あなたは成功するライターの共通点を知っていますか?
その答えは、彼らの”ある共通意識”にあります。
その共通意識というのは『トンマナ』にまつわるもの。
市場価値の高いライターであればあるほど、このトンマナをないがしろにすることはありません。
とはいえ、言葉自体は耳にしたことがあっても、実際のところ何のことだかよく分からない・・・という方もいらっしゃることでしょう。
そこで本記事では、
・文章におけるトンマナとは何か?
・トンマナを統一する理由
・実際に使われている例は?
といった基礎知識から実用ノウハウに至るまで、余すところなく解説します。
この記事を読んでトンマナについて理解し、クライアントから指摘されなくても自然とトンマナを合わせられる上級ライターを目指していきましょう!
文章のトンマナとは?
トンマナとは「tone(トーン)&manner(マナー)」の略語であり、直訳すると「調子と作法」となります。
一語一語の意味はこの通りなのですが、それを知ったところで「なるほど、トンマナってそういう意味なんですね!」と納得できるかというと、正直そうでもないですよね…。
一般的にトンマナは「統一感を打ち出すためのルール」であり「世界観をつくりあげるためのガイドライン」と言い換えることもできます。
トンマナはもともと、広告・出版業界におけるデザインや文章を書く上での基本的なルールとして認識されていました。
・ことばの選び方(使用禁止言葉、積極的に入れたいキーワードなど)
・全体の雰囲気(柔らかい、洗練された、高級感漂うなど)
・文語/口語の統一(書き言葉、話し言葉のどちらを使うか)
こういったものを統一させることで、企業が作り出す世界観に読者や消費者を没入させることができるのです。
ライターとして活動していると、クライアントから一定の「表記ルール」を指定されます。
詳しくは後述しますが、具体的には
・「ですます調で書いてください」
・「漢字は◯%程度にしてください」
・「友達に話しかけるような口調で書いてください」
といったものになり、こうしたクライアントからの指示は、どのライターが記事を書いてもサイト全体の雰囲気がまとまるようにするためにあるもの。
これこそが「文章のトンマナを合わせる」ことになるのです。
トンマナの意義
トンマナのことばの意味を理解していただいたところで、次にトンマナを合わせることでもたらされるメリットを解説していきましょう。
結論からいうと『トンマナを合わせる』ことで、世間に向けて企業側が狙った印象付けができるという点がメリットになります。
これがいわゆるブランディング1と呼ばれるものです。
※1 ブランディング:一定のコンセプトに基づいた世界観を構築することで、企業価値あるいは商品価値、サービス価値の確立とイメージアップを狙うマーケティング戦略
ブランディングに成功している事例
「印象付け」についてイメージしやすいように、ブランディング戦略の成功事例を挙げるならば、東京ディズニーランドがまさしくそれにあたるでしょう。
- エリアごとに異なるテーマを再現した建築物
- 従業員のコスチューム
- キャラクターを模したフードメニュー
- パークを経由する電車の装飾
- 最寄り駅とパーク間の道路設計
といった数えきれないほどの凝った演出はすべて、ディズニーの世界観を忠実に表現しブランディングを確立させるためのもの。
これこそがまさに、トンマナを合わせたことによるマーケティング戦略の真骨頂なのです。
引用元:東京ディズニーリゾート公式HP
文章のトンマナを合わせる理由
では、広告内やサイト内の文章においてトンマナを合わせることにはどのような理由があるのでしょうか?
よりわかりやすくお伝えするために
- 企業
- 消費者
- ライター
の3つの視点で下記のようにまとめました。
サイトや企業のブランディングの一環
先ほど「成功事例」でお伝えしたように、トンマナを合わせることで、発信する企業側はブランド独自の世界観を構築することができます。
例えば、一貫して博多弁で広告を打ち出し続ける企業があったとします。
手を変え品を変え、テレビCMもポスターも自社サイトも全て博多弁で統一されています。
いつしか、見た人は博多弁の広告を見ると「あの会社かな?」とイメージできるようになるのではないでしょうか。
『トンマナを合わせる』ということは、このように読者や消費者に「あの会社の広告かも」とイメージさせやすくするという意味で、ブランディングの一環と言えるのです。
読者が感じる「小さなストレス」の払拭
トンマナを合わせることは、消費者・読者の小さなストレスを払拭することにもつながります。
文中に出てくる一人称が「私」だったり「俺」だったり「筆者が」だったりすると、読者は書き手が何人もいるように感じてしまい、混乱しますよね。
同じように、文末表現が「です・ます調」から急に「だ・である調」に変わっても違和感をおぼえます。
ささいなことのようですが、こうした読者の小さな違和感がストレスとなって、広告文章やサイトから離れる一因にもなってしまうのです。
トンマナを合わせることによるライター側のメリット
ここまで、トンマナを合わせることによる企業側のメリットと消費者側のメリットをお伝えしましたが、文章の制作者側であるライターにもその恩恵が生まれます。
正直に言うと、それぞれのクライアントから指定されるトンマナのルールに慣れるまでは、多少時間がかかります。
しかし一度慣れてしまえば、文章を書くうえで以下のような小さなことにいちいち迷わなくてすむのです。
・「です・ます調で書くのか」「だ・である調で書くのか」
・数字は半角なのか全角なのか
・フォントの形や大きさはどうするのか
迷わず書ける、ということは執筆時間が短縮されることにもつながり、的確に執筆が進められるということ。
つまり、トンマナを合わせることはライターにとっても効率的に執筆が進むというメリットがあるのです。
トンマナが意識されているWebサイトの参考事例【3選】
トンマナの意味と意義についておわかりいただいた一方で、読者の方の中にはトンマナがあくまで抽象的な概念であることにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません…。
そこで「トンマナを合わせる」ことについて感覚的に理解できるよう、実例としてわかりやすいWebサイトを3つご紹介します!
① ケンタッキーフライドチキン
引用元:ケンタッキーフライドチキンHP
ケンタッキーフライドチキンのホームページやメニューを見るとぱっと目につくのが、配色の一貫性です。
配色は上記の画像をご覧いただくと分かる通り、基本的には赤と白のツートーンで統一されています。
これを色彩心理学の観点からお話しすると、
赤:食欲増進、情熱、活力
白:清潔、純真
といった心理作用をそれぞれもっています。
赤はフライドチキンの商品イメージとぴったりマッチし、白はフードサービス企業が社会から求められる、安心と安全性の提供という使命を示唆しています。
このことからも、フードサービス企業のコンセプトと色彩効果が一致している、つまりトンマナが合っていることがわかります。
② ハーゲンダッツジャパン
引用元:ハーゲンダッツジャパンHP
こちらサイトの写真や構図、文章は、シンプルで落ち着いたデザインに統一されています。
その意図は「子どもだけでなく、大人も満足できる高品質(素材を楽しむ)なアイスクリーム」という企業コンセプトを体現すること。
商品紹介の文言も、トンマナが一貫しています。
だれにとっても美味しいと感じるような質の高さを、端的かつ感覚を刺激する表現で示していることが、下記まとめからおわかりいただけるでしょう。
引用元:ハーゲンダッツジャパンHP
このように、ハーゲンダッツジャパンのWebサイトでは、素材重視の高品質で特別感のあるトンマナ合わせがなされています。
③ 新江ノ島水族館
引用元:新江ノ島水族館HP
ご覧のように、Webサイトは青と白を基調としており、だれがみても海を連想するデザインですよね。
また、黒色にみえるフォントの色も、よくよく見れば深い青という徹底ぶり!
青の色調の変化や、躍動感のある写真によって、自然豊かな海の神秘性と魅力が伝わってきます。
キャッチコピーからも「命の学びを通して、未来をつくる」という水族館のコンセプトをダイレクトに受け取ることができます。
このようにトンマナを合わせることで、海の世界観や水族館の想いを発信する役割が際立ってくるのです。
以上、トンマナの統一が意識されているWebサイトを3つ解説しました!
企業のWebサイトのデザインには、トンマナが色濃く関係していることをおわかりいただけたでしょうか?
こうして見ると、トンマナの統一は各々のデザイン次第なのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに世界観を作り上げるために、色味、レイアウト、画像、モーションなど、デザインが大きく影響することは事実です。
しかし実際のところ、いくら巧妙なデザインで世界観を作り上げていたとしても、そこに伴う文章次第では良くも悪くもなってしまいます。
つまり、ライターは ”ことばの力” でトンマナを合わせ、読者を引き込む世界観を構築しなければならないのです。
そこで次のセクションでは、ライターとして押さえるべきトンマナ合わせのポイントをお伝えします!
文章内でトンマナを合わせるためのコツ【5選】
先述したように、クライアントである企業がトンマナを合わせることの重要性を把握している以上、ライター側も文章のプロとして、徹底した一貫性を意識しなければなりません。
そこでここからは、ライティングに特化したトンマナ合わせのコツを解説します。
ライターとして絶対守りたい5つのポイントをお伝えするので、あなたのライティングにぜひお役立てください。
① 表記を統一する
『表記』とは、つまり書き表わし方のこと。
この表記が1つの文章媒体の中に異なる形で複数あることを【表記ゆれ】と言います。
そして、ライティング業界では、この表記ゆれがある文章は「良くない文章」と判断されます。
なぜならば、表記に統一感がないと、読み手に伝わりにくくなってしまうからです。
例としてこちらの文章をご覧ください。
わたしはライターです。
この仕事を通して、私は多くの経験と学びを得ているところです。
それはときに、ワタシの人生の教訓にもなり得ます。
内容が頭にすっと入らず、なんだか混乱しますよね。
・わたし
・私
・ワタシ
表記が統一されていない場合は「あえて表記を変えていることにどんな意図があるのだろう?」といった疑問や「登場人物は1人で合っている?」というように、この文章の要点とはまったく別のポイントに意識が向いてしまいます。
結果として、伝えたいことが読み手にきちんと伝わらないという、残念な事態におちいってしまうのです…
したがって、表記には必ず一貫性をもたせるようにしましょう!
また、以下に表記ゆれが起こりやすいポイントをまとめたので、ライティングの際は下記事項に注意してみてください。
漢字、かな、英語、略語、名詞の表記
ことばの表記の仕方に違いがあると、読み手は「それぞれの表記で意味合いが異なるのではないか」という疑問や誤解をもってしまうことがあります。
読み手の混乱をなくすために、細かい部分にまで気を配った表記の統一を心がけましょう。
見落としやすいポイントを下記にまとめたので、参考にしてください。
表記 | 例 |
漢字・ひらがな | 伝える/つたえる |
送り仮名 | 取り扱い/取扱い |
カタカナ | コンピュータ/コンピューター |
カタカナ・英語 | ウェブ/WEB/Web/web |
略語 | リハビリテーション/リハビリ |
名詞 | 友達/友だち/ともだち/トモダチ |
数字の表記
数字を入力するとき、半角か全角か迷うことがありますよね。
場合によっては漢数字という選択肢があることも…
ライティングに関して言うと、半角数字の使用が一般的なルールとされています。
そのため、基本的には半角数字にそろえるよう心がけましょう。
(とはいえクライアントから全角を指定されることもあります)
記号の表記
半角か全角かでいえば、記号に関しても同じことがいえます。
「!」とするか、「!」とするか、など…
そもそも「文章中の記号の使用はNGです」というライティング案件もあります。
したがって、記号の使用については、クライアントへの事前確認が大切です。
② 文字数を統一する
文章の読みやすさは、一文の長さにも大きく関係しています。
原則として、一文の長さの理想は「40〜60字」。
文章内にアレコレ詰め込もうとするとどうしても1文が長くなりがちですが、ひとつの指標として念頭に置くとよいでしょう。
また一行の長さ、つまり文章のひと区切りを均一にすることも、読みやすい文章になる秘訣です。
例えば、一行ごとに50字、500字、80字と長さがバラバラの文章だと、文章全体が読みにくくなってしまいます…。
情報量やメッセージ性にかたよりのある文章は、読み手にストレスを与えかねません。
読み手がストレスを感じない文章を書くために、文章の内容だけでなく文章の形式も意識しましょう。
全体の文字配分はどうすればいい?
文章の多くは、
・タイトル
・導入
・各見出し
・まとめ
といったセクションによって構成されています。
あらかじめ各セクションごとの文字数を決めておくと、全体的なバランスのとれた読みやすい文章になります。
配分を決めるために、まずは文章全体の文字数を確認しましょう。
仮に10000字程度の文章であれば、
タイトル | 30字 |
導入 | 200字 |
各見出し | 見出しの内容に合わせて配分 |
まとめ | 200字 |
と、このように目安をつけると、読み手にとって読みやすいだけではなく、書き手側のあなたも文章全体における各セクションの立ち位置が把握できて執筆しやすくなるでしょう。
③ 「話しことば」と「書きことば」を統一する
文章の表現方法は、口語と文語に振り分けられます。
いわゆる「話しことば」と「書きことば」ですね。
ひとつの文章内に話しことばと書きことばが混在していると、読み手に大きなストレスを与えることになります。
下記の文章を読んでみてください。
今回、私がご紹介するのは、
ダイエットに効果的なメニューをまとめた〇〇社出版のフィットネス本です。
ダイエットに関しては、
「健康のために痩せたいけど、食事制限は辛い…」
と、多くの方が悩みを抱えていらっしゃることでしょう。
それに、ストレスで病気になっちゃったら大変である。
ということで、自宅で手軽に楽しめる「ながらフィットネス」をまとめたのがこの本。
実は、実際にオレもやってみたんだけど、じんわりと汗をかいて気持ちもすっきりしました。
これまで何度もダイエットに挫折してきた僕の、イチオシ本です。
いかがでしょうか?
非常に読みづらいですよね…。
まず文章の語り手が、「私」「オレ」「僕」と統一されていない上に、口語と文語が混ざっています。
すると、語り手は1人なのか?複数いるのか?あるいは誰の発言なのか?といった情報整理がまったくできません。
さらには、語り手と文章全体の雰囲気がつかめないため、読む側としてはどういった心もちで読むべきなのかもわからずじまいです。
このようにまとまりのない内容や求められる雰囲気と合わない表現は、文章のクオリティを著しく低下させてしまうのです。
したがって文章を書く前に、
- サイトのデザイン
- クライアントの求めるイメージ
- コンセプト
に合わせて、口語と文語のどちらに一貫させるかを決めておきましょう。
ご自身の中で、口語文語の認識が曖昧になっている表現があれば、その都度確認することも大切です。
④ 文章を読むターゲットに内容を合わせる
前項で、文章を書く前にクライアントの視点に合わせることをお伝えしましたが、大切な視点がもうひとつあります。
それは、クライアントのターゲットである読み手の視点です。
初心者向けの学習サイトで難解な専門用語を駆使したり、高級レストランの紹介記事を書くのにカジュアルな言い回しをすると、読み手の共感を得にくくなってしまいます。
そのため、これからあなたが書く文章を読む人(=ターゲット)は、どのような人なのかを追究する必要があるのです。
ターゲット像を把握する際は、
- 年齢層
- テーマに対する理解レベル
- 専門知識の有無
- 理想とする状況、状態
- 抱える悩み
などのポイントからイメージを絞ると、その姿を再現しやすくなります。
ターゲット像を把握できれば、
「どんな言い回しが適切か?」
「どんなワードがターゲットの共感を得やすいか?」
という目線から、言葉をふるいにかけることができます。
このように読み手を惹きつける文章は、ターゲットを理解することで生まれるのです。
⑤文章のレイアウト・ フォントを統一する
ここまででお伝えしたトンマナを合わせるコツは、文章を読む上での内面的な要素でしたが、最後に文章の外面的な要素にまつわるコツについてお話します。
端的に言うと、外面的なコツというのは、フォントのデザインのことです。
フォントに一貫性がないと、読み手は情報を整理できず、混乱してしまいます。
そこで、フォントのトンマナを合わせるにあたり、
- 書体
- サイズと太さ
- 配色
- 余白
- 下線
といった5つの項目を踏まえた上でレイアウトを統一し、一貫性を持たせるようにしましょう。
それぞれの項目におけるポイントは、下記を参考にしてください。
書体
コンテンツイメージや媒体に適した書体を選択しましょう。
主な書体を挙げると、下記のような印象を与えることができます。
書体 | イメージ、活用方法 |
ゴシック体 | 親しみ、豪快 |
明朝体 | 高級感、繊細 |
斜体 | アルファベット表記の強調 |
メイリオ | 画面表示での見やすさ |
なおコピーライティングにおいては、基本的に可読性の高い「ゴシック体」を使うことが良しとされています。
サイズと太さ
全体を通してのフォントサイズを統一しましょう。
基本的なフォントサイズのもと、強調したい文字は太く、注釈などの文章の流れに大きく関係しない文字は小さくサイズ設定すると、読み手が要点をつかみやすい文章になります。
配色
コンテンツイメージ、ブランドカラーに合わせて配色を統一しましょう。
カラフル過ぎてもかえって読みづらくなってしまうため注意は必要ですが、用いることばの重要度に応じた文字色を設定すると、読み手は情報を整理しやすくなります。
余白
余白があることで、広告やサイト全体がより見やすくなります。
デザインや文章を詰め込み過ぎず、ほどよい空白を意識しましょう。
行間を広くとったり、セクション同士の境目や画像と文章の間に余白をつくると、読み心地の良い統一感が生まれます。
その場合、余白の幅を統一して空白にばらつきがないようにしてください。
下線
強調したい箇所に下線をひくことがあります。
よく使われる種類は、
・一本線
・二本線
・色付き強調線
の3つ。
それぞれ引用する意味合いを統一しておきましょう。
本セクションでは、文章内でトンマナを合わせるためのコツを5つお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
細かなルールがたくさんあって、戸惑った方もいらっしゃるでしょう。
しかし、いくら良い内容であっても、わかりにくい文章や読む上でストレスを感じるような文章は最後まで読んでもらえません…。
一方で、文章に細部まで行き届いた一貫性があれば、伝えたいメッセージが曲がることなくストレートにターゲットまで届くでしょう。
クライアントが求める世界観を”ことばの力”で演出できてはじめて『ホンモノのライター』と言えるのです。
トンマナを設定する際の注意点
ここまでは、トンマナの概要とトンマナを文章に取り入れるポイントをお伝えしてきました。
ただ、トンマナを合わせることに注意が必要なのは、文章を書くときだけではありません。
実は一貫性の精度を上げるために、トンマナを設定する際にも注意を払う必要があるのです。
そこで最後に、トンマナ設定をする際の「ここだけは守ってほしい注意点」を3つ挙げます!
ペルソナやターゲットを設定・意識する
企業の顧客であるターゲットに刺さるような表記ルールを設定することで、宣伝する商品やサービスの訴求力は格段に上がっていきます。
これは、ターゲットの深い共感を呼ぶ設定があなたのライティングの訴求力を左右するということでもあるのです!
訴求力をあげるための方法としてここでお伝えしたいのが「ペルソナ設定」と呼ばれる手法です。
ペルソナとは、ターゲットの中から抽出した1人の架空の人物を意味します。
詳しくいえば、ターゲットが集まった大枠のグループがあると仮定して、そのグループの平均値となる1人の人間のことです。
わかりやすく図に表わすと、このようになります。
つまり、ペルソナ設定とは、ある集団の中からその代表となる人物を1人だけ選び出す作業を言うのです。
もちろん、この人物が実在するかどうかはわかりません。
しかし、たとえ架空の人物であったとしても、ターゲットの特長を凝縮した人物です。
その人を意識した文章を書いたほうがターゲットに刺さるのは言うまでもありません。
ペルソナを具体的に設定するほど、あなた自身も文章を書きやすくなります。
読み手の強い共感と信頼を得る文章を効率よく書くために、
ジェンダー、職業、年齢、趣味、家族構成、住んでいる場所、生活リズム、悩み、交友関係
などなど、リアリティのあるペルソナ設定をしましょう。
NG事項を理解する
世間一般にいる多くの人にとってストレスのない文章を書くために、NGワードも把握しておきましょう。
具体的なNGワードは、
- 差別用語
- ネガティブな表現
- 過度な不安をあおる表現
- 攻撃的な言い回し
- 根拠にとぼしい表現
- 誇張
などが挙げられます。
このようなNGワードやNG表現を使うと、企業と消費者の信頼関係に溝が生まれてしまい、クライアントとのトラブルの元にもなってしまいます。
このほかにも、ライティングの内容によっては独自のタブー表現がある場合もあります。書き始めるまえに、クライアントにNG事項を確認するようにしましょう!
世界観を意識する
商品ページ、Web記事、広告…
いずれにしても社会へ発信するものすべてに必ず、意図した世界観があります。
つまり、たとえ似たような商品であったとしても、それをどのような人に使ってほしいかによって、構築される世界観もさまざまなのです。
例えば、あなたが料理初心者向けの料理本の帯を書くことになったとします。
当然記載する内容としては、料理本の概要やアピールポイントの紹介などになるでしょう。
『はじめてでもだいじょうぶ!今日からきみは料理人!』
『 ー 料理の基本を網羅した集大成。あなたの自炊生活を支える一冊に ー 』
というように、言葉選びも文章全体の雰囲気も全くの別物に変わるはずです。
ここまでの変化があるということはすなわち”世界観を見誤れば、いとも簡単に間違った方へ向かってしまう…。”ということでもあります。
そのため、世界観がブレてしまわないよう、
・文章を書く前
・書いている最中
・書き終えた後
といったライティング作業の折々で、世界観を明確に意識する習慣を身に付けましょう!
以上、トンマナを設定する際の3つの注意点をお伝えしました!
まとめ:文章のトンマナを合わせてワンランク上の文章を!
本記事では、トンマナにまつわる知識を網羅的にご紹介しました。
ただ読ませるだけ、ページを見せるだけの文章は、AIでも書くことができます。
売れるライターになるために大切なのは、
” 世界観を体験させる “ 文章を書くこと。
つまり、トンマナ極めずしてライターの成功なし!とも言えるのです。
本記事が、あなたのライター人生の道しるべになることを願います。
『文章のトンマナ』に関するよくある質問
よくある質問①クライアントから「トンマナを合わせて」と言われたら何を修正すればいいのですか?
複数のライターに執筆を依頼しているメディアなどであれば、共通の執筆ルールが存在するのが一般的です。
構成とは別に「レギュレーション」などと書かれた執筆ルールが送られてきていないか、確認しましょう。
もし送られてきていない場合は「レギュレーションはありますか?」と尋ねてみればOKです。
文末表現、口語か文語か、フォーマルな文かカジュアルな文かなどメディアによって求める文章に違いがあります。
レギュレーションがない場合は、他のライターが書いた文章をいくつか読んで自分が書いた文章と見比べつつ、雰囲気を合わせるようにしましょう。
よくある質問②トンマナを統一するとどのような効果が期待できますか?
トンマナを統一することにより、ブランドの価値観やミッションが消費者に伝わりやすくなります。
また、一貫したメッセージやデザインなどのビジュアルスタイルを通じてブランドのイメージが強化され、消費者がブランドに対して信頼感を抱くようになります。
よくある質問③複数のライターがいる場合、文章のトンマナをどうやって統一しますか?
複数のライターにコンテンツを書いてもらう場合は、共通の執筆ルール(レギュレーション)を作成するのがいいでしょう。
一般的には以下のようなポイントに注意し、メディアによって独自のルールを追加していくといいと思います。
・語彙のルール:使用する言葉やフレーズのリスト。使わない言葉や表現も明確に。
・文章のトーン:フレンドリー、プロフェッショナル、ユーモラスなどのトーンを具体的に。
・形式のルール:見出しや箇条書きの使い方、引用の方法、数字の書き方など。
「何歳になっても自分に挑戦する、泥臭い母の姿を子供に見せたい」
たどり着いた育児論を貫くべく、全くの未経験からライターに転身。