、あなたが書く文章はより結果を出せる文章へとブラッシュアップされます。
そのため、PASONAの法則を使って書かれている書籍を読むことは有効な練習方法といえるでしょう。
- プロ講師によるマンツーマンの相談サポートつき!
- 読むだけで技術が身につく『テキストブック(全8巻)』
- ライターの実情を紐解く『講義動画(全4本)』
- 約14日間の完全無料トライアル
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PASONAの法則(旧新)は人に寄り添い人を動かす法則
PASONAの法則は、購入や申し込みなど読み手の行動を促す際に効果を発揮する文章の法則です。
そして、PASONAの法則で重要なことは、読み手の気持ちに寄り添うことの一点に尽きます。
PASONAの法則としてまとめられた文章構成の要素を順番通りに伝えれば、読み手の背中をしっかりと押すことができるでしょう。
当記事ではPASONAの法則について詳しく知りたい人に向けて、基本的なことから、例文、活用する際のメリット・デメリット、習得に有効な練習方法などをご紹介しました。
「人を動かす文章術」を身に付け成約率を上げるためにも、本記事を参考にしていただければ幸いです。