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文章作成するうえで欠くことのできない、豊かな表現力。

一見すると、それは ”才能” の一言で片付けられてしまいがちです。

しかし、実はそんな表現力を底上げするコツがあることをあなたはご存知でしょうか?

そのコツの正体とは『比喩力』

表現力を手に入れたいのなら、比喩力を磨けばいいのです!

そこで本記事では、人を惹き付ける文章を書きたいというあなたに向けて、

・そもそも比喩とは?
・活用ポイント
・効果的なトレーニング方法

といった比喩表現の基礎知識から実践的な応用にいたるまで徹底解説します!

直喩と隠喩とは?

直喩と隠喩とは?

冒頭でお伝えしたように、文章を書く上で表現力はとても大切です。

そして、その表現力を上げるために必要な技法が『比喩表現』。

例えば「笑顔」という単語ひとつをとっても、

・天使のような笑顔
・凍りついた笑顔

というように、表現次第で笑顔の様子や想像し得る心理背景はがらりと変わってきますよね。

要するに比喩の目的は…

『抽象的、あるいは複雑ななにかを説明したり、相手にとって未知なことを伝えようとするとき、齟齬なく情報わかりやすく情報を伝えられるようにすること』

だといえます。

そしてこれこそが、質の良い文章であるか否かの判断材料として、文章内での比喩力が重視される理由なのです!

というわけで、ここからは早速!
比喩の技法についてお話しましょう。

直喩と隠喩の違いとは?

直喩と隠喩の違いとは?

まず厳密にいうと、比喩には数多くの技法が存在しています。

ただ、全てを覚えようとすると膨大な学習時間を要するため、本記事では大きく2つに分けてご説明します。

単刀直入にいうと、この大まかな線引きとは、比喩が直喩であるか隠喩であるかの違いです。

それぞれの意味については、

直喩(ちょくゆ)
明喩とも言われるように明らかに比喩と判断できる言い回しを用いる技法
隠喩(いんゆ)
文字を読んだだけでは比喩であることが判断できない言い回しを用いる技法

と定義されています。

当然これだけでは分かりにくいと思うので、続いてはそれぞれの違いや使い分けについて詳しく解説しましょう。

まず直喩と隠喩の違いについてですが、

直喩は

  • 〜のようだ
  • 〜のように
  • まるで〜
  • 〜の如く
  • 〜みたいな

といった一定の決まり文句を用いて別の物に例える技法です。

対して隠喩は、そういった”決まり文句”を用いることなく、つまり例えることを明言することなく暗示で想像させる技法のこと。

手っ取り早くいってしまえば、

【直喩】・・・決まり文句を伴う
【隠喩】・・・決まり文句を伴わない

という見分け方で問題ないでしょう。

直喩と隠喩の使い分け

直喩と隠喩の使い分け

次に直喩と隠喩の使い分けについてですが、直喩は別のものになぞらえた例え話であることが一目瞭然。

そのため書き手側は説明しやすく、読み手側はわかりやすい比喩表現といえるのです。

例えば「わたしは彼女を家族のように思っている」という文章を読めば、直喩表現のおかげで「わたし」の「彼女」に対する特別な感情を誰もがたやすく想像できるようになります。

一方でこの文章を隠喩に置き換えると、「彼女はわたしの家族である」という表現になります。

断定的でストレートな表現であるため、読む側の心象に響くものがありますよね。

あるいは、この文章を読んだだけでは推し量ることのできない特別な意味合いがあるようにも感じます。

いずれにしても、隠喩が印象を深める表現であることは間違いないでしょう

しかし、あくまで含みであるがゆえに、例え話と捉えるべきなのか、はたまた字面通りの意味として捉えるべきなのかは読み手の受け取り方次第という、少々こみいった性質を持っているともいえます。

そのため、隠喩を使ったばかりに読み手を混乱させたり誤解を招いてしまうという危険もはらんでおり、書き手が狙った意図と相反した状況に陥る可能性も決して低くはないでしょう。

そういう点で、取扱いに注意が必要な比喩でもあるのです。

ここまでのお話を総括すると、

直喩
だれが読んでも理解できるように説明したいとき(伝わりやすく使いやすい)
隠喩
強く印象付けたいあるいは意味を深めたいとき(読み手側の裁量に委ねられる)

このようになります。

以上、直喩と隠喩の意味と両者の違いについて説明しました。

繰り返しになりますが、文章の中に比喩を用いることで文章の表現力が上がります。

つまり、比喩は書き手が文章に託したなんらかの意図を、まっすぐかつ確実に読み手の元へ届けてくれる運び手のようなものなのです。

と、筆者がここで念押しするまでもなく、きっとあなたはすでに直喩と隠喩の意義を理解し始めていることでしょう。

では、その使い方をマスターするために、次のセクションでは具体例を交えながら比喩を深掘りしていきます!

直喩・隠喩を用いた例文

直喩・隠喩を用いた例文

読み手に伝わる文章を書くための技法をただ知っていれば、だれでも良い文章を書けるというわけではありません。

例えば、音楽の分野にしても、音の出し方を知っていればそれだけで楽器奏者になれるかというと決してそうではないですよね?

このように、何事も効果的な使い方やルールを熟知してはじめてその技法を会得したといえます。

というわけで、より深い理解につなげるために、直喩と隠喩の具体例をいっしょに見ていきましょう!

直喩の例文

まずは直喩を用いた例文を3つ紹介します。

直喩の具体的な使い方を確認しましょう。

直喩の例文① 甘い蜜のような香りがした

甘い蜜のような香りがした

あなたも経験があるかもしれませんが、香りを言葉や文章で正確に伝えるのは至難の業。

なぜならば、このような嗅覚や味覚などの感覚は、個人の感性によって捉え方が様々だからです。

同じ香りを嗅いでいたとしても、甘く感じる人もいれば、スパイシーに感じる人もいるでしょう。

そのため、感覚にもとづいた言及をする場合、だれもが知っているであろう具体的なものを引き合いに出すことが大切。

こうした一定の指標を示すことによって、読み手が浮かべるイメージの
一定化も図れるようになります。

つまり、直喩の使用によって多くの人と感覚を共有することが可能になるのです。

直喩の例文② 絵本の世界みたいなカフェ

絵本の世界みたいなカフェ

その場の空気感や世界観をそっくりそのまま伝えようとするとき、写真や映像さえあればそれに越したことはありません。

ただ、そういった可視化できないものをあえて文章で伝える場合、読み手の想像力をどう働かせるかがカギとなります。

「絵本の世界みたいな」という表現をみた人の多くは、
浮世離れした世界観を映像化するための努力をするはず。

中には「絵本の世界」という抽象的なものを想像する楽しさに遊び心をくすぐられる人もいるでしょう。

そうした想像力に比例して、読み手のカフェへの関心は高まっていきます。

このように、的確な言葉で表現するのが難しい雰囲気や概念は、読み手の想像力を刺激するような直喩で表現すると読み手の関心を惹き付けることができます。

直喩の例文③ 吸い込まれそうなほど大きな瞳をしている少女

吸い込まれそうなほど大きな瞳をしている少女

「吸い込まれそうなほど」という直喩表現によって、瞳の大きさを強調していることがわかりますね。

書き手の意図は、少女の瞳の大きさを読み手に伝えること。

このように、具体的な数や量で示せない定性的なものを、目安となり得る定量的な例えに投影することで読み手にその様子を伝えることができるようになります。

隠喩の例文

次に隠喩を用いた例文を3つ紹介します。

直喩と同様に、具体例にならって隠喩の使い方を確認しましょう。

隠喩の例文① その光景を見た瞬間、彼の身体に電流が走った

その光景を見た瞬間、彼の身体に電流が走った

この文章の意図は、「彼」が感電したことではありません。

文章の前後でそれなりの状況説明は必要になるものの、衝撃の強さを電流と言い切ることで読み手により強いインパクトを与えています。

「電流が走ったようだった」という直喩表現でも違和感はありませんが、この例えはごく一般的に認知されている表現でもあるため、隠喩表現でもまったく問題ないでしょう。

転じて、わかりやすさよりインパクトを狙った書き手の意図を汲み取ることもできます。

隠喩の例文② 空が泣いている

空が泣いている

雨が降る様子を隠喩で表現しています。

同じ景色でも、見る人によってその心情は様々。
「雨が降っている」のではなく「泣いている」空をあなたはどう感じるでしょう?

ついついその景色に感情移入してしまいますよね。

もちろん「空が泣いているようだ」などの直喩表現でもそういった効果は発揮できます。

しかしその場合、空が泣いているように感じている人物を客観視しているに過ぎません。

隠喩で断定することで、読み手自身がその心情の持ち主になったかのような錯覚を覚えるのです。

そう考えると、直喩表現より隠喩表現の方が読み手の心に深く残るのは必然ともいえるでしょう。

隠喩の例文③ 蛙化(かえるか)現象

蛙化(かえるか)現象

最後の例に、2022年頃から見聞きするようになった若者言葉を取り上げてみました。

この言葉のユニークさは『カエルの王様』というグリム童話が起源であることを示唆したネーミングにあります。

もともとの意味としては「自分が一方的に好意を寄せていた相手が、自身に好意を返してくれるようになった途端、気持ちが冷めてしまう」という心理現象を表わしたものです。

童話の内容を知っている人であれば、言葉の由来を知るやいなや、蛙化の意図をなんとなく察知することができるでしょう。

しかし、この童話を知らない人にとっては、その意図がまったく見えてこない言葉でもあります。

また補足すると「蛙化」というインパクトのあるワードだけが一人歩きした結果、本来の意味とは別の意味が加わり、その後付けの意味がさらに一人歩きしているという複雑な変遷をたどっている言葉です。

このように、端的かつ斬新な隠喩は強烈なインパクトを放つ一方で、共感を得る相手や状況を選ぶため、意図したことが伝わらないこともあります。

ここまで直喩と隠喩の具体例をそれぞれ3つ用いて解説しましたが、いかがでしたか?

それぞれの違いがよりクリアになったのではないでしょうか。

この直喩と隠喩は、どちらが良いどちらが悪いということはないので、どちらも使い方を覚え、適宜使い分けられるように会得しましょう。

直喩と隠喩を活用するうえでのポイントとルール

直喩と隠喩を活用するうえでのポイントとルール

さて、ここまで読み進めてくれた読者の中には、

「さっそく比喩を文章に取り込みたいけど、取り入れる場所や目的に指標があれば実践しやすいんだけどな」

と考えている方もいらっしゃるでしょう…。

そんなあなたの向上心を後押しすべく、コピーライティングの奥義ともいえる『直喩隠喩の活用ルール』をご用意しました!

ここからは、直喩隠喩を効果的に取り入れる際の活用ポイントを3つお伝えします!

ポイント① 物事の説明を深ぼるときに直喩を入れる

物事の説明を深ぼるときに直喩を入れる

説明が難しい・もう少し補足したいときに、直喩をいれることでより分かりやすく、あるいはより詳しく読み手に伝えることができます。

先ほど挙げた「直喩の例文①」が、もっともわかりやすい例としてあてはまるでしょう。

解説したように、直喩は的確な情報をわかりやすく伝えるという点においては非常に頼りになる存在です。

ただし2つの注意点があります。

下記の、良くない例をご覧ください。

《 良くない例(1) 》その子犬は、綿菓子みたいだった

その子犬は、綿菓子みたいだった

この文章だけでは、綿菓子という直喩がなにを示しているのかが不明瞭です。

子犬の見た目が綿菓子に似ているのか、それとも子犬の手触りを綿菓子に模しているのか…判断に困ってしまいますよね。

つまり、1つめの注意点として、比喩がかかる主体を明確にすることを心掛けていいただきたいのです。

《 良くない例(2) 》パッションフルーツのような味

パッションフルーツのような味

パッションフルーツは、日本人にとってあまり馴染みのない食べ物です。

ですので、事実としてその食べ物の味がパッションフルーツに限りなく近かったとしても、比喩に引用するのは避けた方が賢明です。

読み手からすれば「パッションフルーツの味とは?」という別の疑問が生まれ、想像の労力がただ増えるだけ…

読み手の想像力の手間を省くという直喩の最大の目的を踏まえて、「誰でもわかる例えをもってくること」を2つめの注意点として意識するとよいでしょう。

以上、活用ポイント①をわかりやすくまとめたので、下記をご参照ください。

活用ポイント①

説明が難しいとき、詳しく説明したいときは直喩を活用

注意点

⑴ 主体を明確に
⑵ 誰でもわかる例えを

ポイント② 隠喩は伝わる相手を選ぶ表現方法であることを理解する

隠喩は伝わる相手を選ぶ表現方法であることを理解する

周知のとおり、隠喩の気質は暗示です。

明言を避けるということはつまり、解釈を相手の想像力と裁量に委ねるということでもあります。

端的にいうと、相手に察してもらう必要があるのです。

あなたも普段の会話のなかで、伝わる相手とそうでない相手を区別しながら言葉を選びますよね?

隠喩もまた、然り。

使う相手や使う状況によって、効果の程は大きく左右されます。

例えば、

ニーチェ

「そうしてわたしはラクダから、獅子となった」

と、この一文だけでその意味するところを理解できる人は、かなり限定されます。

余談ですが、この言葉はドイツの哲学者ニーチェの著書から引用したもので、人間の精神が成熟するプロセスを模しています。

哲学に精通している人であれば、この文章を一目読んだだけで生き方という壮大なテーマを一文に集約させた比喩であることを察知できるでしょう。

反対に、哲学とは無縁な人にとっては比喩であることすら判断のしようがなく、ただの支離滅裂な文章でしかありません。

このように、隠喩を用いる場合は読み手によってメッセージの伝わり方のふり幅が大きく変わる、両極端な表現であることを認識しておく必要があるのです。

活用ポイント②

隠喩が伝わる相手か、伝わる状況かをしっかりと見極める

ポイント③ 文章にオリジナリティを含みたい際にはどちらも活用できる

文章にオリジナリティを含みたい際にはどちらも活用できる

文章内で比喩を使う目的は、書き手と読み手の解釈をつなぐことだけでなく、また別の狙いもあります。

比喩を盛り込むことで、単調な文章に抑揚や趣が生まれるのです。

どういった抑揚をつけるか、どういう趣を凝らすかによって文章全体の雰囲気はがらりと変わってきます。

要するに、比喩で文章に個性が生まれるわけです。

さらにいえば、個性をだしたいときに活用する手法でもあります。

このアプローチは直喩と隠喩どちらにも共通していえるのですが、それぞれ持ち味が異なるので、アーティスティックな視点で捉えた両者の姿を解説させてください。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、直喩は少々陳腐になりがちな比喩表現です。

そのため、芸術性は劣ります。

しかし、わかりやすさという揺るぎない長所をもっているので、的確な例えを見つけると広く深く刺さる比喩に変身できる可能性を秘めているのです!

個性と普遍性を意識

隠喩はというと、すでにお伝えしているように、読み手の心に深く刺さる場合と、かすりもしない場合の二極化が激しいという特徴があります。

ただ、多くの人の心に刺さり、なおかつ、手垢のついていない隠喩は文章に独特の個性が生まれ、高い芸術点がつきます。

文章にオリジナリティを加えたいときは、以上のような両者の性質を留意したうえで、それぞれを織り交ぜていくとよいでしょう。

さらに気をつけたいのは『個性と普遍性の両立を意識する』こと。

いくら斬新で個性的な比喩を思いついたとしても、それが相手に伝わらなければすべては水の泡。

したがって、読み手の想像力を最大限に膨らませることを前提に、スパイスをほんのり利かせるイメージで文章をつくると、個性と普遍性に調和が生まれます。

活用ポイント③

直喩と隠喩で文章に個性を出す

注意点

⑴ 直喩と隠喩、それぞれの特徴を活かす
⑵ 普遍性を保つ

以上、直喩と隠喩の活用ポイントを3つお伝えしました!

このように直喩と隠喩はそれぞれ違った特徴や使い方があるものの、共通して言えるのは、だれもがわかるような例えを引用すること。

また、読み手はただ言葉をならべた文章よりも、書き手の存在や感性を感じる文章にこそ共感や関心を抱く傾向があります。

つまり、人を惹き付ける文章を書くには読み手ファーストの目線が大切なのです。

この視点を念頭に置きつつ3つのポイントを押さえておけば、だれでも魅力的な文章を書くことができます。

こうした実践を積み重ねていくことで、あなたの文章のクオリティはどんどん進化していくはずです。

直喩・隠喩力を上げるトレーニング方法

直喩・隠喩力を上げるトレーニング方法

ここまで読み進めてくださったあなたなら、直喩と隠喩の違いもその使い方もそれぞれじゅうぶんご理解いただけているでしょう。

ですので、あなたは今すぐにでも直喩と隠喩を使っていけるはず!

…といいたいところなのですが…。

なにを隠そう、実はここに最大の難関があるのです…。

その難所というのは、引き出しの豊かさ。

つまり、例え話を思いつく発想力がどれほどあるか、が比喩力の極意なのです!

事実、直喩と隠喩のなんたるかをきちんとわかっているにも関わらず、良い比喩が思い浮かばないがために取り入れられないといったケースは結構あります。

正直にいうと、私もそこに苦しんだ人間のひとりでした…

あなたも「今すぐ例えて」と言われても、まさしくコレといった例えはすぐに思い浮かばないのではないでしょうか?

ただ、発想力が足りないからといってここで諦めるのは、筆者としてはなんとしても思いとどまってほしいところ…

なぜならば、この引き出しは自分次第でいくらでも増やせることを身をもって知っているからです。

そこで!

発想力を求めるあなたに筆者が実際にやっていたトレーニング方法をご紹介したいと思います!

トレーニング方法① 写経

写経

まず取り組んでいただきたいトレーニング方法は『写経』です。

と、言われてもなんのことだかよくわからないですよね…

写経というのは、ライティング業界ではよく使われる言葉のひとつなのですが、ざっくりいうと、その文字通り「そっくりそのまま書き写すこと」です。

ただ模倣する対象は経典ではありません。

文章を模写してほしいのです!

突然ですが、ファッションセンスを磨きたい人が最初にすることは一体何だと思いますか?

おそらく、あなたを含めたほとんどの人がまずファッションサイトやインスタグラムなどをみて、見よう見まねで真似するところから始めるでしょう。

比喩力に関しても同じことが言えます。

つまり、写経の目的は着想を真似ること。

では、文章を書き写すことがあなたの発想力にどう結び付くか、という点についてですが、

写経によって、まずあなたは読み手に伝わりやすい鉄板フレーズなるものを把握することができます。

また、秀逸な比喩には必ず秀逸たる所以があるのですが「なぜその比喩がすぐれているのか」を分析することで、おのずとあなたの感性も磨かれていくのです。

ちなみにロールモデルはどんな文章でもかまいません。

あなたがわかりやすいと感じた文章や、思わずあなたが最後まで読んでしまった文章をそのまま書き写してみてください。

写経しながら、どこでどんな比喩が使われているかをあぶりだしていきましょう。

ただし、ここで気を付けたいのは、他人が思いついた比喩をそのまま自分の文章に使うこと。

というのも、盗用になってしまう場合があるからなのです…

ですので、そこに必ずあなたなりのアレンジを加えて文章に落とし込みましょう!

このプロセスをたどることで、他人の発想力をあなた自身の発想力に変えることができます。

トレーニング方法② アーカイブを増やす

アーカイブを増やす

比喩力を伸ばしてくれるのは、文章だけではありません。

感性、感情の豊かさから、生まれるものでもあるのです。

例えば、満天の星を見上げたときの美しさはそれを見たことのある人にしか例えようもないでしょうし、失恋の苦しさを味わったことのない人に、世間の共感を呼ぶような例えは考えつくはずもないでしょう。

このように、感性や感情というのはさまざまな人生経験を通して生まれるもの。

日々生きていく中でさまざまな物やできごとに触れることも、比喩力の貴重な源泉なのです。

そういった意味では、発想のトリガーはあなたの人生のいたるところに散りばめられています。

色々な感情を知り、感受性を磨いて、きめ細やかな表現のアーカイブを増やしていきましょう。

あなたのアーカイブが彩り豊かになっていけば、書き手と読み手の距離を隙間なく埋めるようなピースが見つかるはずです。

トレーニング方法③ 連想ゲーム

最後に、連想ゲームを紹介して終わりましょう!

一貫してお伝えしているように、比喩は根本的に

・より具体的な例え
・実体に限りなく近い例え
・的を得た例え

であることとが重要です。

そのため、比喩を考える際には

  1. キーとなるワードや感覚をすくい上げる
  2. すくいあげたワードに共通した対象物を探す

つまり、比喩力の本質は連想ゲームと同じなのです!

例えば、「玉雪(ぎょくせつ)が降った」という言葉をわかりやすく表現したいとき、

と、このようにまず玉雪の特徴をならべて、その要素全てにあてはまる別のものを探して比喩として挙げていく、こんなイメージです。

「玉雪が降った」よりも、「金平糖のような雪が降った」と表現する方が、より多くの人に情景を伝えやすくなるのではないでしょうか。

このように連想ゲームによって、しっくりくる比喩が頭に浮かびやすくなります。

習慣化させるためにも、あまり気負わず、遊びの延長線として日常生活に取り入れてみてくださいね。

上記でご紹介した3つのトレーニング方法を実践すれば、きっとあなたも比喩力を高められることでしょう。

比喩力、つまり例えを考える発想力の差は、才能の違いではありません。

斬新な比喩も共感を呼び込む比喩もトレーニング次第でいくらでもつくりだすことができます。

また大切なのは、感性は柔軟性の賜物であるということ。

そのため、楽しみながらやるのが比喩力を最速で伸ばすコツです!

ぜひ参考にしてみてください。

直喩と隠喩:まとめ

本記事では、文章に深みを出すための表現手法「直喩と隠喩」について解説しました。

いつどんなときも読み手が求めているのは、新しい発見や体験、共感を得ることができる文章です。

直喩と隠喩は、そういった読み応えやアクセントを文章に添えてくれる、いわば演出家のようなもの。

巧妙に演出された文章は読み手の没入感につながります。

積極的に比喩力を磨いて、洗練された文章の書き手になりましょう!

この記事を書いたライター
自他ともに認める真面目な性格と、行動力をあわせ持つ。
「何歳になっても自分に挑戦する、泥臭い母の姿を子供に見せたい」
たどり着いた育児論を貫くべく、全くの未経験からライターに転身。
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