突然ですが、あなたは『日本語が世界でも有数の習得が難しい言語』だということをご存知でしょうか?
理由としては「ひらがな・カタカナ・漢字・アルファベットなど…」使用される言語が多いことに加え、語句の使い方次第で意味も変わるため、それに伴った文法の理解が難しいからと言われています。
そんな高難度を誇る日本語ですが、実は『日本人でも間違えて使っている日本語』がいくつも存在するのです。
そこで本記事では、正しい日本語の使い方に少し触れるためにも、多くの人が間違えて使ってしまいがちな日本語についてご紹介いたします!
間違えて使われている日本語【7選】
それでは早速、日本人でも間違えて使いがちな日本語を7つご紹介いたしますが、その前に…。
昨今では”間違った意味”が定着してしまい、誤った意味が適切とされる『慣用』的な使い方をされることもあり、変化している言葉も中にはありますが、本記事では本来の意味に遵守してお伝えいたします。
「私は大丈夫!」…と思っていても意外な発見があるかもしれません!
① 浮足立つ(うきあしだつ)
サクラの花も咲き、街を歩く人の姿も心なしか浮足立っている。
サクラの木には多くの虫が付着したため浮足立った
『浮足立つ』の本来の意味は「不安や恐怖を感じることが引き金となって逃げ腰になる」ということ。
間違った使い方はプラスに感じられる表現に感じ取れますが、本来の意味で言うとマイナス面が際立つ表現だったのです。
ただ、辞書には間違った使い方も掲載されていることから『慣用』としての使われ方で言うとどちらも間違えてはないということになります。
② 御の字(おんのじ)
この報酬額で仕事を請けられるなら、まぁ御の字だろう。
この報酬額で仕事を請けられるなら、御の字だ
上記の例文でいうと、間違った使い方では「まぁ」という言葉が使われていることから、
「一応納得はできる」といった程度で表しているように感じられることでしょう。
ところが『御の字』の本来の意味は「特に優れたものや人を表し、物事で言うと満足できることや状況」を指しています。
そのため、例文のように微妙なニュアンスの違いであっても、読み手の受け取り方次第では
間違った使い方をしていることになるため注意が必要です!
③ 確信犯(かくしんはん)
彼は昔から法律には詳しかったため、確信犯だろう。
彼は昔から正義感が強かったため、確信犯かもしれない。
『確信犯』の本来の意味は「政治・宗教等の信念に基づいて正しいと思っていた行為が犯罪となっていた」ということ。
しかし、間違った使い方の例文のように、悪いことだと知っていながらなされる行為や犯罪を指して『確信犯』と誤用されるケースが多くあるのです。
これを聞くと、普段の生活をするうえであまり使う言葉ではないかもしれませんが、昨今ではどちらの意味も慣用的に認められつつあります。
④ 潮時(しおどき)
この関係は続けられそうにないため、そろそろ潮時かもしれない。
結婚をするのであれば、年齢的にも今が潮時かもしれない。
潮時の本来の意味は『何か物事を行うにはちょうどいい時期』ということ。
そのため、「引き際」の意味で用いられる潮時は誤用、タイミングが良いという意味で用いられる潮時が適切だと言えるでしょう。
しかし、実際には潮時(しおどき)という言葉を「引き際」という意味で慣用的に使っている人が多いようです。
⑤ 話のさわり
あの映画のさわりを教えてほしいと言われたため、冒頭部分を簡単に説明した。
あの映画のさわりを教えてほしいと言われたため、クライマックスや要点を簡単に説明した。
一見すると「クライマックスなんか教えちゃダメでしょ…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが…笑
正しい使い方にてお伝えしている、いわゆるネタバレ部分が正しい『話のさわり』です。
本来の意味としては『本や映画のストーリー、音楽などの最も盛り上がる箇所や要点』を指す言葉のため、もし「あのドラマの”さわり”を教えて!」と言われた場合はネタバレOKということになります。
ただ、これも非常に多くの方が『話のさわり=冒頭部分のみ』と認識していることが多い日本語のため、一度その人の”話のさわりの意味”を確認することをオススメします!
⑥ 言葉狩り
あの人はすぐに人が発した言葉の意味を訂正して言葉狩りしてくるから苦手だ。
言葉狩りをされて使われなくなった語句は数多くある。
言葉狩りは本来、社会的に適切ではないとされた言葉に対して用いられています。
そのため、間違った使い方でなされているような、揚げ足取りのような行為に対して『言葉狩り』と評するのは適切ではありません。
例えば、注意力が欠けている人へ向けて用いられることがあった「片手落ち」という言葉は
片手のない者にとって侮辱的な言葉だという声が出たことによりタブー視されています。
実際に揚げ足取りのような構図で放送禁止用語が増えていることは間違いありませんが、誤用の意味で使われていることも押さえておきましょう!
⑦ 内向的
あの子は内向的な性格のため、初対面の人との会話が苦手だ
あの子は内向的な性格のため、自分の強みや弱みをしっかり理解している
内向的とは『興味や関心が自分の内部に向いていること』に対して使われるのが本来の意味です。
そのため「会話が苦手」というだけで内向的と決めつけるのは誤用となるため気をつけましょう!
ただ、実際に内向的な人は「自分の内面を重視する傾向にある」ことから、一般的には他者と関わることが好きではないという人も多いようです。
間違えて使われている日本語|注意点
前セクションでは、実際に間違われて使われている日本語を7つご紹介しました。
ただ、本文中でもお伝えした通り、元々は誤りとされていたものが正しくなる慣用的な使われ方がされたりと、日本語は時代とともに変化する可変的なものです。
そこで、間違われて使われている日本語をとりまく注意点について本セクションではお伝えいたします。
注意点① 間違った日本語の方が通じる場面もある
ときには正しい意味でなく、間違った日本語のほうが相手に通じる場面があります。
こちらが正しい意味で使っていても、相手が間違った意味を正しいと思い込んでいる場合、相手には正しく伝わりません。
例えば、前セクションでご紹介した「内向的」という言葉を「内気」「引っ込み思案」「ネクラ」という意味でネガティブに捉えている人に対して、
「あの人は内向的だから集中力があるし、芯が強いね。」と本来の使い方の意味合いでポジティブにほめたりすると相手は、
「・・・?」
…という反応になるように「この人ちょっとずれているな」という感覚を持たれることもあるでしょう。
このように、もともとの意味ではない”間違った意味のほうが相手に正確に伝えたい内容が伝わる”ことも現実には起こってきます。
注意点② 誤用が正しいと認められることもある
もともとは間違えて使われていた日本語も”正しい”と認められることがあります。
これは「慣用」と言ったりするのですが、例えば「早急」という言葉。
これはもともと「さっきゅう」という読み方でしたが「そうきゅう」と読み間違える人が多くいたため、
今では「そうきゅう」と読むこともOKとされています。
そのため、一概に「間違いだ!」と決めつけることができないのです。
注意点③ 『正しく使っているか、誤用で使っているか』必要があれば確認する
上述した『潮時』という語句で言うと、対象の事柄に対して『引き際なのか』『頃合いなのか』使い方によっては真逆の意味にもなりえます。
そのため『潮時』がどちらの意味で使っているか、その前後の文章を読んでもなお分からない場合は
確認する必要があるでしょう。
ただ、前後の文章や雰囲気から読み取って、どちらの意味で使っているか検討が付く場合はあえて尋ねるよりも空気を読んだほうが無難です…。
『あくまで必要があれば』という点はしっかり押さえておかないと”気分を害する”人も中にはいらっしゃるかもしれないため、胸に秘めておくことをオススメします笑
実は筆者も間違えていた経験が…【体験談】
実際、言葉を使って自分の思いを相手に伝えるのは難しいものです。
相手の知らない言葉を使っても、相手に伝わらなければコミュニケーションは成立しません。
かくいう私も誤った意味で覚えていたり、誤った使い方をしていたことは多々ありました…。
例としてあげるなら「捏造」という言葉の読み方。
本来は「でつぞう」と読むのが正しいのに「ねつぞう」と読むのだと思い込んでいました。
むしろ「でつぞう」という読み方を知らない人は結構いるのではないかと私は感じています…。
「捏造」の読み方などは慣用読みのほうが一般的には通用するのではないでしょうか?
ただ、このように誤った使い方や読み方、書き方をしていることは普段気が付いていないだけで
日常的にあるものだとも感じています…。
間違えに気づくためにも、先入観に縛られず客観視することが重要です。
まとめ:あなたの言葉の引き出しを増やそう
本記事では間違えて使われがちな日本語についてご紹介してまいりました。
あなたは今回ご紹介した7つの言葉、全て正しい意味で使えていたでしょうか?
正しい意味で使うべき環境、誤用でも伝わる環境…。
その場の空気感や環境など、TPOに合わせて使い分けることが大切です。
本記事があなたの言葉の引き出しを増やせるような参考になればさいわおい