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ひがえり小さな店舗のお助けライター

「もっと流れるような文章を書けるようになりたい!」

「もっと人を惹きつける魅力的な文章を書けるようになりたい!」

ライターに限らず、文章を書く必要に迫られている人は誰でもこう感じることがあるのではないでしょうか?

文法的には間違えていない。文末表現の連続にも気をつけている。それなのにいまひとつ魅力的な文章にならない、と感じている人は『接続詞』の効果的な使い方を学んでみませんか?

接続詞を上手に使いこなせるようになると、文章の流れが分かりやすくなり、人に『伝わりやすい』文章が書けるようになります。

また、効果的に接続詞を使うことで文章をドラマティックに仕立て上げたり、自分の意見を強調したりすることもできるようになるのです。

今回の記事では、文章の魅力度をみるみるアップさせる『接続詞』の種類や使い方について、詳しく解説していきます。

接続詞とは?

接続詞とは?

接続詞とは、単語と単語、文と文を”つなぐ”役割をもつ品詞です。
分かりやすく『つなぎことば』と言われることもあります。

文章は、細かく見ると『名詞』『動詞』『形容詞』『助詞』『副詞』といった単語の種類(品詞)に分かれており『接続詞』もこうした品詞のうちのひとつなのです。

分かりやすいように、例文を見てみましょう。

接続詞の例文

例文中に赤字で示した『だから』が接続詞にあたり、前の文と後の文をつなぐ役割をはたしています。

仮に ”太郎くんは喉がかわいた。水を飲んだ”  という文だったとしても、意味は通じるでしょう。

しかし、頭の中では自然と「喉がかわいたから水を飲んだのだな」と、理由を表す『から』が補足されたのではないでしょうか?

このように、文と文をつなぐ接続詞があることで、読み手は「この先どうなるか」を予想することができ、スムーズに内容を理解できます。

接続詞は、読み手の理解を助け、文章をなめらかにする潤滑油のような存在であり、文章全体の道しるべなのです。

接続詞の種類【例文つき】

接続詞の種類【例文つき】

接続詞は、前の文と後の文をどのような関係性でつなぐのかによって、大まかに言うと8つの種類に分かれます。

このセクションでは、接続詞の種類を分かりやすい例文とともに解説していきますので、覚えて使いこなしていきましょう。

順接

順接の接続詞は、前の文が原因・理由となっておおむね思った通りの結果が続くときに使います。

順接

これらが順接の接続詞にあたり、後に続く文章は思ったとおりの結果、納得のいく結果が続くと覚えておきましょう。

例文で確認してみます。

マコトくんはクラスで1番足が速い。それで、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

この例文では『それで』という順接の接続詞を使用しました。

順接の接続詞の使い方としては問題ありませんが『それで』は話し言葉(口語)の接続詞にあたります。

この文章を使う場面によっては書き言葉(文語)になおす必要も出てくるでしょう。

なおした場合の例文も確認してみます。

マコトくんはクラスで1番足が速い。したがって、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

マコトくんはクラスで1番足が速い。そのため、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

このように、場面に応じて他の『順接の接続詞』を使って言い換えもできるので、多くの接続詞を覚えておけばそれだけ表現の幅が広がると言えます。

逆接

逆説の接続詞は、前の文章から予想されることとは反対の結果が続くときに使います。

逆接

このような逆接の接続詞が文中に登場すると「後には反対の意見や逆の結果がくるのだな」と、受け取る側もある程度予想できるものです。

この効果をうまく利用すれば、逆接の接続詞を使って聞き手や読み手の興味を引き、自分の意見を強調することもできます。

例文で確認してみましょう。

「マコトくんをクラスのリレー代表選手にしよう」というみんなの意見はもっともだ。
しかし、私はその意見に賛成できない。

前の文でみんなの意見を肯定しておきながら、それでもなお自分は反対意見だと述べたいときに『しかし』という逆接の接続詞が効いてきます。

「え?どうして反対なの?」と思わず続きを読みたくなる、人を惹きつける文章になるのです。

並立・列挙

2つ以上の事柄を前の文と後の文で並び立てて説明する際に用いるのが並立の接続詞です。

並立・列挙

これらの接続詞を使う時、前の文と後の文はどちらかが強調されるというものではなく、並び立ちます。

例文で見てみましょう。

秋はリンゴの美味しい季節だ。また、ミカンやカキも美味しくなる。

この文章ではリンゴとミカンとカキ、どれも同じように美味しくなるのが秋だと言っているので、三者が並び立っていると言えます。

今度の旅行では京都、奈良、および大阪を訪れる予定だ。

添加

前の文章に後の事がらを付け加えたいときに使うのが、以下のような添加の接続詞です。

添加
マコトくんはクラスで1番足が速い。そのうえ、成績も優秀だ。

夏休みは沖縄本島への旅行を計画中だ。さらに、石垣島へも足を伸ばすつもりだ。

比較・対比

前の文章と後に続く文章とを比較・対比するときには、以下のような接続詞を使います。

比較・対比
兄はいつも時間に追われている。一方、弟はいつもヒマを持てあましている。

彼は数学が得意でいつも満点だ。逆に、音楽は苦手でいつも赤点をとっている。

この例文のように、前と後ろを対比して、後ろに反対の意味の文章がくるときは逆接の接続詞で言いかえても違和感がありません。

兄はいつも時間に追われている。しかし、弟はいつもヒマを持てあましている。

分類はあくまでも大まかなものだととらえて、その場に合った接続詞を選べるように慣れていきましょう。

説明・補足

 前の文章の原因や理由を後に続く文章でまとめて説明したり、補足をしたりするとき、以下のような接続詞を使います。

説明・補足
アサコは毎日のように紺色のトレーナーと黒のパンツ姿、黒縁メガネをかけて、腰まである長い髪をおろしていた。要するに、地味な子なのだ。

この例文では、アサコという人物の見た目の状態を長々と説明した後『要するに』という接続詞を使って、短くまとめて説明しています。

後の文で補足する場合の例文も見ておきましょう。

当日は9:00までに体育館に集合してください。なお、スリッパは各自お持ちください。

選択

前の文と後の文、どちらかを選択するときには、以下のような選択の接続詞を使います。

選択
旅館についたらお風呂にしますか?それとも、お食事にしますか?

食後のデザートはプリン、またはゼリーから選択できます。

転換

ここまで述べてきた事がらとはまったく違う話題に切りかえる際に用いるのが、転換の接続詞です。

転換

転換の接続詞を使うことで、受け取る側も「ここから話題が変わるのだな」と分かりやすく、心の準備ができます。

まさに文章の中で道しるべの役割を果たす接続詞だと言えるでしょう。

先日はみなさまにご協力いただいたおかげで、無事に運動会を終えることができました。さて、本日は打ち上げ会のご案内です。

この前の作文は非常によく書けていました。ところで、進路希望調査のプリントはもう提出しましたか?

接続詞の効果的な使い方と注意点について

接続詞の効果的な使い方と注意点について

ここまで、さまざまな接続詞の種類を役割ごとに解説してきました。

同じような役割をもつ接続詞をいくつか知っていれば、連続して同じ接続詞ばかりを使わずにすみます。

手持ちに使えるカードが多いほど文章力も向上すると言えるでしょう。

ただ、知っている接続詞の種類が多いからといって、使えば使うほど文章が読みやすくなるというものではありません。

このセクションでは、接続詞の効果的な使い方と、接続詞を使う上での注意点についてお伝えしていきます。

接続詞は内容に沿ったものを入れる

当たり前のようですが、接続詞は内容に沿ったものを使わないと意味が通じないこともあります。

例えば、順接の接続詞を入れるべきところに逆説の接続詞を入れるとどうなるでしょうか?

例文で確認してみましょう。

マコトくんはクラスで1番足が速い。ところが、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

クラスで1番足の速いマコトくんがリレー選手に選ばれるのは『思ったとおりの結果』であるはずなのに、逆接の接続詞が使われていると違和感をおぼえますよね。

マコトくんはクラスで1番足が速い。すなわち、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

このように説明の接続詞を入れてみても、やはり違和感があります。

違和感をおぼえる文章が続くと、読み手がストレスを感じ、記事から離脱する原因にもなってしまうものです。

接続詞は内容に沿ったものを適切に使うようにしましょう。

同じ接続詞が連続するときは他のもので代替する

同じ接続詞が連続するときは他のもので代替する

同じ接続詞がいくつも続く文章は、どこか稚拙に感じます。

かんたんな例文で確認してみましょう。

今回の企画書には課題が多く見つかった。だから、部長から修正を命じられた。だから、昨日は深夜まで残業をするはめになった。だから、今朝は寝坊していつもの電車に乗り遅れたというわけだ。

この文章には順接の接続詞『だから』が3回連続して使われています。間違いとは言い切れませんが、小学生の下手な作文のようで、ぱっとしません。

そこで、同じ文章を『だから』を使わずに書きかえてみます。

今回の企画書には課題が多く見つかった。これにより、部長から修正を命じられた。そのため昨日は深夜まで残業をするはめになった。その結果、今朝は寝坊していつもの電車に乗り遅れたというわけだ。

順接の接続詞を3種類使って言いかえることで、ずいぶん読みやすくなりますね。

文章を書いてみて同じ接続詞が連続していると感じたら、別の接続詞に置きかえられないかどうかを検討してみましょう。

不要な接続詞は削る

不要な接続詞は削る

接続詞の中には『入れたほうが文章の意味が伝わりやすい接続詞』と『入れなくても理解するのに差がない接続詞』があります。

なくても困らない接続詞の場合は、削ったほうがいいでしょう。

理由としては、Web記事のように読者が何かの情報を求めて文章を読みに来ている場合、章が長くなるほど読まれなくなるという実情があるからです。

接続詞が多すぎる文章を、例文で確認してみましょう。

学生時代私はニュースをよく聞いており、さらにはボランティア活動にも力をいれていました。たとえば、大雨、洪水、浸水、土砂災害、ならびに地震などのニュースを聞いては現場に駆けつけていたのです。とはいえ、初めてボランティア活動に参加したときは何の知識もありませんでした。そこで、手ぶらで現地を訪れていました。したがって、自分の食べるものや泊まる場所を確保しておらず、被災者の方々にかえってご迷惑をおかけすることもありました。しかしながら、この経験が今の私を作っていると言っても過言ではありません。

同じ接続詞ばかりを繰り返し使っているわけではないのに、文章がくどく感じられませんか?

なくても困らない接続詞を削り、必要だと思われる接続詞のみを残すと以下のようになります。

学生時代私はニュースをよく聞いており、ボランティア活動にも力を入れていました。大雨、洪水、浸水、土砂災害、地震などのニュースを聞いては現場に駆けつけていたのです。とはいえ、初めてボランティア活動に参加したときは何の知識もなく、手ぶらで現地を訪れていました。自分の食べるものや泊まる場所を確保しておらず、被災者の方々にかえってご迷惑をおかけすることもありました。しかしながら、この経験が今の私を作っていると言っても過言ではありません。

こうして見ると、順接や並立、添加の接続詞はなくても意味が通じますが、逆接の接続詞は残したほうが伝わりやすい文章になると言えるのではないでしょうか。

ただし、接続詞の削り過ぎにも注意が必要。

実際に私自身もライターとして活動する中で「無駄な言葉を削る!」と意識するあまり、つなぎことばを可能な限り削った経験があります。

そうするとクライアントから「もう少し文章にメリハリが欲しい」「緩急をつけた文章のほうが読者を引き込める」といった指摘を受けたのです。

無駄を削ることも大切ですが、あくまでもバランスを意識して執筆するように心がけましょう。

話し言葉と書き言葉の接続詞を区別する

話し言葉と書き言葉の接続詞を区別する

接続詞に限った話ではありませんが、文章を書くときは口語(話し言葉)と文語(書き言葉)の違いに注意する必要があります。

どちらが正解という話ではなく、誰をターゲットに、何を目的に書く文章かで口語に寄せるか文語に寄せるかが決まってくるのです。

一般的に『読者に親近感を与えたい』『ファンを獲得したい』といった目的で書くショップのブログやSNS、友達とのメールなどでは口語寄りの文章が好まれます。

一方、論文やレポート、ビジネスにおける書類のやり取りなどフォーマルな場面で書く文章には文語が使われます。

接続詞にも口語と文語があり、混同しやすいため、使う際には注意が必要です。

接続詞と接続語の違いとは?

接続詞と接続語の違いとは?

ここまでは『接続詞』について詳しく説明してきましたが、似たような言葉である『接続語』とはどのような違いがあるのか、気になった方もいるのではないでしょうか?

このセクションでは『接続詞』と『接続語』の違いについて、分かりやすく説明します。

接続語には接続詞と接続助詞がある

この記事の最初のセクションで『接続詞』とは単語と単語、文と文をつなぐ役割をもつ『つなぎことば』であるとお伝えしました。

実はこの『つなぎことば』には、ここまで詳しく説明してきたような『接続詞』の他にも『接続助詞』があります。

接続助詞については後ほど詳しく解説しますが、文と文をつなぐ単語である『接続詞』と『接続助詞』のどちらもが『接続語』であると言えるのです。

そして文章の中には『接続詞でも接続助詞でもないが、前と後ろをつなぐ役割を果たす言葉』も出てくることがあると覚えておいてください。これも後ほど説明します。

接続詞は単独で接続語となる

接続語の中でも、単独でつなぎことばとなるのが『接続詞』です。

ここまで見てきたように『だから』『ところで』『とはいえ』などの言葉で、後ろに続く文の文頭に付きます。

独立した品詞であり『、』(読点)で区切られることも多いのが特徴です。

接続助詞は他の語とセットで接続語となる

接続語の中でも単独では使われず、用言(活用のある動詞・形容詞・形容動詞)などとセットでつなぎことばの役割をはたすのが『接続助詞』です。

分かりやすいように、下の2つの例文を比べてみましょう。

マコトくんはクラスで1番足が速い。だから、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

マコトくんはクラスで1番足が速いから、クラスのリレー代表選手に選ばれた。

上の文章は『接続詞』である『だから』が単独で接続語になっています。

下の文章は『速い』という形容詞に『から』という『接続助詞』がくっついて、セットで接続語となったものです。

動詞、形容動詞にくっついた場合の例文も見てみましょう。

この野菜は今朝採れたばかりで新鮮だから、おいしい。
(新鮮だ、という形容動詞に接続助詞『から』がくっついたもの)

昨日10キロ走ったから、今日は筋肉痛だ。
(走る、という動詞に接続助詞『から』がくっついたもの)

また、接続詞と同じように『順接』『逆接』などさまざまな意味をもつ接続助詞が存在するため、こちらもいくつか例文で見ておきましょう。

明日、もし雨が降ったら、運動会は中止にします。

明日は雨が降るので、運動会は中止にします。

こちらの2つの文章は『降る』という動詞の活用形に順接の接続助詞『たら』『ので』がくっついて接続語となったもの。

雨が降ったら当然運動会は中止だろう、という『思った通りの結果』が続く形です。

これに逆接の接続助詞がついた場合も見ておきましょう。

明日、もし雨が降っても、運動会は開催します。

明日は雨が降るけれども、運動会は開催します。

こちらの2つの文章は『降る』という動詞の活用形に逆接の接続助詞『ても』『けれども』がくっついて接続語となったものです。

接続助詞の使いすぎは文章を無駄に長くする

接続助詞の使いすぎは文章を無駄に長くする

接続詞の効率的な使い方と注意点についてはすでに説明しましたが、実は『接続助詞』を使う際にも注意すべき点があります。

ここまでの例文を見て、接続助詞を使うと2つの文が1つにまとまって効率がいいように思えませんでしたか?

しかし、接続助詞を使いすぎると無駄に文が長くなるので、注意が必要なのです。

例文で確認してみましょう。

昨日は母が仕事だったので学校の帰りに祖母の家へ行ったのだが、学校から祖母の家までは歩くと1時間くらいかかるので、もし祖母が家にいるならば車で迎えに来てもらいたいと思ったので、学校から祖母に電話をかけた。

このように、接続助詞ですべて繋ごうとすると「けっきょく何が言いたいの?」と感じさせる文章になってしまいます。

分かりやすい文章は『ワンセンテンス、ワンメッセージ』が基本。

途中であえて文章を切り『接続詞』を使って前後の文をつないだほうが分かりやすい文章になることも多いのです。

その他の接続語

ここまで見てきた『接続詞』と『接続助詞』には分類されないものの、いくつかの単語が合わさって同じようにつなぎ言葉の働きをする言葉も存在します。

・ここまで述べてきたように
・そうは言っても
・なぜかと言うと
・その反面

これらも前の文と後の文をつなぐ役割をはたす言葉として文中に登場することがあります。

いくつかの単語が合わさっているため、厳密に言うと『接続語』とは言えないかもしれませんが、つなぎことばの仲間として覚えておくと選択肢が増えていいのではないでしょうか。まとめ:接続詞を使いこなして文章力をアップさせよう

まとめ

今回の記事では、ライターに限らず文章を書く人なら誰でも知っておきたい日本語の基礎『接続詞』について詳しく解説してきました。

前の文と後の文をつなぐ『つなぎことば』である接続詞。

前後の文の関係性によっておよそ8種類に分けられることや、効果的な使い方と注意点。

また『接続詞』と『接続語』がどう違うのかという点についてもまとめています。

接続詞の種類と使い方を多く知っておくことは、トランプで言えばゲームの鍵となる強いカードを多く所持しているのと同じです。

接続詞の入れすぎに注意しながら、ここぞというタイミングで適切な接続詞を使えば、ドラマティックで人を惹きつける文章を書けるようになります。

ライターとしてはもちろん、ビジネス・就活・論文などあらゆる場面で役立つ『接続詞』を上手に取り入れて、文章力アップを目指していきましょう。

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地方の小さな店舗で集客用SEO記事を書いているパートライター|Webライター|ランサーズ認定ランサー|クラウドワークスライター検定3級
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