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あなたはビジネスシーンや日常生活において「〜になります」という表現を聞くことはありませんか?

例えば「気になります」「必要になります」「お世話になります」など、日常でよく聞く機会はあるでしょう。

気に留めなければこれらの言葉に違和感を覚えることなく、間違いにも気がつかないかもしれません。

ですが、果たして本当に「〜になります」という言い回しは『日本語の正しい表現である』といえるのでしょうか?

そこで本記事では、現役コピーライターである筆者が「〜になります」の正しい使い方と言い換え表現をお伝えするために…

  • 「〜になります」がもつ本来の言葉の意味は?
  • 「〜になります」の正しい言い換え表現とは?
  • ビジネスシーンで注意するべき表現とは?

…などについて1つずつ解説していきます。
本記事を読めば、あなたも正しい言葉の使い方をマスターできることでしょう!

目次
  1. 「~になります」の正しい使い方・言い方
    1. 「〜になります」の意味
    2. 「〜になります」はなぜ気になってしまうのか?
  2. 「~になります」を誤用している5つの例文と言い換え表現
    1. 例文①「必要になります」→「必要です」
    2. 例文②「突き当たりになります」→「突き当たりです」
    3. 例文③「ビルの2階になります」→「ビルの2階です」
    4. 例文④「こちらがお品物になります」→「こちらがお品物です」
    5. 例文⑤「合計で2,500円になります」→「合計で2,500円です」
  3. 「〜になります」と「となります」の違い
    1. 基本的には同じ意味合いで使われる
    2. 「〜となります」の方がかしこまった印象を与えられる
    3. 文脈次第ではどちらも間なく、文脈に合わせた表現ができるようにしていきましょう!
  4. 「〜になりますでしょうか?」は正しい?それとも…
    1. 二重敬語だから正しくない
    2. 冗長表現で伝わりづらいから
  5. 敬語の誤用を避ける“3つのポイント”
    1. 正しい言葉づかいを普段から意識する
    2. 曖昧なときはすぐに調べる
    3. 常に自分の文章を客観的に読む
  6. まとめ:「〜になります」の正しい使い方を理解しよう!
  7. 「〜になります」の言い換えについてよくある質問
    1. よくある質問①「お世話になります」は正しい表現ですか?
    2. よくある質問②「〜になります」を接客用語にすると?
    3. よくある質問③ビジネスシーンで注意するべき言葉は?

「~になります」の正しい使い方・言い方

初めにお伝えしておくと「〜になります」という表現は、文章のもつ意味によって使い方が変わります。

そして「〜になります」はどんなときでも使える表現ではありません。

ではここからは、どのような使い方が正しい表現といえるのか「〜になります」がもっている本来の意味を確認していきましょう!

「〜になります」の意味

そもそも「〜になります」の中の「なる・成る・為る」は既存のものから別の新しいものへと変化するという意味があります。

つまり、既存の「A」が別の「B」に変化するということを表しています。

間違った使い方

「14時からミーティングになります」
→ミーティングは何か別のものに変化しないため不適切

正しい使い方

「もうすぐ21時になります」
→現在の時刻からやがて21時に変化するため適切

したがって「〜になります」は必ずしも丁寧で正しい表現ではないということを押さえておきましょう!

「〜になります」はなぜ気になってしまうのか?

ところであなたは普段の生活の中で「〜になります」を使った表現を多く耳にしている実感はありませんか?

よく聞く表現だということには、使われる理由があるからです。

理由として挙げられるのは「〜になります」が『丁寧な日本語の表現』だとして誤認されているからでしょう。

最近では「〜になります」は、丁寧に日本語を伝える(つもり)ときの言い方として聞くことが多いです。

繰り返しお伝えしていますが「〜になります」は丁寧な表現ではありません!
正しい言葉の意味を理解し、正しく使うことが大切です。

「~になります」を誤用している5つの例文と言い換え表現

このセクションでは「〜になります」を間違って使っている例を5つ挙げていきます。

あなたが普段何気なく使っている言葉が、ひょっとしたら「間違っていた!」ということに気付けるかもしれません。しっかりチェックしてくださいね!

例文①「必要になります」→「必要です」

ビジネスシーンや教育機関の場などでよく聞く表現です。

例文①の「必要になります」は「〜になります」の本来の意味である「既存のものから新しいものに変化する」部分が含まれていません。

「〜になります」の本来の正しい意味から考えると「必要になります」ではなく「必要です」と言い切ることが正しい使い方になります。

例文②「突き当たりになります」→「突き当たりです」

自分が道案内をするときに使ったり、反対に道案内をしてもらったりするときに耳にする表現です。

最近では、多くの人が所持しているスマートフォンの地図アプリを使っていることもあり、道案内をする頻度は少ないかもしれません。

ですが、接客業や企業の受付をしているような方は、相手から尋ねられて受け答えをする場面も多いことでしょう。

そのうえで、上記例文の「突き当たりになります」という言葉の中にある「〜になります」には、本来の意味である「既存のものが新しいものに変化する」という意味が含まれていません。

そのため、こちらも「突き当りになります」ではなく「突き当りです」と言い切る表現が正しいです

例文③「ビルの2階になります」→「ビルの2階です」

企業の受付をしているような方や、特定のビルに誰かを案内したいときなどに使う頻度の多い表現です。

今回も例文②と同じで使う場面が限定的ではあります。

こちらも「ビルの2階になります」という中の「〜なります」は「既存のものが新しいものに変化する」ということはありません。(ありえない話ですが、もしビルが別の何かに変身したとしたらびっくりしますもんね。)

もちろん、ビルは別の何かに変身するようなことはないので「ビルの2階になります」ではなく「ビルの2階です」が正しい日本語の表現です。

例文④「こちらがお品物になります」→「こちらがお品物です」

レストランでの食事や買い物の際によく使われている表現です。

一見聞き馴染みのある表現ですが、こちらは本来の正しい使い方ではない敬語や丁寧語が馴染んでいる表現です!

適切な敬語は「こちらがお品物になります」ではなく「こちらがお品物です(でございます)」という言い方だということを覚えておきましょう!

例文⑤「合計で2,500円になります」→「合計で2,500円です」

買い物を終えて会計をするときによく使われている表現です。

今回の例文⑤の文章も「〜になります」の本来の正しい意味としては、使われていないことがわかります。

「合計2,500円になります」ではなく「合計で2,500円です(でございます)」が正しい表現です。


ここまでの5つの例文を読んだあなたは、ひょっとしたら「今まで間違った表現を使ってしまっていた!」と気付くきっかけがあったかもしれません。

間違った表現を日常的に使っていたとしたら、自分の良い印象を相手に与えられないですよね。
ビジネスシーンであればなおさらです!

正しい表現ができるということは『自分がしっかりしている=正しい日本語を使える』というアピールにも繋がってきます。

ぜひ正しい言葉の使い方をマスターして、日常生活の中で活用していけるようにしていきましょう!

「〜になります」と「となります」の違い

ところでこの記事を読んでいるあなたは、本記事の前半でたくさんお伝えしている「〜になります」とよく似た「〜となります」という言い方を耳にしたことはありませんか?

似ている言葉ではありますが、この2つの意味は異なります。

以下でお伝えしていきますね!

基本的には同じ意味合いで使われる

「〜になります」と「〜となります」には、それぞれ助詞・動詞・助動詞の3つの品詞が含まれています。

「〜になります」と「〜となります」の品詞を分解すると、それぞれ同じ配列になっていることがわかります。

ですが、意味合いと品詞の配列は同じでも、使うシーンが異なってくるので注意が必要です。

「〜になります」

「〜になります」は「〜になる」を丁寧に表現した言い方です。

文脈(文章の繋ぎ具合)の中に意外性がなく、ごく自然な変化であるときに使用します。

例文
  • 「明日から夏休みになります」
  • 「開業して20年になります」

「〜となります」

「〜となります」は、変化の結果を丁寧に表しています。

変化がない表現の文脈のときに使ってしまうと、正しい意味で伝わりません。

例文
  • 「今週の祝日は出勤日となります」
  • 「来年度から新制度が導入となります」

「〜となります」の方がかしこまった印象を与えられる

ではここで、同じ文章を使って「〜となります」と「〜になります」の表現を見比べてみましょう。

「会議は14時からなります」

「会議は14時からなります」

2つの文章を読んで、あなたはどのように感じましたか?この2つはどちらもビジネスシーンを想定した文章となっています。

先程「〜となります」は、変化の結果を表す丁寧な表現であるとお伝えしました。
さらに「〜になります」は意外性がなく、自然な変化であるときの表現だともお伝えしました。

したがって、きちんとした印象を相手に伝えたいときは「〜となります」にすると効果的でしょう。

文脈次第ではどちらも間なく、文脈に合わせた表現ができるようにしていきましょう!

「〜になりますでしょうか?」は正しい?それとも…

日常生活の中で、敬語を多く使う場面はたくさんあると思います。

ここで突然ですが、本記事を読んでいるあなたに質問です!

あなたは普段、たくさんの敬語がある中で「〜になりますでしょうか?」という言葉を耳にしたり使ったりすることがありますか?

ここまで本記事を読んできたあなたは「合ってるのか、合っていないのかどっちなんだろう?」と疑問に思うかもしれません。

ですがよく耳にする「〜になりますでしょうか?」という言葉は、実は間違いです!

以下で詳しく説明していきますね。

二重敬語だから正しくない

まず、二重敬語とはなにか確認しておきましょう。

二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」のように『敬語を重ねて使うこと』です。

では「〜になりますでしょうか?」は二重敬語にあたるでしょうか。

「〜になりますでしょうか?」には、丁寧な助動詞である「ます」と、疑問詞である「でしょうか」が含まれています。

そのため「ます」と「でしょうか」の2つの敬語表現が重複しているので「〜になりますでしょうか?」という表現は間違いなんです!

間違った使い方正しい使い方
いつ頃になりますでしょうか?いつ頃になりますか?

「〜になりますでしょうか?」は二重敬語になりますが、今ではビジネスシーンを初め多くの場面で使われています。

つまり、間違った使われ方のまま『正しい表現である』と世間に浸透しているということです!

二重敬語は本人も知らない間に使っていることが多いです。

間違った表現を避けるためにも、自分の使っている言葉または耳にする言葉を見直しても良いですね!

冗長表現で伝わりづらいから

冗長表現とは、文章の内容と無関係な単語や表現を羅列してしまい、一文に無駄が多くて長いことです。
例えば…

「本日は会議を予定していますが、何時ごろにお見えになりますでしょうか?」

という文章があったとします。
一文の中に二重敬語(「〜になりますでしょうか?」の部分)がありますね。

では、この文章をスッキリさせてみましょう!

まず、この文章は「会議をするに当たって、何時に来るのか?」ということを聞きたいことが分かります。

ですので、重複した表現と二重敬語を無くすと、

「本日の会議には、何時ごろにお見えになりますか?」

長く言葉を並べて一文を長くしても、無駄が多くなって読み手に不快感を与えてしまいます。
短くまとめる意識や、冗長表現や重複表現が無いように注意しましょう!

敬語の誤用を避ける“3つのポイント”

ではここで、敬語を誤用しないための“3つのポイント”をご紹介します。
身近なことからできるので、ぜひマネしてみてくださいね!

正しい言葉づかいを普段から意識する

人間が外から情報をインプット(=入れ込む)するときは、言語情報が7%・聴覚情報が38%・視覚情報が55%の割合で相手に影響を与えるという心理学の法則があります。

ちなみに、これはメラビアンの法則というものです。

このメラビアンの法則から、自分が発する『聴覚情報』と『視覚情報』は相手に大きな影響を与えるということが分かります。

つまり、間違った表現をした状態で自分が相手に発した『聴覚情報』から、相手に与える自分の印象が「間違った日本語を使う人」となってしまいます。

正しくコミュニケーションを取れるようになれば、聴覚情報からも相手に良い印象を与えることができます。

会話をするときの言葉づかいも大切ということを覚えておきましょう!

曖昧なときはすぐに調べる

今では老若男女問わずほとんどの人がスマートフォンを持っています。

スマートフォンは今や『小型版PC』といわれるほど便利な機能が備わっており、分からないことは検索したり、AIを活用したりといつでも調べることができます。

わからないことや疑問に思ったことはそのままにせず、すぐに調べて覚える習慣をつけておきましょう。

常に自分の文章を客観的に読む

自分では問題ないと思っている文章も、読み返すと「あれ?」というような経験はありませんか?

筆者は文章構成が苦手だったため、学生の頃はよく苦労していました。

ですが、何度も文章を執筆する・文章を読み返すという作業を繰り返すことで、少しずつ文章構成や言葉遣いがスムーズに選択できるようになります。

ただ読むだけでなく、声に出してゆっくり読んでみることもオススメです!

まとめ:「〜になります」の正しい使い方を理解しよう!

本記事では「〜になります」という表現が正しいのかについてお伝えしてきました。

「〜になります」は世間に広く浸透している表現ではありますが、相手に伝えたい内容によって使う場面が異なります。

日本語は似たような言葉や声に出したときの音が多いため、何を使うのが正しいかすぐに理解することは難しいかもしれません。

分からないことは無理に使ったり冗長したりすることはせず、きちんと調べて理解することが大切です。

本記事を何度も読み返して、正しい言葉の使い方をマスターしていきましょう!

「〜になります」の言い換えについてよくある質問

本記事では「〜になります」の意味や使い方、正しい日本語を使う場面についてお伝えしてきました。

ここからは「〜になります」「敬語」「表現」に関するよくある質問を3つ紹介します。

あなたの悩みも解決できるかもしれません。ぜひチェックしてくださいね!

よくある質問①「お世話になります」は正しい表現ですか?

「お世話になります」は正しい表現であるといえます。

「お世話になります」の中には「お世話」+「なります」の2つの言葉が組み合わさっています。

「〜になります」の正しい意味は、既存のものから新しいものへ変化するものだとお伝えしました。

ですので、付き合いがない状態からこれからお世話になる人(=関係性に変化がある人)に対して「お世話になります」を使うことは正解です。

反対に現在進行形で付き合いのある人(=関係性に変化がない人)に対して「お世話になります」を使うのは正しくありません。

些細な違いですが、あなたの印象を決める大事な表現です。ぜひ覚えておきましょう!

よくある質問②「〜になります」を接客用語にすると?

飲食店や販売業などの接客業において「〜になります」という表現はよく耳にすると思いますが、実際には誤っていることがほとんどです。

「~になります」は「既存のものから別の新しいものへと変化する」という意味で使われますので、以下のように言い換えるのが正しい表現です。

  • 「カレーになります」→「カレーです(でございます)」
  • 「突き当たりになります」→「突き当たりです(でございます)」
  • 「100円のお返しになります」→「100円のお返しです(でございます)」

接客業においても「〜です(でございます)」が正しい表現であると知っておく必要があります。

「〜になります」の本来の正しい意味を理解し、正しい表現を使えるようにしましょう。

よくある質問③ビジネスシーンで注意するべき言葉は?

ビジネスシーンで「~になります」を使うケースがあるかと思いますが「~になります」は「既存のものから別の新しいものへと変化する」という意味で使われます。

そのため、以下のように変更の無い場所や予定を指す文章では表現を変えなければなりません。

  • 「あちらになります」→「あちらです(でございます)」
  • 「期限は10日になります」→「期限は10日です(でございます)」
  • 「予定通りになります」→「予定通りです(でございます)」

ここで大切なのは、前後の文章から『変化や変更の結果』の有無をよく考えることです。

やみくもになんでも敬語を使おうとすると、幼稚な文章になったり幼稚な印象を与えてしまうかもしれません。

ビジネスシーンにおいて大切なのは、自分をいかに良く思ってもらえるかでしょう。

正しい日本語の表現ができるよう、日頃から意識していくことが大切です。

この記事を書いたライター
元幼稚園教諭・現保険業と接客業のダブルワーク・更にライターとしても活動している、ちょっと元気すぎる人です。仕事は「元気に・丁寧に・全力で」を心がけております。皆様の元へ、私の想いが届いたら何よりです。
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