仕事上で文章を上手に書けるようになりたいと考える方であれば、
・QUESTの法則
・QUESTフォーミュラ
という言葉を一度は聞いたことがあると思います。
この法則をしっかりと理解し使いこなせば、ワンランク上の文章が書けるようになり、
周囲の人よりも一歩リードした存在となれることでしょう。
本記事では、そんな文章を書くための誰にでも使える文章構成「QUESTの法則」についてお伝えします。
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QUESTの法則・QUESTフォーミュラとは?
QUESTの法則とは、消費者心理に基づきコピーライティング上での訴求力を高めるために作られた文章構成(法則)のことです。
アメリカのトップマーケター、マイケル・フォーティン氏により考案され、世界では「QUEST Formula(フォーミュラ)」として世界中のライター・マーケターが日々愛用しています。
語源は、効果的な文章を作成する重要な5つの要素、
- Qualify(絞り込み)
- Understand(理解・共感)
- Educate(解決策を教える)
- Stimulate(刺激)
- Transition(変化させる)
…と、これら要素の頭文字を取ったものであり、要素に沿って文章を書くことで、自ずと訴求力の高いライティングが実現できます。
各要素の解説は以下のとおりです。
Q:Qualify ターゲットの絞りこみ
- ターゲットを絞り読み手を特定する
- 読者が悩んでいる事を自覚させる
対象とする人物をしっかり特定することで、細かな設定や具体的な言葉が使え、より訴求力を高められます。
たとえば「身体の不調」と一言で言っても、”風邪をひいている人”と”肩コリに悩む人”とでは、絞り込みの範囲が大きく異なりますよね?
このようにターゲットをギュッと絞り込むことで、特定のターゲットに狙いを定めて文章を書けるため、読者には「自分の事だ!!」と意識してもらいやすいのです。
日頃は悩みから目を背けている人に対しても、的確な表現をする事で自覚させることができます。
U:Understand 読者への理解・共感
- 読者の悩みに寄り添い、同情し信頼性を生む
- 早く悩みを解決させたいと思わせる
- 問題に気づかせ向き合わせる
相手の悩みへの共感・理解を示すことで、同じ経験をしている理解者(味方)である、と信頼を築けます。
仮に「腰痛に悩む人」にターゲットを絞った場合、諦めていたスポーツに挑戦できる、孫と思い切り遊べるなど、同情しながらも問題解決した時の喜びも膨らませることができます。
また悩みを明確にすることにより、
◯現在の問題が深刻である認識
◯一刻も早く問題を解決したい欲求
を強くさせることもでき、次の解決策の提示へより進みやすくさせられます。
E:Educate 解決策の提示
- 解決策を商品の特徴と関連づけて伝える
- 商品による成果のデータを提示して信憑性をうむ
- 商品を使わない・購入しない理由を読者から消す
「Educate=教育する」というように、この商品を使うことで、どう悩みが解決されていくのかを提示します。
読者は、できるだけリスクなく問題を解決させたいと思っています。
そのため多くの人が使っていたり、高確率で効果があらわれるなど、失敗のリスクが少ないことを伝えると効果的です。
例えば、過去の販売実績や受賞実績、専門家による評価や満足度の統計などを差し込むと、信頼性を担保しつつも説得力が上がるでしょう。
やはり読者は本当に問題が解決できるのかという不安を抱えているので、そういった不安を打ち消して説得力を増す事が重要になってきます。
S:Stimulate 刺激する
- 商品購入によって読者に与えられるベネフィットを伝える
- 問題や悩みが解決した事を想像させる
商品・サービスを使用した後の結果、つまり読者の望む未来の姿を想像させ欲求を駆り立てます。
「どんな悩みから解放されるのか」「何が得られるのか」といった商品のメリットが発揮された結果に得られるベネフィット1を強調して、明るい未来により近づいた感覚に持っていきます。
※1 ベネフィット:対象物(商品やサービス)から得られる具体的な利益・恩恵のこと
また商品・サービスを手に入れること、あるいは手に入れなかった場合の損失を打ち出すため、希少価値をアピールしたり特典・保証各種をつけることも効果的です。
T:Transition 変化させる
- 購入方法を具体的に伝える
- 購入によってついてくるお得な特典を伝える
- 限定や制限などを提示する
ここでは見込み客を「顧客」へと変化させます。
見込み客にとって購入は最大の壁となるため、以下の要素などを加えてなるべく抵抗値を減らします。
・購入完了までのステップ
・よくあるご質問
・お問い合わせ
・購入ボタン付近のコピー
また新たなベネフィットや保証、特典などを打ち出したり、期間や数量の限定性をつけることも効果的です。
QUESTの法則を使った文章例【例文】
ここではQUESTの法則を使った文章と使っていない文章の例を挙げ、より詳しく解説していきます。
ポイントは、読者の悩みとはどんなもので、どうしたら解決したイメージをより想像させられるかを考えながら作ること。
ぜひご自身でも考えつつ、以下の例文を確認してください。
例文① サプリメント
[Q] 寝ても寝ても疲れや眠気が抜けない、子育て中の働くお母さん!
[U] 家事をするだけで精一杯。自分の時間なんて取れないですよね。
そんな、毎日ヘトヘトになるまで頑張るお母さんのためだけに開発しました!
[E] それは『飲むクエン酸!!』
[S] 実際に飲んでもらった方にとったアンケートでは10人のうち8人が3日で効果ありと答えた、
今人気急上昇のドリンクです。
気づけば息切れ知らずになっていた!との声をたくさんいただいています。
[T] そんなサプリメントが今から3日以内のご購入で、通常価格の半額にてお届け致します!
会員登録は一切不要です!
上記例文では「子育て中の働くお母さん」と、母の中でもより絞り混んで呼びかけています。
そこで働きながら手のかかる年齢の子のお世話をしているお母さんが「自分の事だ!」と目に止めてくれやすくなることでしょう。
また、家事をするだけで精一杯、自分の時間が取れないで共感・理解し、飲むだけで休憩知らずで解決策とベネフィットを伝え、10人のうち8人が3日と数字を使って結果を現す事で信憑性を増すことができます。
更に、最後のひと押しとして3日以内に買わなければ損、今がチャンス!とより購買意欲を高める刺激を与えており、面倒な会員登録不要も購入する際の迷いの原因となるため、これを払拭することで読み手を顧客に変化させる狙いが隠されているのです。
文章例② 旅行会社のPR
[Q] 東京、千葉、神奈川在住の方限定!鳥取県でのんびりふるさとの気分を味わってみませんか?
[U] 普段は都会で暮らすあなたに、人混みから解放され、くつろいでいただきたい…
今回はそんな思いで素敵な旅行のキャンペーンをご用意しました。
[E] ちなみに、旅行をすることでストレスホルモンを減少させるという実験結果が出ているほど、旅行は身も心も休まると言われています!
[S] 今回のキャンペーンの旅先、鳥取県の出雲地方では、この時期に全国の神様が出雲大社にお集まりになるといわれており、こんな縁起の良い時期の鳥取旅行はうってつけ!行かなきゃ損です…!
[T] そんな全国の神様が集う期間は11月13日〜12月12日。1年のうちの1ヶ月のみの限定になります。まだ間に合いますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせください。
こちらの例文では「東京、千葉、神奈川」で絞り込み。
「人混みから解放され」で読み手に共感しているということにお気づきでしょうか?
また「ストレスホルモンを減少させる」という事実から、刺激を与えつつ旅行の良さについての信憑性をもたせています。
大切な内容を伝えることはもちろんですが、そこを更に興味を持たせ、行動させるかを引き出すことがQUESTの法則を活用するうえでは重要です。
そして最後に、限定の期間のみ行われていることを強調し、希少価値を伝え「まだ間に合う」という点で、まもなく締め切りが迫っているのも、読者が申し込みを決める変化の鍵となります。
文章例③ 占い館のPR
[Q] 毎日毎日あの人の事ばかり考えてしまって苦しい恋の病にかかっている人いませんか?
相手の気持ちをつかんでその恋…次の季節までに成就させましょう!
[U] 思わせぶりな態度はあるのに、なぜかそこから発展しない。
そもそも何を考えているのかわからない。わからないことだらけで嫌になりますよね…。
[E] そんな全ての恋の悩みを、恋愛相談を受け続けて10年以上のベテラン占い師があなたに直接アドバイスします。
[S] 無料会員登録後、自分の情報を入れて占い師の予約をとるだけ。
あなたのご都合のいいお時間に、場所を選ばず電話相談ができます!
[T] 更に、登録したその日から、あなたの恋のバイオリズムを毎日更新してくれます。
今なら期間限定で15分間のオンラインビデオ相談付きです。
上記例文もQUESTの法則に沿って作られた文章であることはもうご理解いただけているかと思います!
そして今回の題材である占い館のPRでは無料会員登録が目的。
実は読み手にとっては「会員登録をするか・しないか」というのは大きな障壁となるのです。
しかし、QUESTの法則を使うことにより、無料会員登録までのハードルを下げられているため、ターゲットとなる読み手は抵抗感がなくこの文章が読めるようになるでしょう。
QUESTの法則を使うメリット・デメリット
ここまで、例文を通してQUESTの法則に触れていただきましたが、いかがでしょうか?
実際にさまざまな文章の場面でQUESTの法則は用いられていることから「なんか読んだことがある」と感じられた方もいるかもしれません。
そして本セクションでは『QUESTの法則』を使うメリットと、デメリットについてご紹介します!
メリット① 受注率をあげることができる
新聞広告や折込チラシと違い、すでに悩みや問題を抱えた人に対しての”解決策”をこちらから提示しているため、特定の悩みを抱えた読者の中に入り込みやすいのです。
そのため、こちらが狙った行動を読者が起こすまでにさほど時間がかからないというメリットがあります。
結果、短時間で受注率を上げること可能性を秘めていると言えるでしょう。
メリット② 長い文章でもスムーズに文章作成ができる
多くの人は長文を書いていると、伝えたいことが曖昧になってきてしまったり、理解しづらい文章が出来上がってしまったりすることがあります。
しかし、QUESTの法則は伝える順序(構成)が決まっていることから『QUEST』に当てはめるだけで文章が完成するようになっているのです。
これにより、長い文章をスムーズに書けるというメリットがあるといえるでしょう。
メリット③ さまざまなシーンで活用できる
QUESTの法則は文章構成の基本となるものです。
解決策を探している人に向いている文章モデルですので、覚えておいて損はないでしょう
よく使われるシーンとしては『ブログ・LP(ランディングページ)・広告文章・セールスライティング』など…。
文章次第では、元々対象の事柄に対して興味を示していなかった方を惹き付けることも可能です。
デメリット① やりすぎると逆効果に…
読者の気持ちに寄り添った文章であるため、購入などに繋がりやすいことは確かです。
しかし、何事もやりすぎは禁物で、寄り添っているつもりが購入を煽ってしまうような文章では逆効果になってしまいます。
法則を正しく理解し、自分ならばどう感じるか、悩んでいる時の自分に置き換えるなどして完成した文章を何度も読み返してみてください。
デメリット② 誤解を与えてしまう場合がある
商品やサービスについて成果以上の事を示すことは禁物です。
例えば「塗ればシミが消える」「飲めば痩せる」などの絶対的な根拠がない表現は、QUESTの法則の『E:解決策の提示』としてはふさわしくありません。
その時の売上は上がりますが、後の評価に影響が出ることは明らかです…。
継続的な売上の確保やブランディングの維持を考え、誤解を与えるような誇大表現は控えるべきでしょう。
デメリット③ 絶対の成果が得られるものではない
QUESTの法則を使ったからといって、売り上げが上がる、集客が倍になるなどといった絶対の保証はないことは心得ておきましょう。
ネット社会で文章が溢れている中、情報は至るところに落ちています。
QUESTの法則に加えて自分なりの工夫やアイディアを盛り込んで、より魅力ある文書を引き出せるようにしていきましょう。
- プロ講師によるマンツーマンの相談サポートつき!
- 読むだけで技術が身につく『テキストブック(全8巻)』
- ライターの実情を紐解く『講義動画(全4本)』
- 約14日間の完全無料トライアル
- 参加人数6万人超え ※2024年8月23日現在〜
まとめ:初心者が法則を使うことで文章力がアップする
ここまで、QUESTの法則についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
『人の心を動かすための文章を書くこと=難しい』という印象をお持ちの方が大半のなか、QUESTの法則を一つ知っているだけでも他者の文章と大きな差を付けられることは間違いありません。
普段はあまり意識したことがない要素だったかもしれませんが、QUESTの法則を理解いただくことでライターとしてのスキルアップになることでしょう。
本記事がそんな方々の参考になれば幸いです!
最後までお読みくださりありがとうございました。
ひとつひとつの仕事を丁寧に、わかりやすく伝えられるよう意識しています。